【女子部㊱】女子部解体新書vol.4~平松きみか選手編~

 

こんばんは。

女子部コーチの岡です。

 

解体新書シリーズ第4弾は、4年漕手の平松きみか選手です。

整調のイメージが強い彼女でしたが、インカレでは#2をつとめます。

 

静寂を愛する一面と熱のこもった独特の語り口、そのギャップがチャームポイントです。

 

是非お楽しみください。

 

 

2022815日・山中寮にて~

 

岡 :よろしくお願いします。

平松:よろしくお願いします。

 

岡 :それでは、お名前と生年月日をお願いします。

平松:平松きみかです。2000年の117日生まれです。

 

岡 :お名前の由来を教えてください。

平松:何世紀の「紀」に、「美」しいに、華やかの「華」です。名前は、母がひらがななので私もひらがなになりました。

 

岡 :好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えてください。

平松:あんまり好き嫌いはないんですけど、果物は何でも好きです。嫌いなものは……辛いものがちょっと苦手です。ショウガは大丈夫なんですけど、ワサビとかカラシはあんまり好きじゃないです。あとブラックコーヒーは飲めないです。

岡 :寿司はさび抜きですか。

平松:ちょっとだったら大丈夫なんですけどね。食べれるようになったのはわりと最近です。

岡 :カレーの辛いやつとかは?

平松:スパイス系はわりと大丈夫で、でも好んで食べる方ではないです。単純に食べつけてない、飲みつけてないというのもあるかもしれません。実家でもあんまり、ワサビやカラシが出なかったので。

岡 :一番好きな果物は。

平松:迷いますね……やっぱり、柑橘類が一番好きな気がします。グレープフルーツからみかんまで。大きいものから小さいものまで。

岡 :柑橘類は安く買えて良いですね。いちごとかだと高いけど。

平松:いちごに関して言うと、シーズンが終わる頃の、小さくてすっぱいのがいっぱい入ったやつをいつも買ってます。基本的にすっぱいやつが好きですね。甘みと酸味が半々くらいのやつが良いです。バナナも青いやつが好きです。

S__2416712
 

岡 :趣味はなんですか。

平松:家で色々やるかっていうと、そういうんでもないですけど、なんでしょうね……たまに時間ができたときは、ぼんやり外を歩きながら、「あっ、あんなものある」「こんなものある」と、色んなものを見ますね。お店とかもそうですし、それこそ人の家に咲いてる花とか、そんなものを見て歩くのが好きです。

岡 :最近街を歩く中で、平松が「おっ」って思ったものはなんですか。

平松:家からスーパーまでの間に、とあるお家があるんですけど、そこの藤の花がきれいでした。藤の花があるお家ってなかなかないので。たぶんあの色が好きなんですよね。花時はそんなに長くないですけど。

岡 :ちなみに、藤の他に好きな花はなんですか。

平松:色々好きですね。昔から日本にある花……桜とか梅とか、好きです。漢字で書けるやつですね。

 

岡 :今の学科を選んだ理由を教えてください。

平松:入学前から文学部に行きたいとは思っていて。それでもともと文科Ⅲ類を選びました。進振りの時は、国文学と考古学とで迷って、国文学にしました。

岡 :考古学では何を学びたかったんでしょう?

平松:なんだったんでしょう……ガイドブックとか雑誌で、観光名所としてだいたい遺跡が挙がるじゃないですか。そういうの見て、おもしろいなって思っていて。たぶん、昔のものが好きなんだと思います。国文学に興味を持ったのも、姉が中学の夏休みの宿題で「百人一首を覚える」っていうのをやっていて、それがきっかけでした。

岡 :卒論の内容をダイジェスト版でお願いします。

平松:式子内親王っていう、1100年後半~1200年の頭くらいまでを生きていた人の和歌をやってます。鎌倉時代が始まるかどうか、というところの時代ですね。内親王というと、すごく身分の高い人なんですけど、身分の高い人の歌って、そこまで数多くは残ってない場合が多くて。その中でもこの人は異彩を放っているんですよ。新古今和歌集にたくさん式子内親王の和歌が入ってるんですけど、それが女性歌人の中で一番多くて、「ああこの人が一番多いのか」って最初に思って。今まで使わなかった言葉をぽんと使ってきたりすることもあって、意外に革新的な人ですね。

岡 :平松の一番好きな歌とかあるんですか?

