【女子部㉝】女子部解体新書vol.1~磯崎水優選手編~


こんばんは。女子部コーチの岡です。

それでは今回より、女子部解体新書と題して、インタビュー記事を載せていきます。

トップバッターをつとめるのは、2年漕手の磯崎水優選手です。

「こゝろ」クルー唯一の2年生ですが、持ち前のユーモアと根性で舟をしっかり進めています。

インタビューでも、じっくりと考えながら、ときにやんわりと、ときに鋭い発言をしてくれました。

是非お楽しみください。


~2022年8月14日・山中寮にて~
 

岡 :よろしくお願いします。

磯崎:よろしくお願いします!

 

岡 :それではまず、お名前と生年月日を教えてください。

磯崎:磯崎水優です。2002年の1031日生まれです。

 

岡 :ハロウィンですね。お名前の由来を教えて下さい。

磯崎:「みゆう」は「水に優しい」って書きます。「美」という漢字を使うことが多いんですけど、美しくなかった時に困るよねっていう……いやこれはサブの理由で、ほんとは、「水のように清らかな心を持って、優しい人になってほしい」という理由です。

岡 :清らかな心は持ててますか?

磯崎:持てるように頑張ってます。自分の名前はすっごくすっごく気に入ってます。

 

岡 :好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えてください。

磯崎:好きな食べ物はエビフライとさくらんぼで、嫌いな食べ物はナッツ類とコーンです。

岡 :コーンというのは、つまりとうもろこし……

磯崎:いや、とうもろこしはすごく好きで、コーンポタージュも好きなんですけど、コーンだけダメです。缶詰もだし、カレーとかサラダに入ってるコーンもダメだし、つぶつぶになったら嫌みたいな。とうもろこしだったら甘いはずなのに、つぶつぶになって、周りがしょっぱいものに囲まれちゃうと、周りはしょっぱくて中は甘いみたいな……それが苦手です。

 

岡 :趣味は何ですか。

磯崎:趣味は、弟と話すことと、人と話すことと、音楽聞くことです。あと歌うことも好きです。

岡 :どんな音楽が好きですか。

磯崎:最近洋楽を聞き始めて、あとは好きなジャニーズの曲とか。あとは、皆が聞いてる曲を聞いて、流行りの曲メドレーみたいな感じで、「これが最近の流行か~」って聞くのが好きです。

岡 :人と話すのが好きって、意外と珍しいかも。

磯崎:まず人と話すと、自分と違うところが必ずあるじゃないですか。ちょっと別の話かもしれないですけど、「世界中の職業を体験してみたい」という気持ちがあって、それに通じるというか。つまり、他人は自分と絶対違う価値観を持ってて、驚くことがたくさんあって。自分は自分の人生しか生きられないけど、話すことで広がっていくというか……他人の人生を生きることはできないけど、少し理解できるみたいな。自分の世界の範囲が広がってくのが好きです。

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岡 :どうして東大に入ろうと思ったんですか。

磯崎:物心ついた頃から東大をずっと目指してました。小さい頃の七夕に書いた短冊も「東大に入りたい」で、理由はあんまり覚えてないんですけど。あと、ひいおじいちゃんが東大医学部だったんですよ。おじいちゃんは東大じゃなかったんですけど、おばあちゃんが、「父親と孫は似るものだから。ひいおじいちゃんは凄かったんだよ。だからあんたもすごいよ」って、ちょっと期待してもらったりしてて、それが一つ潜在意識としてあったのかも。

あとは、ちっちゃい頃からクイズ番組がすごく好きで。「Qさま」に出てたロザンの宇治原がすっごい好きで。宇治原は京大出身だったので、最初は私も京大に入りたいって言ってたんですけど、お母さんに「京大だったら一人暮らしだよ?」って言われて。一人暮らしは嫌だったので「じゃあ東大にする」って。そこからだんだん勉強していくうちに、「あ、行けるかもしれない」って思えるようになりました。

岡 :他の選択肢は考えなかった?

