9月、インカレが終わってからフライを迎えた艇庫は、新人戦クルーがちらほら練習をしている、いつもより少し静かなところだった。フライ中も何かと艇庫にいた私は、新しい自分たちの代になるまでに何かしら新しい状態で迎えたいと考え、粗大ごみや落ち葉で散らかるコンテナ周りをきれいにしようと考えた。個人的に掃除は好きである。一度始めたら止まらなくなってしまう。ただ、知らぬ間に身の回りは汚れてしまいがちである。結局、あらかたの粗大ごみを普通のごみとして出せるように40㎝以下に分解し、コンテナ下の落ち葉やら裏のほこりやらをとって終わった。全員のフライが明け、いよいよ新体制がスタートする9/18には、満足のいくコンテナ周りにできなかった。
先日コーチが全員に向けて教えてくれたブログに「艇庫は艇を保管するところである」という言葉を見た。しっくりきた。艇庫は艇を保管するための場所で、決して他の目的のために使われる場所ではない。もし艇庫がそれ以外の使われ方をされるのならば、練習の質は下がり、艇速も落ちるだろう。艇庫だけではない。トレーニングルームは、トレーニングを積むためのところであるし、自分の部屋は休息するところであるし、我々マネージャーの部屋は仕事をする、クリエイティブな発想を生み出すべきところである。それらがしかるべき姿をしていなければ、その本来の目的や役割を果たすことはできない。それが結局は部の組織力を下げ、練習の質を下げ、艇速の低下につながる。
まず何よりも、その場所がしかるべき姿に整頓されていなければならない。今まで、掃除は無我夢中にやっていた。それが大きな意味をなすということを、やっと自分のなかに落とし込めた。すでに最高代になってからで、遅すぎたかもしれない。ただこの気づきが、今でよかったと思うしかない。引退まで残された11か月に満たない時間、艇速を上げるためにできることをなんでもやるしかない。


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