平松:そうですね……そもそも式子内親王を選んだのは、数が多かったというのもあるんですけど、「何にしようかな」って本をぱらぱら見てた時に、やっぱり目に留まる歌っていうのがあるんですよね。音楽とか本とかと感覚が近いと思うんですけど、「あっ、これいいな」って直感的に思うものがあって。そうやってピックアップされた歌の中で、式子内親王の作が多かったです。

S__25436178
 

岡 :どうして東大に入ろうと思ったんですか。

平松:理由はいくつかあるんですけど、一つはやはり進振りがあることですね。何かを決めないといけないとなったら、直感で選べることは選べるんですけど、決めなくていいよってなったら、直前まで迷うたちなんですよね。だから、大学に入ってから専門を選べるっていうのは大きな魅力だった気がします。あとは高1のときに、マイナビかなんかで、自分が今興味あるキーワードをピックアップして送ると、大学の先生から返事がくるみたいなのがあって。それで東大の先生が返事をくれた、という出来事もありました。

岡 :縁を感じますね。他の大学は考えなかった?

平松:考えたは考えたんですけど、高1の秋くらいにだんだん成績がついてきて、「目標は高く」ってやっぱり言われるじゃないですか、だから、とりあえず東大がいいかなって。あと、私立ではなく国公立が良いということもあって、その中で文学に力を入れている大学も、そこまで多くはなくて。

岡 :文学というと、京大が強そうなイメージがります。

平松:古典文学に関しては、やはりその土地でやってたことなので、確かに京大が強いところもあります。でも、昔の和本みたいなのって、案外色んなところで保管してるんですよね。ここにいけば全部あるっていうのはなくて。というのは、どこか一箇所に集積してしまうと、水にも弱いし火にも弱いので、何かあったときに……

岡 :一巻の終わりですね。

平松:圧がかかればすぐ破れますしね。いろんなところにあるのは存外大事なんだなと思ってます。

 

岡 :小さい頃はどんな子どもでしたか。

平松:うーん。どうでしょうね。でも、外ではすっごい恥ずかしがりだったと思います。学校でも、決まった子としか遊ばないし、あんまりしゃべる方でもなくて。家ではごくごく普通にお姉ちゃんやってたと思います。

岡 :平松家のように兄弟姉妹が多い家庭って、珍しくなってきましたね。

平松:人数が多いと、ちょっとした社会みたいなのができあがりますよね。たとえば兄弟が3人いると、ケンカするときは21になって、しかもその組み合わせが入れ替わったりとか……あと、これは家の方針かもしれないですけど、何かを買う時は、同じものでもちょっと違う種類のものとかを選んできて、「みんなで分けてね」っていうことが多かったです。全く同じものを買う時もあるんですけど、基本的に違う種類のものが来るので、そうなると色々考えますよね。あと、絵本がものすごくたくさんありました。今も押し入れに保管してあると思います。

岡 :勝手なイメージですが、確かに平松家は本を捨てなさそうです。

平松:私も、本を捨てたことはないですね。自分で保管しているか、ブックオフみたいなところに持っていくかのどちらかで。ブックオフみたいなところに持って行ったのも、全体の10%あるかないかですね。なので、なかなか膨大な量の本があります。今こっちに持って来てるものと、実家に眠ってるものが半々くらいで、こっちに持って来てるだけでも50冊くらいあるかも。漫画も含めてですけど。引っ越しの時とか、段ボールにびっちり詰めて、「よーし、小さい段ボールでおさまったぞ」って思っても、持ってみたら重いんですよね。本だから。

S__25436227

 