磯崎:全く考えなかったですね。お金もかかるし浪人はできないって思ってて、私立はほとんど考えてなくて。志望校を変えたことはない気がします。中学受験の時から、東大に入るために、ほんとは御三家とかに行きたかったんですけど、そこまでの学力はなくて。だから中高では面倒見の良いところに入ろう、と思って栄東に入りました。だからずっと、東大しか見てなかったと思います。

 

岡 :進振り先で、これからどんなことを学びたいですか。

磯崎:文科Ⅲ類で入学したのは、そこが一番入りやすかったからなんですけど、最初は進振りで理系に行こうとしてました。でも、1年生のSセメの数学の授業で心が折れてしまって、そこで理系は諦めました。今のところは、経済学部の経営学科に行きたいと思ってます。第二志望は社会学とか心理学とか社会心理とか、そこらへんがいいなって思ってます。

岡 :それぞれ良いなと思った理由を教えてください。

磯崎:経済学部は、なんかキラキラしてそうって思って……いや、でもどちらかというと、経営がやりたくて経済学部を考えたっていうのが大きいです。1年生の終わりくらいに、進路について高校の先生に相談したことがあって、その時に、「今何が好きなの? 今何を考えてるの?」って聞かれました。私は「ボート部のことしか考えてないです」って答えて。ボート部がどうしたらうまく回っていくのか、どうしたらボート部が組織として良くなってくのか……っていう話をしていくうちに、「それって経営に近いと思う」と助言をもらったので、それが根本にあります。

心理学は、東大に入る前に、ちょっとやりたいなって思ってたことでした。東大に入ってから受けた心理の授業もすごく面白かったです。あっ、ヒトラーっているじゃないですか。

岡 :ヒトラー……

磯崎:ヒトラーは大衆を扇動したわけですけど、どうしてそんなことができたんだろうって、ずっと不思議に思ってて。冷静に考えて、今の時代からしたらおかしいし、受け入れがたいと思うんですけど。でも、当時の人がヒトラーについていこうって思ったのは、演説が上手かったっていうのがまずあると思うんですよ。じゃあどういうふうに人の心を動かしたのか、人の心をひきつけるためにどんな演説をしたのかっていうところが気になって。そのために心理を学びたいなと。

社会学は、「わりと何でもできるよ」って聞いたのと、あと、ジェンダー論の授業が面白かったので。そういうのやるなら社会学かなと思ってます。

岡 :ヒトラー、面白いよね。要は彼が人びとの潜在的な憎しみを煽ったってことだと思うけど、小人数だったらまだしも、それを国全体に広げるって相当すごいよね。

磯崎:それって経営とも通じるなと思ってて。「ボート部を良くするために」っていうのも、結局「人の心をどう動かすか」っていうところと繋がってると思うんですよ。「日本一」という目標にみんなの心を向けるために、どういうアプローチをすれば、みんなが自然にその方向を向けるのか。経営でも心理でも、それぞれの角度から考えていけると思ってます。

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岡 :自分を色にたとえると何色ですか。

磯崎:水色です(即答)。

岡 :それはやっぱり水優さんだから……

磯崎:それもあります。あと、ちっちゃい頃からイルカが好きで。幼稚園の頃、名前の横にそれぞれ動物がいるんですけど、それがずっとイルカだったのもあって。ずっと水色が好きでした。あと、自分はそんな原色じゃないというか、赤!とか青!とかじゃない。ピンクもちょっと違うし、クリーム色でもない。一番水色がしっくりきます。

 

岡 :小さい時はどんな子どもでしたか。

磯崎:すごくしっかりしてました。幼稚園で配られた手紙のこととかも、「水優ちゃんに聞けば何の手紙かわかる」って言われるくらいで。あとは、人前に立つのがけっこう好きだった気がします。自分に自信持ってて、学級員とかにも立候補してました。

岡 :ちなみに今は?

