東大ボート部は高い目標を掲げる。常に実現困難な目標を掲げる。しばしばそれは不可能に見える。そして実際に不可能だったことが証明されてしまうことがほとんどだ。
だから、高い目標を掲げ続け、そのために必要なことを考え、実行していく選手は、その目標の重さにつぶされそうになる。それは「挑戦」とかそういう簡単な言葉では表現できない、ずっしりと重くそしてドロドロしたどす黒いプレッシャーだ。少なくとも僕は現役時代ずっとそれを感じていた。
そのドロドロが浸食しないように包み込み、その重さを支えるのは、1に楽しむこと、2に責任感、そして3に、支えてくれる仲間の存在だと思う。
現役時代、同期をはじめチームメイトには本当によく助けてもらった。だけど僕の場合はコーチの存在も大きかった。わからない時、不安な時、当時の学生コーチ、横矢さんや鶴井さんが来るのを待って深夜まで起きていたことが何回もあった。
まだまだ力不足だけど、そういうコーチに、僕はなりたい。
乾