【女子部⑧】庵野監督とボート

こんばんは。
女子部コーチの岡です。

今日はとてもいい天気でボート日和でした。伴チャリをしていても風が気持ちよく、ダブルスカルでも出して漕ぎたくなりました。

さて最近の女子部ですが、
およそ3週間後にせまった東商戦に向けて、BREEZEクルー(江口・森田)、荒鷲クルー(平松・荻原)はそれぞれに工夫をこらしながら練習に取り組んでいます。

東商戦に向けて考えていることを聞くと、どの選手もふしぎなほど前向きで、万年ネガティブな私はちょっとびっくりしました。

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伴チャリの大石と荒鷲クルー


昨日の夜、ポンドのまわりを散策していたのですが、
ポンドのそこかしこに、今までここで漕いできた人たちの思いが沈んでいるように見えました。光が水面にうつりこんで、きれいで暗いなと思いました。

勝てなかった無念。
伝えられなかった言葉。
届かなかった夢。
理解されなかった気持ち。
報われなかった悔しさ。

歩きながらそんなことばかり考えていましたが、戸田にもっとポジティブな思い出を持っている人もたくさんいるはずで、
いい面を見ようとすれば前向きになれるし悪い面を見ようとすればそこしか見えなくなるものですね。

そんなことを今日選手のみんなに教えてもらったような気がします

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乗艇後のBREEZEクルー


先日、映画「シン・エヴァンゲリオン」を見てきました。

私はどちらかというとテレビシリーズの「新世紀エヴァンゲリオン」が好きで、特に最終回にかけての、主人公たちの心におりていく展開が好きなのですが、
庵野監督が、とあ
るラジオの中で


「アニメファンは現実の不安から逃げている。アニメを見ている間は安心できるから。でも、ぼくは、そうした人々の期待しているような最終回にしたくはなかった。彼らが見たいものではなく、彼らに必要なものを見せたかった。」

「アニメに逃げ込むのではなく現実に帰れ。自分の世界の狭さを知れ。自分のものさしの1センチが他とはちがうことを知るには、他人のものさしを当ててみるしかない。アニメだけが幸せを与えてくれるものなんじゃない。」

「みんながそう気づけるように、水をかぶせるように、そういうメッセージを込めたかった。とにかく自分の部屋から外に出よう。」

「嫌われたくないと思ったら誰にも好かれない。自分の中になにかひとつでも、愛しいと思えるものがあるはず。そこからスタートしてやってくしかない。万人に好かれることはないが、万人に嫌われることもない。」

というような主旨の発言をしていて、なるほどと思わされました。

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乗艇後の荒鷲クルー


ボート部は他者と出会う場です。

東大に入るためにやってきた勉強は、いわば自分ひとりだけで完結した世界です。頭の中から始まり、頭の中で終わる、都合のいい、イメージだけの世界です。

だけどボート部では、現実の他人は、自分に都合よく動いてくれるわけではありません。

それぞれに譲れない思いをもっているので、ぶつかったり、苛立ったり怒ったり、基本的にはうまくいきません。

それでも同じ舟に乗って同じ動きをすることにボートの美しさがあるんだろうなと思います。

ボートをやっていると、「ここは逃げたらいけないところだ」と直感的に思う瞬間がありますが、そのとき、人のせいにしないで、いかに立ち向かえるか?

そこが、ボート部で過ごす時間の質を決めると思っています。

彼女たちがこの先どんなふうに成長していくのか、
そして今度の東商戦から、現実的になにを学びとるのか。

とても楽しみです。

女子部コーチ


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