岡 :自分を色にたとえると何色ですか。

平松:なんかもう色んな色が混ざっててカオスだと思うんですけど……うーん、妙に冷めたところもある一方で、情熱の部分もあるというか。それこそ、文学の興味で言うと、百人一首に出会ったのが小6で、実際に研究室に入ったのが去年の春で……と考えると、10年くらい同じ興味を引きずって持ち続けたりとか。

岡 :それは確かに情熱ですね。

平松:白と黒とどっちもあって、その間にグレーがあるみたいな感じかな。でも、よく考えたら白と黒って無彩色だよな、とも思って……たぶんもっといろんな違う色も混ざってるはず。何色なんでしょう……

岡 :詳しい描写をお願いします。

平松:うーん、グラデーションかな。青のグラデーションもあり赤のグラデーションもあり、赤と青が混ざると紫ができる。いろんなところにいろんな色があって、それを刷毛でのばして、混ざって混ざって、みたいな感じですかね。真ん中はいろいろ混ざっているので、それこそ黒かも。端に余白があれば、白もありますね。

 

岡 :どんな人が好きですか。

平松:自分が大事にしているものを全否定しない人……ですかね。別に自分と違う考え方を持っていてもかまわないし、「それいいね」って言ってくれたらもちろん嬉しいですけど、全否定はしてほしくないというか。そこに相手が価値を置いてなくてもいいんですけど、価値のないものだとは言われたくないです。

岡 :平松の大事にしたいものってなんですか。

平松:「時間」というものに置く価値はすごく大きいと思います。人生には限りがあるわけで、それが長いか短いかはわからないですけど。多少自堕落に過ごすことはあるにせよ、逃してはいけない時間、自分の納得のいくように過ごせる時間は大事にしたいです。あとは、昔のものが好きという話をさきほどしたんですけど、昔のものって、そこに「時間」がそのままつまってるんですよね。たとえば新古今和歌集だったら、そこに800年の時がつまってるわけで。もちろん、その歌の中には作者自身の時間も入ってて。新しいものももちろんいいんですけど、時間を重ねてそこにあるもの、に私は価値を大きく置いてると思います。

岡 :そこは人によって感覚が分かれそうだよね。

平松:「これって1000年残ってきたんだよ」って言われて、「わーすごいねー」で終わる人と、そうじゃない人がいますよね。偶然か必然かはわからないですけど1000年大事に守られてきたもの、私だったら、そこに自分は何ができるかな?って考えて……とりあえず誰かが大事に残してきたものは、その物だけでも残したいなって思います。欲を言うなら、そこに「誰がどういう価値をおいてきたか?」ということも、あわせて残ってほしいなと思います。文学とか歴史学とかってそういう学問なんですよ。

岡 :そうなんだ。あまりピンときてないんですが……

平松:研究史もどんどん変わっていくんですけど、「その作品や出来事が当時の文脈でどうだったか?」「現代から振り返ると、実はこういう意義があったのでは?」「こういう時代だったのでは?」と考えていく学問ですね。そこに現代でも学ぶところがあったり、意外と今と変わらないねっていうところがあったり。たとえば、1000年たとうが1500年たとうが、風が吹くと涼しいし、桜が咲くと「おっ」と思うし、散るとなんか淋しくなるし。変わっていく部分もあるんですけどね。「花」と言えばかつては梅だったけど、それが桜に変わって、今は「花」と言えば「この花」ということはないですよね。でも、散るのが淋しい気がする、季節の移り変わりを感じる、というところは一緒です。

S__2416702

 

岡 :生きるにあたって大切にしていることはなんですか。

平松:今生きてる中で、いろんな情報、いろんな人の言葉、話とか本とか、いろいろ出会うものがあって。その中で、心に引っかかるものってあるんですよ。そういうものを大事に留めておくこと、というか……今すぐ消化できなくてもいいので、自分の中で、消化できるようになるまで大事に大事にとっておくこと。それはいつも心がけてます。

あとは、なんでしょうね、諦めることですかね。どうしようもないものってあるじゃないですか。人はいつか死ぬし、いつ病気やケガをするかもわからないわけで。そういう「どうしようもないもの」に、不安や恐怖を抱くもよしだし、そうなる確率を減らすもよしだし。それと同時に、避けられないものである以上は、「いつかは起きるんだよな」って思っておいて、自分にできること以外は放っておく、ということですね。

岡 :今までに諦めてきたことってありますか?

