【女子部51】東商戦振り返り

こんばんは。
女子部監督の岡です。

去る4月30日に第75回目の東商戦がありました。
当日応援していただいた皆様、ありがとうございました。

レースの結果は以下の通りです。

オープン女子シングルスカル　”forte”

#S 磯崎水優　(経3年・栄東高校出身)

発艇時刻：14:50

着順　　Lane　　Time　　　　クルー

１　　　３　　 09:19.81 一橋大学(稗田珠)

２　　　４　　　09:25.91 東京大学(磯崎水優)

良くも悪くも、練習通りの漕ぎを出せていたと思います。スタートでリードされましたが、そこで離されることなく、最後まで食らいついてくれました。

12月の久保杯のシングルスカルのレースでは途中で心が折れてしまったのが反省点で、それを克服するのが東商戦のテーマの一つだったと聞きました。
そのテーマの通り、最後まで折れないレースでした。

5月頭に行われたエルゴ2000mでもベスト更新、今シーズンでの成長が非常に楽しみです。

対校女子ダブルスカル　”山茶花”

#S 梶谷知歩　(理二2年・帯広柏葉高校出身)
#B 青木涼　(農4年・フェリス女学院高校出身）　　　　　　　　

発艇時刻：15:50

着順　　Lane　　Time　　　　クルー

１　　　４　　　 08:30.64 東京大学

２　　　３　　　 08:43.64　　一橋大学

レースの序盤でリードを奪い、そのまま少しずつ艇差を広げ、順当に勝つという展開でした。

レース中、青木が梶谷を励ます声が伴走路までずっと聞こえていました。そして梶谷は最後まで一本もブレずに、舟を進め続けていました。

そういえば最近、梶谷が理想の結婚生活をダブルスカルにたとえて話してくれました。

懇親会の振り返りでは二人ともお互いへの感謝、それも表面的な言葉ではなく、「涼さん／梶谷がいなければ漕ぎ切れなかった」と心からの感想を述べていたのですが、｢一人じゃない｣ということの意味を体現してくれたクルーだったと思います。

そしてオープンフォアで出漕し、勝利をおさめた神山はポンド沿いをにっこにこで嬉しそうに歩いていました。

しかしその後、対校エイトが負けたことについて、｢自分たちが勝っても、エイトが負けるとこんなに悔しいものなんですね……｣と呟いていました。

｢悔しい｣という言葉を、懇親会でも何度か聞きました。

私も選手だったころ、レースに負けたらとても悔しかったです。
悔しすぎて、うまくその気持ちをおさめられなかった記憶があります。

今思えば、たかがレースの勝敗にここまで感情を揺さぶられるなんて、なんと贅沢な時間だったんだろう、と思います。

漫画｢シャーマンキング｣第6巻で、主人公の麻倉葉が、自分が負けたことにはじめて心の底から悔しがる場面があります。

そんな葉に、侍の霊・阿弥陀丸が諭します。

それは葉殿に本当に大事なものが出来たからでござろう？
絶対に失いたくないもの
それを傷つけた許せない敵
いくら自分の感情を偽っていても真剣な気持だけは偽れぬ
今葉殿は心の底から思っているのではござらんか？
｢シャーマンキングになりたい｣と

だから、悔しいと思った人は、とことん悔しがってほしいです。
底の底まで悔しがったその先に、自分の真剣な気持ち、本当にやりたいことが見えてくると思います。

懇親会でも話しましたが、なぜ負けたのか？という原因の追究や、これから何をするべきなのか？という｢べき｣論で頭を悩ませず、自分は今ここで何をやりたいのか？という気持ちに正直になってください。

そして女子部主将の挨拶では、エイトが負けたこともあって暗くなっていた艇庫のムードに、青木が一石を投じてくれました。

勇気のある言葉だと感じました。
きっと多くの人の心に届いたと思います。
｢人を、自分を変える｣言葉は、こんなふうにつむがれるものですね。

生きることは大切なものを失い続けることといいますが、失くせば失くすほど、もう一方でふくらんでいくものもあるのかもしれない、そういうふうに信じていたいです。

女子部は次のレースである京大戦に向けての練習を始めています。

自分たちで創りあげるクルー、自分たちのためのレース、心から楽しんでほしいと思っています。

女子部監督
岡