こんばんは。
女子部コーチの岡です。
いよいよ京大戦が今週末に迫ってきました。
今年の京大戦は瀬田での開催、「こゝろ」クルーと学生コーチの向井さんとで遠征となります。
せっかくの遠征なので、瀬田川の風景はもちろん、京都(滋賀)の空気も味わって、存分に楽しんできてほしいと思っています。

(「こゝろ」と笹目橋)
レースのほぼ一週間前、土曜朝の乗艇を見に行きました。
ほとんど本番と同じ距離のメニューでしたが、スタートの立ち上げからラストスパートまで、リズムも漕ぎも乱れずに漕ぎきっていたのがとても印象的でした。
全員で同じ水を押しているという点で大きな変化があり、以前とは別クルーのようで正直驚きました。
選手たちの実感としてもこれまででベストのパフォーマンスだったようで、仕上がりは上々です。
何が良かったのか聞くと、前日のクルーミーティングでよく話し合い、スタートからコンスタントへ移行する際の意識をすりあわせたことが大きいとのことでした。
ただなんとなく「良かった」のではなく、「何が良かったのか」まで言葉にできていることが素晴らしいと感じました。

(この日は新人のスカイツリー遠漕でした。新人女子も元気に頑張っている模様です)

(レスト中の「こゝろ」クルー)

(波紋がきれいです)

(このアングルが好きです)
それでは恒例のクルー紹介をさせていただきます。
♯C青木(3年)
女子部の数名から「おてんば娘」と評判の青木。これまでは男子クルーに乗っていましたが、この京大戦から本格的
に女子部に合流、コックスとしての実力を遺憾なく発揮しています。個人的には、コックスに求められる資質の一つに「感受性」があると思っているのですが、繊細な感情・感覚をしっかり持っています。クールに見られがちらしいですが、私からはそんなことないように見えます。むしろ、これがやりたい、あれもやってみたい、という意志が強く、根本には自分自身への信頼と情熱があるんだろうなと思います。将来について「青空の下で働きたくて」と語っていたのが、とても印象的というか、象徴的な言葉でした。
♯S江口(4年)
東商戦ペアに引き続き、今回のフォアでも整調を務めます。辛いときこそ声を出して鼓舞する、大黒柱としての姿勢は健在です。土曜にクルーのベストパフォーマンスを出せたことについて、「この漕ぎができて負けるなら仕方ないって思えた」と表現していたのが印象的でした。伝わりきらないからこそ伝えたい、わかり合えないからこそわかり合いたい、もどかしいから感情が振れることもあります。でも根本にあるのは他者を信頼しようと願う気持ちで、そこが彼女の変わらぬ持ち味です。ともすれば後ろ向きになりそうな心を振り捨て、前向きであろうとすることの難しさと大切さを体現しつづけています。
♯3磯崎(2年)
節約のため、鮭の切り身(生)を焼いた後、自らの手で丹念にほぐし、イソザキ製鮭フレークを瓶に持参してきた磯崎。4年生の漕手3人の中にただ一人の2年生という環境で、身体を壊さないか心配でしたが、タフに食らいついてくれました。いつもユーモラスな言動で場を和ませてくれる彼女ですが、「もっと苦しい練習がしたい」「勝って心底喜びたい」というような熱いパッションも持ち合わせています。先輩ばかりのクルーにも関わらず、練習への取り組みもまったく遜色なく、自分からミーティングを提案するなど頼もしい限りです。相手の本質をさらりと見抜く鋭い洞察眼も持っており、ある意味クルーの要かもしれません。
♯2平松(4年)
周囲への違和感、自分への違和感、嘘がつけな
いからこそ無視できない、一つ一つ拾い上げて、納得してから一歩ずつ進んでいく平松。その無骨なまでの実直さに、一番あがき苦しんできたのは彼女かもしれません。クルーボートというか、人と関わることは誤解と無理解の連続ですが、それでも何かを捨てきれないで漕ぎ続ける姿に、彼女の人生のスタンスを感じています。ボートに集中しているときと、じっくり言葉を選んでいるときの彼女の表情を見ているのが好きです。フィジカルもテクニックも着実に積み上げてきた、その成果を遺憾なく発揮してほしいと思っています。土曜の乗艇で、クルー全体の動きと調和して淡々と漕ぎきった姿に、私個人として心動かされるものがありました。
♯B森田(4年)
舟の一番後ろから、常に冷静にクルーを見守っています。長いメニューでも、レンジもパワーも落とさず、リラックス感もフォームもキープ、航路にも気を遣って、とあらゆる面でクルーを支えてくれています。良い意味でのクールさというか、一歩引いた視点で全体のバランスに配慮できる思慮深さが、最近特に光っています。真正面からというよりは、隣に添うように語りかける彼女の話し方に、私自身じんとくる瞬間がありました。一方で勝利への情熱は人一倍強く、今回は特に、一昨年怪我で出られなかった瀬田での京大戦です。ほんのり優しい笑顔で「えーなんかつまんなそう」「それってどうなのかなー」と、さらりと毒を吐くのが、個人的にはかなりツボです。
以上5人でのクルーとなります。

(モーターを運転してくれた中村。携帯でブイの張るべき位置を確認中。本当に感謝です)
私自身は瀬田には行かないため、レースの見られない淋しさもありますが、楽しみであることにかわりはありません。
最近のみんなを見ていると、楽しもうと思えばいくらでも楽しめたはず、良いところを見ようとすればいくらでも見えたはず、と自分自身の現役時代について考えさせられることが多くあります。
そう
いう意味で、私もたくさんのものを今の女子部からもらっており、彼女たちには感謝の気持ちでいっぱいです。
漕ぎの面でも気持ちの面でも、5人の歯車をしっかり噛み合わせて、良いレースをしてきてほしいと思っています。

(早朝からモーターを出してくれたスタッフ陣。本当に感謝です)
皆様、是非応援よろしくお願いいたします。
女子部コーチ
岡
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