平松:今のところは、あんまりないような気がします。でも、何かを選ぶときって、必ず他の選択肢が犠牲になってるわけで、それは「諦めた」とも言いますね。そもそも大きい選択をあんまりしてきてないので、これからかもしれないですけど。

 

岡 :タイムマシンを一度だけ使えるとしたら、いつどこに行きたいですか。

平松:迷いますね、まあでも過去は変えられないとも思うし、未来を覗くのも味気ないなと……(熟考)……ちょうど1年くらい前、ですかね。

岡 :意外と近い。

平松:ちょうどボート部で、ずるずるうまくいかなかった時期ですね。「もっとちゃんと寝とけ」と自分に言ってやりたいです。「寝られなくなると怖いですよ」「練習の前に、食事と睡眠をなんとかした方がいいよ」と。とりあえずそれだけ忠告しておきたい。それで聞かなかったら聞かなかったでしょうがないんですけど、とりあえず気づきのきっかけになるかもしれないので、言葉くらいは投げておこうかなと。

岡 :ちなみに、睡眠の大切さに気がついたタイミングっていつなんでしょう?

平松:3年生の秋頃ですかね……去年の京大戦の頃。睡眠をなおざりにするのはよくないって、レース前もつらつら考えてはいたんですけどね。今にして思えば、確実にあれは良くなかったなと思います。

岡 :それに気づけてよかった。

平松:寝なくても大丈夫って人はいるかもしれないけど、自分はそうじゃないので。

あと、タイムマシンの話で、最近のことをあげるのは、あんまり過去に行っちゃうと、今の自分も絶対変わるだろうなって思うから、かもしれないです。何がどう影響を与えてるかわからないわけですよね。たとえば、過去の何か後悔してることをやり直してしまったら、「あのときああすればよかった」という後悔も消えるわけで……でも、その後悔を抱えてなかったら、今全然違う自分になってるかもしれないし、今気づけてることに気づけてないかもしれないし。自分の後悔を話すことで、誰かの思わぬ話を引き出せているかもしれないし、誰かの思わぬ一面を見れているかもしれない。そもそもその話題がなかったから心理的な距離が近づくこともなかったかもしれない……と思うと、あんまり過去を変えてしまうと、今近くにいる人にそもそも会えてなかったのでは?とも思うんです。

だから、今の状況に、不満とか、どうしても納得できないことがあったりすると、「あそこを変えたい」って思うのかもしれません。でも私は、今にそこそこ満足してるし、だから、あまり大きく変えようと思わないのかもしれません。ちっちゃい後悔はたくさんあるけど、どうしても「あのときああしておけば……」っていう後悔はあんまりない。小さな後悔は、あとで取り返せることも多いですしね。

岡 :平松は現状に満足できてるんですね。

平松:あまり不満を感じたことはないですね。「なんでこうなるかなあ」って思うことはあるんですけど、まあなんとかしてくしかないので、それはそれで良いと思ってます。満足とはいかないまでも、「悪くない」くらいでいいんじゃないかな?って思います。

岡 :「悪くない」っていい表現ですね。

平松:それこそ「優上」じゃなくて「良」でいいよ、なんなら「可」でも大丈夫だよってことですね。

岡 :「可」とはつまり、「OK」ってことですね。

DSC03558

 