磯崎:人前に立つとか、やりたい気持ちはあるんですけど、候補が何人かいた場合、「自分がはずれたらどうしよう?」という気持ちの方が勝ってしまいます。昔はそういうのあんまり思わなかったんですけど。

岡 :でもボート部の場合、このままいけば、再来年の女子部主将候補は磯崎しかいないのでは……

磯崎:それがちょっと心の奥底にあるかもしれません……

 

岡 :どんな人が好きですか。異性でも同性でも。

磯崎:えー、何だろうなあ……(熟考)……悪口を言わない人が好きです。あとは、うーん……(熟考)……面白い人が好きです。これまでの友達は、飾らない人が多かったですね。すっごく可愛い子なのに、全然周りを気にせず行動するみたいな。

岡 :面白いっていうのはどういう感じ?

磯崎:度肝を抜かれるような、ってことですね。たとえば、高校の時、私がちょっと気になる人がいたんですけど、その人の写真が欲しいっていう話をその友達としてて。修学旅行の時で、大型フェリーの上だったんですけど。でも、私達が2階で、その気になる人が1階だったので、やっぱり無理かな……って思ってたら、その友達がスマホを取り出して、下が海なのにこうやって(身を乗り出すように)撮り始めたんですよ。ストラップも何もなしに。私、それですごいびっくりしちゃって。しかもすごい音量でバシャバシャ撮り始めて。「そこまでしなくていいよ!」って言ったんですけど。そういう感じで、たまに度肝を抜くような、こっちの予想を超えていくようなことをする人だと刺激があるというか。その子は5年くらいずっと仲良かったんですけど、知らない一面があったりすると面白いし、そういう人が好きなんだと思います。

岡 :きっとその友達は、純粋に磯崎のためを思ってやってくれたんでしょう。

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岡 :生きるにあたって大切にしていることはありますか。

磯崎:悪口を言わない(即答)。あとは……(熟考)……それくらいですかな。

岡 :大事ですね。

磯崎:最近はそれをすごく考えてます。悪口言う人って、まず周りから見てても嫌ですよね。最近読んだ漫画の主人公が、絶対に悪口を言わない人なんですよ。人に何を言われたとしても、自分は自分だし、「悪口を言うことって何も生産的じゃないよね」っていう考え方をする人で、それがすごくかっこいいなと思ってます。

そのために、事実と感情をできるだけ切り分けられるように頑張ってます。感情として、わーって湧いてくるものがあったとしても、事実としては違ったよね、みたいな。

岡 :そもそも悪口を言いたい人ってあんまりいないけど、「つい言っちゃった」ってことが多いんだろうね。私は性格が悪いので、割と人の悪口言ってしまうんですが……ごめんなさい。

磯崎:難しいですよね。悪口を言わないだけじゃなくて、本当は、悪口に賛同もしたくないんですよ。だけど、それって悪口を言ってる側からしたら、味方のふりして敵というか、「何であんた賛同しくれないの?」ってことにもなる。すごくそれが難しいけど、「悪口を言わずに、寄り添う」っていうのを頑張ってます。

 

岡 :タイムマシンを一度だけ使えるとしたら、いつどこに行きたいですか。

磯崎:ええー。タイムマシンかあ……(熟考)……未来に行きたい気持ちはあるんですけど、自分が何の仕事をしてるのかなとか、見てみたくて。でも、実際に行くんだったら過去かな。たとえば小学校時代に戻って、今のボート部の人とか、友達とか、その人達の小学校時代を、ものすごい勢いで見に行く気がします。自分が変わりたいとかじゃなくて、「みんなどんなんだったんだろう?」という興味の方が勝つ気がします。

岡 :自分のこと見に行くわけじゃないんですね。

磯崎:自分を見に行ってもなんか……それで東大に入れなくなったりしたら嫌だし。今の人生を楽しんでるし、いいかなって思っちゃいます。お母さんの小さい頃とかも見てみたいですね。

 

