次の傍線部ほカタカナを漢字に直しなさい。
「東京大学では多くの団体によるシンカン活動が盛んである」
東大入試を突破したみなさんはきっと正しく書けることでしょう。
「新歓」
一般にはこのように書かれます。たぶん、これが正解だし、僕もこのように書きます。
ところがボート部では少し事情が違うのです。
2ヶ月ぶりです。本年度の新歓担当を務めております、4年生の中山隼輔と申します。今回で新歓の運営に携わるのは昨年度に続いて2回目になります。
さて、冒頭で述べた「シンカン」についてですが、ボート部では「新勧」という表記をすることがあります。スマホなどの変換ではおそらく出てこないし辞書登録するのもめんどくさいので頻繁に登場するものでもないのですが、この時期に必ず一回は話題に上がります。
そもそも、「新歓」とは新入生歓迎の略です。たぶん。新歓イベントをいろいろな部活やサークルが開いていて新入生のみんなはどんどん参加していることと思いますが、それらはその団体に入ろうとする新入生を歓迎するイベントなのです。当然、勧誘の意味合いもあるとは思いますが、ほとんどの団体が一緒に楽しんで親睦を深めることを目的としているという意味ではやはり歓迎なのではないでしょうか。そのような団体はテント列にちゃんと出て、SNSなどで広報していればある程度新入生が集まってくるような団体で、だからこそ歓迎する余裕があるのだと思います。
残念なことに、ボート部ってそんな感じで待っていても新入生が入ってこないんです。ボート競技は自他ともに認められるマイナー競技ですから、知らないし適性があるのかもわからない競技をやってみようなんてまぁめったにないですよね。だからこそ僕たちは必死に「勧誘」する必要があるのです。ボート競技の魅力、東大ボート部の目標やそれに対する本気さ、そして部員の温かさ……。実際にボートに乗ってみたり、駒場で部員と一緒に練習を体験してもらったり、部員の本音を聞いたりしながらこれらを肌で感じてもらい、「ボート部ってめちゃめちゃええとこやん」と、気づいてもらう必要があるのです。これが、ボート部の新歓が新勧たる所以です。あ、もちろんイベントに参加してくれたら部員みんなで歓迎いたします!
新学期開始から2週間が経ち、ほかの団体同様ボート部の新歓(新勧)もいよいよ佳境を迎えております。すでに入部を決意してくれた子も多くおり、どのような色の代になるのか、どんなフレッシュな風をボート部に届けてくれるか、この子たちが最高学年になったときにはどのくらい成長しているのかなど、楽しみなことが増えてとても嬉しく思っております。
最後に僕たちは日本一を目指しています。その目標に向かって取り組む姿勢はほかのどの部活と比べても引けを取らないものであると東商戦が近づいてきた今、あらためて感じています。この本気度を新入生にどれだけ伝えられるかが、新歓において肝心、いや、心肝であると思っています。冗談はさておいて、より多くの新入生がボート部でたくさんの仲間を見つけ、目標を見据え切磋琢磨しながら成長し、最高の大学生活を送れることを願っております。


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