三四郎ラヴ

こんにちは、新2年漕手の田中璃央です。このブログには二度目の登場になります。なので、覚えていないとは言わせません。最近食べたいものはフランスパンのバゲットです。(めっちゃ硬いやつ)

さて、今回のブログのテーマは漕艇部での一番の思い出だそうです。一番の思い出をこの1年の中から抽出しようとするとかなり難しいですね。なんてったって毎日が高校時代の14.5倍くらいは忙しくて、その分25倍くらい充実してるんですから。濃い。濃すぎるぜ、エブリデイ。と、ごたごた言いながらパソコンの前で何書こう?と唸っているうちに1時間が経過していました。いったんここでコーヒーブレイクを挟みたいところです。

コーヒーではなく緑茶を飲んできました。美味しかったです。暖かい緑茶で思考がまとまったところで本題に入ろうと思います。やはり、一番印象に残っている場面は新人戦直前の2kmttです。新人戦(全日本新人選手権)は私たちの代にとって初めての対外戦。そして、初めての同期だけのエイトクルーでした。艇の名は三四郎。夏目漱石の前期三部作のうちの一つを名に背負っています。クォド期間、スカル期間を経て満を持して始まった新人戦練習ですが、準備期間は1ヶ月のみでした。おまけにちょうど大学の秋学期が始まるタイミングだったので、その1ヶ月はほぼ「row 授業 row 寝る」を繰り返していたと記憶しています。初めてのスイープに右往左往し、訳のわからない朝4時からの練習ではみんな寝ぼけ眼で終始無言が船の上に満ち、風が吹いたらぐらんぐらんに揺れて漕ぎどころじゃなくなり、朝練後に慌てて出席した授業では深い眠りに落ちる。(単位を落とした者もいたそうです)そして、乗艇後のクルーミーティングでは艇の傾きに関してバウサイとストサイで議論になり、険悪な雰囲気になることもありました。朝練で我らがコックスがほぼ気を失いかけていた時もありました。秋ヶ瀬までutした時が一番最悪でした。揺れまくってタイムが出ない。タイムが出ないから漕ぎたくなくなる。漕ぎたくなくなるからもっとタイムが出ない。という悪循環に陥り、多分歩いた方が速いくらいでutしていました。そんな新人戦エイトですが、キャッチに関するフォーカスを決めてから段々とutでの船の動きが良くなりだしました。元々ハイレートだけはなぜかみんなイキイキして艇も進んでいたのですが、utが底上げされてからさらに良くなりました。スイープにも慣れ、艇の揺れも収まってきてあともう少しで新人戦だぞ、という時期に行われたのが荒川での2kmttでした。新人戦の練習が始まる時期に決めた目標タイムが他の新人戦クルーに比べると圧倒的に遅いことは早い段階でわかっていました。過去の新人戦のタイムと照らし合わせれば一発でした。そして、実際に艇速はある程度以上には伸びず、身をもって目標タイムの妥当性を知ると同時にそれが現状の限界なのだと絶望した日もありました。本番のレースを想定して2km漕いでみる。というとそこまで重くは感じませんが、これが本番のレースでの現状の限界を有無を言わさずに、如実に反映する機会となると考えると気分が憂鬱でした。

当日は微順風。波は特になし。小雨。練習した中ではかなりベストに近いコンディションでした。両舷、スタート姿勢というコールがかかる。バウから整調まで全員がオールをスタートのレンジで1.2枚入れる。同期たちは大体が楽観的でふわふわしているように見えて、ここぞという時には物凄い胆力を見せてきます。この時も全員が全員余裕そうでした。その雰囲気が私の緊張を解き、少し力んでいたスタート姿勢の肩がスッと落ちました。ゴーが出ると、いつもの練習どおりのスタートを切る、と思いきやその日は何かが違いました。ハイレートでも重くてしつこい水を押していた練習時と比べて明らかに水が軽かったのです。軽いと言っても水を押せていないという意味での軽い、ではありません。押した上での軽い、です。クルーの息が絶妙に合っていたのでしょう。今までに体験したことがないほど船は進み、整調の刻むリズムは乱れずずっと一定でした。ああ、こんなにも艇を動かすというのは楽しいことだったのか、とオールの循環の中で思いました。1ストローク1ストロークが楽しい。キャッチで掴んで離さずにフィニッシュまで運び、押し切ってまた次のストロークへ。そのサイクルがありえないくらい楽しかったのです。2kmはあっという間でした。体感でいったら5秒くらいです。もちろん、水を掴めている分めちゃくちゃ疲れはしましたが、それ以上に達成感がありました。また、目標タイムに囚われ、艇を動かすことそのものが楽しいのだという基本的なことを忘れていた自分がいることに気づきました。物事を狭く捉えすぎていたのかもしれません。そして、2kmttのタイムは順風の影響はあれど目標タイムを大幅にカットしていました。クルー全員で息が合ったら、限界のその先にいけるかもしれない。ボートに限界を感じ、タイムに囚われて窮屈だった私は解き放たれ、そんなことを考えるようになりました。同期の1人曰く、あの「軽く速く楽しく漕げる状態」のことを「スウィング」と呼ぶそうです。もう一度同期でクルーを組む京大戦であの「スウィング」した状態で快勝したいものです。

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