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岡 :なぜボート部に入ろうと思ったんですか。

磯崎:考えれば考えるほどいっぱいあるんですけど……えっと、家が近かったから。大石さんが綺麗だったから。「日本一」という目標に心を動かされたから。同期が悪口を言わなかったから。このあたりの理由が大きいかなと思います。

 

岡 :今までボート部で過ごしてきた中で、嬉しかった瞬間は何ですか。

磯崎:やっぱり今年の京大戦で勝ったのは、「勝利」ということもあって嬉しかったです。そこかな……そこですね。

 

岡 :逆に、しんどかった瞬間は。

磯崎:肉体的にしんどかったのは浅野杯の時ですね。男子と一緒のクルーだったし、うまく漕げないし、わからないし、体力ももたないし、全然楽しくない、みたいな。精神的にきつかったのは1年の冬かな。艇庫の雰囲気も暗かったし、同期も暗かったし、やめてく人とかもいて、そっちに引っ張られていく気持ちがありました。

岡 :一回休部したのもそのあたりだよね。

磯崎:1年の2月か3月に、一旦休部しました。

岡 :よく戻って来られましたね。

磯崎:休部するって決める前が一番きつかったんですけど、休部しようって決めて、それから3日くらいは意外と楽しめたんですよ。やっぱり休部せずに残ろうかなとも思ったけど、でもそれって、「あと3日」だから楽しめたんだろうなって思って、そのまま休部しました。

岡 :戻ってこようと思った理由は。

磯崎:もともと2週間っていう期限は決めてたので。2週間で遊び尽くして、あんまり遊ぶの楽しくないなって気づいて。あと、意外と艇庫にいて、みんなとしゃべるのって楽しかったんだなって……。「自分はボート部があるから遊べないのに、みんなは遊べていいなあ」って思ってましたけど、2週間普通の大学生として色々経験して、想像してたより楽しくなかったというか。あとは、他のみんなが経験できてない「いいこと」を、私はボート部で経験してるなって思えて、だから、ボート部でやっていこうって思えました。

岡 :「いいこと」って何ですか。

磯崎:やっぱり、絆の深さのレベルが違うところ。一緒に生活して、きつい練習を一緒にやって、今日とかも色々ありましたけど。クルーでぶつかり合うこともあるし。でも、そんな友達ってなかなか作れないなと思ったので。やっぱりボート部いいなって思いました。

 

岡 :今のチームにおける自分の役割は何だと思いますか。

磯崎:女子部では、なんだろうなあ、後輩感を出すことですかね。難しいし、それが正しいかどうかはわからないんですけど、ちょっと空気が読めないくらいにしてます。五人兄弟の四男だった人が言ってたことなんですけど、その人は、たとえば家でクッキーが出されたとき、他の兄弟が遠慮して「いいよいいよ」って譲り合ってる中、あえて無邪気なふりをして「いただきます」って食べることにしてたらしいです。そういう人がいることでうまくおさまるというか。それで誰も嫌な気持はしないし、そういうイメージですね。あとは、今のうちに、色々ちゃんと学ぼうと思ってます。

岡 :後輩感というのは面白いですね。それを無意識にやってる人はいるかもしれないけど、磯崎は意識的にやってるわけだから……

磯崎:やってますね……

岡 :「自分がどう振る舞うのがチームにとって一番いいか?」という視点を持てていて素晴らしいと思います。

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岡 :さっきの経営の話とも絡みますが、磯崎の考える「組織づくり」について聞かせてください。

磯崎:漕艇部ってすごく難しいじゃないですか、OBもいて、淡青会からの補助をたくさんもらっていて、でもOBに頼りすぎるのも良くなくて。あと、新歓でやる気のある人とない人の差がある、女子と男子の対立がある、クルーごとの対立がある、クルーの中でも対立がある……とか。やめていく人もいるし、やめてく人が悪いとは思わないけど、「もうちょっとこうしたら良かったんじゃないかな」とか、「あのときに誰かが気づいてれば苦しむこともなかったのかな」とか、色々思うことがあって。それに対して、変えていきたいというか、みんなが過ごしやすいように……できるだけ問題が少なくなるようにしたいなって思ってます。