岡 :どうしてボート部に入ろうと思ったんですか。

平松:まず、勧誘のテント列を抜けるのに2時間半くらいかかったんですよ。声をかけられたら、私あんまり断れなくて、悪いかなって思ってしまって……そしたら最後の方はもう日が暮れてきて、「すみません寒いので帰ってもいいですか」と、やっとの思いで抜けました。だから、最後の方はもう疲れていて、話をあんまり聞ける状態じゃなくて。その中でボート部は最初の方だったので、頭の元気なうちに聞いたというのと、あと、なんというか外堀を埋めてくるのが早くて。「試乗会どう?」とか、イベントにすぐ誘ってくるじゃないですか。そうなると、私は先約を優先する主義なので、早ければ早いほど、優先度が高くなるんですよ。ということで、必然的に試乗会の優先度が上がりました。

岡 :とても誠実な対応ですね。

平松:あと、あんまり賑やか華やかな空間は好きじゃないっていうのがあって。そういうところにいると、すみっこに避難したくなってしまうので……ボート部はそういう感じじゃなかった、というのも大きい気がします。

岡 :ボート部は確かに、華やかさとは無縁かもしれないですね。いい意味でも悪い意味でも。器用じゃないというか、その分一歩立ち止まれる人が多いような気がしますね。

 

岡 :チーム内における役割を教えてください。

平松:一応「副将」という肩書はついてますけど、かっちりやることが決まってるわけじゃないので……陸トレ関連の固定の仕事はありつつ、ちょこちょこ「これやろうかな」って思ったことをやってる気がします。女子フォアの中では……そうですね、色々聞いたり見たりしながら、率先して何か提案するわけじゃなくても、「これは?」ってぽろって言う立場に立つことが多い気がします。

岡 :内面的な意味での役割はありますか?

平松:うーん、そうですね……(熟考)……どれくらい人に認識されてるかはわからないですけど、できるだけ周りをよく見ようとはしてます。そして、だいたいどんな人かっていうのがわかったら、ちょこっとそこに対する対応をしてます。一つ一つ小さいことが多いですけど。

岡 :人のどんなところを見ますか?

平松:個性、得手不得手、どういうふうに考えてるか、どういうふうに感じてるか……というところですね。じっと観察してることが多いです。

S__2416705
 

岡 :それでは、平松目線のクルー評をお願いします。

平松:じゃあ、今整調に座ってるので反対側からいきます。

青木は感覚的に優れてて、舟の動きにもすごく敏感だと思います。ただ、物と物のあいだの、物理的な距離感をつかむのがちょっと苦手かもしれませんね。なんとなくラダーの切り方とか、ブイや障害物への反応速度とかでそういうのを感じます。あとは、思い切りが良いというか……見た目からはあまりそうは見えないけど、バイタリティのあるタイプだと思います。肩肘はりすぎずに、先頭を走って行けるタイプなのかなって。

岡 :その表現すごくわかります。

S__2416714

 

平松:あおちゃん(森田)は、そうですね、色んな面を持ってますね。すごく器用で、色んなものを同時にこなして、マルチタスクが得意なタイプだと思います。一方で、こまやかな気配りができて、繊細なところもすごくあって。あおちゃん本人は色々迷うこともあるかもしれないんですけど、信条というか、芯のようなものがあって、意識的にせよ、無意識にせよ、自分で考えて決断してるんだろうなって。すごく強いところとやわらかいところと、バランスよく持ちあわせてるタイプですね。一番バランスがいいかもしれません。

おっとりしたところもいいですよね。

岡 :確かに、森田には育ちの良さを感じますね。他の人の育ちが悪いという意味ではないんですが。

平松:無邪気なやわらかさというかあたたかさというか、そういうものを一番持ってるなって思います。

岡 :私は森田の笑顔が大好きです。

平松:あおちゃんは自分のこと冷めてるって言うかもしれないですけど、私の方がよっぽど冷めてるかもしれません。あおちゃんの「冷めてる」っていうのは冷静の方で、ニヒル、冷笑のほうではないというか。根本のところでは、すごくまっすぐで純真だし、あたたかなところがあるんだと思います。磯崎もちょっと似てるんですけどね。磯崎の方があっけらかんとしてるかもしれませんが。

