またけがをしてしまった。
中学、高校時代もけがをしたことはあったが、主力選手ではなかったため辛いながらも耐えることができた。
でもボートは違う。ボートは基本的にはクルーがいることが多いから、クルーの分辛さが倍増する。よりにもよって次のレースに向けてこれからだという時期にしてしまった。チャレンジレースもある。クルーの落胆した顔が脳裏にこびりついたままだ。けがなんてなければいいのに。誰も幸せにならないじゃないか。俺の体はなんでこんなに弱いんだ。精神的に弱いからけがをするのか。そう思いながら過ごすリハビリ期間は本当にいやだ。
ちょうど軽量級選手権がやっているから、散歩がてら見に行くことにした。やっぱりボートはかっこいい。うまいクルー、速いクルーはもっとかっこいい。自分もああなりたい、漕ぎたいなと思いはするが、漕げない自分がいる。悔しい。俺は何をしているんだ。
もしかしたら全部ひっくるめてスポーツなのかもしれないとふと思った。
レースや試合で躍動するのも、辛くて苦しい練習を試合で勝つ自分を想像しながら歯を食いしばってやり抜くのも、ああでもないこうでもないと試行錯誤しながら技術を磨くのも、怪我に苦しみ弱い自分の心や体と向き合うのも、全部がスポーツ、rowingに真剣に取り組むということなんだ。
そう思うと少しは気が楽になった。自己満かもしれないけど。
焦ってはいけない、でもやるべきことは着実に積み上げて行こうと思う。
なりたい自分に少しでも近づくために。
二年 宇都