岡 :これからの
2年間をかけて、取り組みがいがありそうなテーマですね。2年後にもう一回聞かせてもらいたいです。

 

岡 :ボート部やってて、自分が変わったなって思うことはありますか。

磯崎:なんだろう……(熟考)……でも、明るくなったと思います、すごく。

岡 :おお。

磯崎:すっごく。本当に。高校の時は、人としゃべってなかったわけじゃないけど、仲のいい数人としかしゃべらないって感じでした。みんなとしゃべる必要性も感じなかったし……あと、自分に対しての気づきがすごく増えたなって思います。練習できついこともあるし、クルー内で色々あったり、注意されて自分はこう思ったとか、ボート部にいると色んな感情が出てくる。そこまで自分と向き合ったことが今までなくて。「意外と自分ってこういう人間だったんだな」という気づきがすごく多いです。たとえば、自分って人と話すのが好きだなとか。人に対して興味がないと思ってたけど、やめていっちゃう人に対して一番アプローチしてたなとか。意外と人と繋がってくのが好きなんだなとか。やっぱり負けず嫌いだなとか。そういう気づきがすごく多かったなと思います。

 

岡 :逆に、ここは変わらないなと思うところは。

磯崎:さっき言ったことでもあるんですけど、負けず嫌いはずっとです。そこは絶対変わってない。あと、根気強さもあります。要領がいいわけではないので、すぐできるわけではないし、最初は人よりだいたいできないんですけど、頑張れるところ。受験勉強の時もそうでしたけど、ボート部入っても一緒だと思いました。

岡 :負けず嫌いって言うのはよく言ってるよね。

磯崎:受験の時なんか、担任の先生が「受験は個人戦じゃない、チーム戦だよ」という話をしてくれたんですけど、私は「負けず嫌いなんで、みんなと一緒に合格とかしたくないです」って答えました。

岡 :先生にその返しをする人はなかなかいないだろうね。

磯崎:先生もちょっとびっくりしてました。

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岡 :ボート競技の魅力を教えて下さい。

磯崎:自分に向き合って、自分を知れるところが魅力です。あと、シングルスカルだとちょっと違うんですけど、クルーボートの場合、フィジカルがどんなに強くても、合わなければ全く速くならないし。逆にフィジカルが強くなくても、きれいに合ってたら、小柄な人ばっかりでも進む。フィジカルも大事だけど、合わせるのも大事、という一種不一致なところというか、矛盾してる感じが魅力だと思います。

 

岡 :ボート部の魅力を教えてください。

磯崎:そこにいる人を尊敬できる、すごく尊敬できる。同期全員……ボート部にいる人は尊敬できる。色んな面で、ですね。ほんとに「すごい」しか出てこないんですけど、みんな自分にないものを持っているので。他の世界でもそうかもしれないけど、ボート部では、それを感じる瞬間が多いなと思います。時々はっとさせられるというか。

岡 :たとえば、どういう瞬間にはっとしますか。

磯崎:たとえば、私は日本一目指してるけど、みんなはそこまでじゃないな……って思ってた時期があって。でも、同期の人が「こんな練習で日本一になんかなれないだろ。日本一になるためにはこういうのが必要なんだ」って、すごく真剣に言ってたことがあって。私の勝手な勘違いだったってことに気づけて。むしろ、私はそこまで考えられてなかったなって、そのときは自分の傲慢さに気づけました。あとは、先輩に臆することなく意見を言ったり、同期に対して真剣に怒ってたりする人もいて。私は同期に対して真剣に怒ることはできないので、そういうのもすごいなって思います。

岡 :全員尊敬できるっていうのも才能だと思います。逆に、全員見下すことだってできるわけだから。

 

岡 :ボート部で後悔していることは。

磯崎:手があんまり綺麗じゃないし、手首から下の肌の色が違う感じになっちゃって、夏とか半袖だと、外に出るのが恥ずかしいですね……。あとは、もっとバイトしたり遊んだりしたい、っていうのはあります。本当は、受験でお金がかかったので、バイトたくさんして、親に月一万円ずつくらい、お金を返そうって思ってたのに、逆にボート部でお金めちゃくちゃかかってしまって。全然返せてないどころか、逆に払ってもらったりしてしまって。申し訳ないなって思います。あとはやっぱり、もうちょっと遊びたいですね。普通の大学生ってこんな感じではないのかなって思います。

岡 :たぶんだけど、親御さんは、返してほしいとは思ってないんじゃないかな?

