昨日の反省を生かして、暗い状況で練習を行わざるをえない1組目の艇の数を今日は10以下にして練習を行った。今朝の1組目は1Xが3杯と2Xが5杯の合計8杯。
昨日と違って、漕いでても誰が誰だか分からないという状況に陥ることもなく、きちんと全員の漕ぎを落ち着いて見ることができたのは非常に良かった。どうやらABも同じようなことを感じていたようだった。ただ、その分、2組目にメンバーが集中してしまっているのも事実。まだ、明るい分だけ選手の判別ができないというストレスはないが、航路どりなどの管理と、コーチングの効率などの難点も出てくることだろう。
練習形態に関しても、もう少し改善ができそうだ。
今日、モーターに乗って選手を見ていて気になったのは、スピード感というか、ドライブでのハンドルの加速感が人によって、クルーによってマチマチだということ。特にメニュー後半は結構露骨に違いが出てました。2Xは主にドライブ前半のレッグドライブによる重心の加速感、1Xではドライブ後半のフィニッシュにかけてのハンドルの加速感の違いが目立ちました。
やはり、端々できちんと艇を加速できていないクルーや選手は、なかなか艇も伸びてきません。ヘッドレースのような形で練習を行っていますが、最初の数本を見れば、多少の食い違いはあるものの、数10分後の大体の展開は今日に関しては容易に予想できました。
それでも、現段階での選手の中での差が、今日見えた結果的な艇差ほど大きいものだとも思いません。飛鷹に関しても昨日は散々でしたが、今日は格段に艇速が上がっていましたし。意識の違い、ドライブでの加速感を強く意識するだけでまだまだ大きく変わってくると思います。スピードに対するイメージ次第です。
特に今は低レートですし、凡庸な言い方になってはしまいますが、いかに目の前の1ストロークに拘れるかがこの冬場の成果、ひいてはシーズンでのレースに大きく関わってくると思います。勝つための答えはABに言われて、もう皆の頭の中にあるはずです。そこに自分の力で気付いて、実践していくことが重要です。
それと同時に、その気付きを助けるために、自分たちコーチやコックスがいるわけです。
それともう1つ、上で書いてきたこととは全く関係ないですが、やはり川での練習は、コンディションがとても良いので、選手自身が良い感覚で漕ぐのに大きな役割を果たしていると思います。
もちろん、ポンドでの曳き波の中での練習にもまた違った意味はあるとは思いますが、ノイズが入りにくいので気持ちよく、楽しく漕ぐことにつながっていると思います。
コーチングスキル
今日は、モーターを運転していた新4年生の高橋が非常に良いことを言っていた。
基本的に、今のモーターの上でのコーチングのスタイルとしてABから学生コーチかコックスに、そして学生コーチかコックスから漕手に情報(コーチング内容)が伝達されている。
そんな中で高橋の言葉はいまのこの状況に対する高橋なりの警鐘だったのだろう。
高橋は「一回、最初にABにしゃべってもらった方がいいんじゃないですか?」とおもむろにつぶやいたが、要するに一度、英語でABが選手に言って、それを学生がフォローする方がいいのではないかということだ。
基本的には、陸上などではそのような方針でコーチングを行っているが、モーターの上では色々と雑務が多いので学生が基本的に声を出すことになっている。その方が漕ぎながらなので、選手の混乱も少ない(全員が英語を理解すれば一番早いですが)。
別に、私自身、今のAB→学生C&C→漕手という図式がだめだとは決して思わない、なぜなら、ABの役割の中には、C&Cの育成という部分も含まれているからだ。しかし、高橋の気付きが重要なことなのは間違いない。では、根本的な問題はどこにあるのか。
以前、コーチ講習会で習った内容の中にコミュニケーションの3Vというものがあった。(共通科目2日目&5kmTTの記事に書いてある。)この中で、自分たちが、コーチングの中で、もっとも印象に残りにくいとされる3つ目のV(verbal,言語)しか選手伝えられていないというのを高橋は感じ取ったのだと思う。
もちろん、伝えないよりは伝えるほうが良いのは間違いない。しかし、2つ目のV(vocal,声の出し方)もきちんと選手に伝えることができればさらに良いはずだ。テンポや抑揚、声の強弱、そのほか、喜怒哀楽まで声の出し方一つでも表現できるはずだ。
そういう部分も現役には特に意識して身につけてほしいと思う。ただの翻訳機械ではいけない。もちろん私も日々訓練です。
少し違うかもしれないが、ニュアンスを伝えるという点では小説などの翻訳でも似たような事が言えるはずだ。例えば、ハリーポッターの日本版が陳腐な直訳ばかりでは、面白さも激減し、売れるはずもない。だからこそ作者は翻訳を自分の信頼できる人にしかさせていないのだ。
学生C&Cの役割も、それほどまでに大きいはずだろう。