磯崎:親は「いいよ」って言ってくれてるんですけど、やっぱりちょっと申し訳ないなっていうか。親というよりは、私の気持ちの問題です。

岡 :おこがましいけど、私が磯崎の親だったら、その気持だけで十分嬉しいです。

 

岡 :インカレまでに成し遂げたいことは。

磯崎:1か月前に聞かれてたら「エルゴ2000m8分切ること」だったんですけど、さすがにあと1回の測定で出せる記録ではないので……(熟考)……インカレまでにというよりは、インカレ当日に、レース以外の無駄な不安なくレースを迎えたいです。色々な不安要素を、レースまでにいかに取り除けるか?ということを成し遂げたいです。

岡 :すごく本質的な答えですね。ぜひ成し遂げてほしいです。

 
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岡 :どんな大人になりたいですか。

磯崎:ええー難しい……(熟考)……高校の担任の先生で、すごく尊敬してる人がいるんですけど、「こんな大人になれ」って言われたことがあって。昔はそれを思ってたんですけど、実はそれを忘れちゃって……

岡 :忘れたんですか?

磯崎:だから、何かあったような気もするんですけど。まず、「悪口を言わない」というのは、大人になってもそうありたいです。あとは、感謝を忘れないことと。あとは……難しいですね……

岡 :内面的なことでも、職業とかでもいいですよ。

磯崎:そうですね……(熟考)……んーと、宝くじで一億円当たるとかは、求めてないけど、週に一回のコンビニで、新作のケーキを買って帰るくらいの小さな喜びを持った人生を歩みたいです。仕事はあんまり考えてないですね。でも、今けっこう楽しいので。私メンタルがそんなに強くないので、すぐ落ち込むし、嫌なこともたくさんあるし、「あ~もうやだ」とか「何で今日はこんなに幸せじゃないんだろう?」って思うこともあるんですけど、大きいスケールでみたときに、「だいたい幸せだったかな」って、今は思えていて。そう思える生活をしている大人になりたいです。

岡 :コンビニのケーキの話は、それが人生かもって思いました。

磯崎:そういう幸せがあるといいなって思いました。それってけっこう大きい幸せだなって思います。

岡 :そうだよね。

磯崎:そういうの大事だなって思います。

岡 :本当にその通りだと思います。大きい幸せって何だろうね。一億円当たることが大きい幸せなのかって言ったら、そうとは限らない。

 

岡 :最後に、これを読んでくださっている方々にメッセージをお願いします。

磯崎:まず私が最近思ってることは、明日出す私のブログ(令和4年度東京大学運動会漕艇部 : 浅野杯からもう一年! – livedoor Blog(ブログ)に書くので読んでほしいなと思います。

岡 :楽しみです。

磯崎:みんなも悪口は言わないで、いじめをせずに生きてほしいなって思います。

岡 :前も、いじめをする気持ちがわからないって言ってましたね。

磯崎:悪口は、うーん、本人に絶対耳に入らないように、数少ない友人に言うのであれば、仕方ないかなって思うこともあります。不満を吐き出すことは必要なので。でも、いじめは何があってもダメだなって思います。いじめをする人になってほしくないし、いじめをするような風潮があったらそれを止めるような人になってほしい。止めましょう!

岡 :いいメッセージですね。ありがとうございました。

いかがでしたでしょうか。

個人的には、ヒトラーの話とコンビニケーキの話がとても磯崎らしくてツボでした。

次回もお楽しみに。

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