S__2416700

 

岡 :ではそのまま磯崎をお願いします。

平松:磯崎は、たとえば「森田さんのキャパがすごいんですよ!」って言うけど、磯崎のエネルギーもすごいよって思います。理論派というよりは感覚派ですね。あと、頭がすごく良くて、インプットに優れてますね。吸収するのが上手。ボートのことでも、色んな人に言われたことをちゃんと忘れてないんですよ。だから、本人の不器用さはアウトプットの方にあるのかなという気がしていて。そこはこれからボート部が鍛えてくれるだろうなと思ってます。宝石の原石みたいな感じですね。すごく眩しい光を放つ部分があって、でも完全にきれいに磨かれているわけではない。磨くとすごく光るだろうなって思うし、すでに磨かれている部分もありますね。

岡 :磨きがいがありますな。

S__25436173
 

平松:さっちゃん(江口)は、今まで見て来た世界が一番私に似通っていると思います。ぐるぐる考えすぎるところも似ている。でも、ものの捉え方が私と大分違うんだろうなと。性質は似てるけど、見てるものが違って、たとえば、さっちゃんは「時間」よりも「空間」の人だと思います。構造に強いというか、いわゆる理系脳なのかなと思ったり……抽象からスタートして、具体にもっていく、応用するのが得意なタイプですね。私は逆で、具体から抽象に入っていくタイプ。メントレが一番わかりやすいかもしれないんですけど、とりあえず辻先生の考えが出た時に、それをまず取り入れて、「どうやって具体に落とし込んでいくか?」って考えるのがさっちゃん。私は、先生の話の中に、「自分の中にヒットするものがあるかな?」と、自分の具体から考えて、そこから「これはつまりこういう考えなのか」と、抽象に向かっていきます。

岡 :確かにそうかも。平松の話って抽象的な方に広がっていくけど、江口の話は具体的な方に収束していく気がする。

平松:私は世界の中にいる自分を見ている。さっちゃんは自分から世界を見ている。(絵を描きながら)こういう感じですかね。さっちゃんは自分と正反対なところがあったり、自分にない概念でものを考えるので、おもしろいなって思うことが多いです。

IMG_20220905_010821

平松:あと、何かの本で読んだのは、大人になるというのは、「唯一無二でありながらその他大勢である」という矛盾を、自分の中に上手に消化できるようになること、らしいです。それで言うと、「さっちゃん=唯一無二の自分が、集団の中の自分とどのようにバランスを取っていくかを探っている」「私=集団の中の自分や一人の時の自分から、唯一無二の自分を探っている」という感じかなと思っています。私も、ふっと自分がよくわからなくなるというか、「そこまで自分に価値があるんか?」って思うことがあって。でも同時に、たった一人だけど、されど一人でもあるんだよな、とも思ってます。

岡 :(絵を見ながら)一応確認なんだけど、こっちが平松だっけ?

平松:いやちがいます。こっちです。

岡 :平松の話をまったく理解してないことが明らかになってしまいました。

平松:自分の中でも曖昧模糊としています。この図があまりよくない図かもしれませんね……注意書きを足しておきます。

岡 :ありがとう。

平松:私はこっちです。(マークの方)

岡 :なるほど。

平松:まず自分のものにしようと思うか、思わないか、の違いかもしれないです。たとえば、何かものが売っていた時に、「とりあえず買ってみてから、この先も使うかを判断するタイプ」か、「買う前に、そもそも使うのか、他のもので代用できないか等、色々考えた上で判断するタイプ」か、です。さっちゃんは前者、私は後者です。

岡 :詳しいクルー評をありがとうございました。

S__2416710

 

岡 :ボート部で嬉しかった瞬間は。

平松:レースはやっぱり記憶に残りやすいっていうのもあって、やっぱり今年の京大戦と、あとは浅野杯ですね。浅野杯は最初のレースだったので、けっこう記憶に残ってます。今までレースのために積み重ねてきたことをすべて出し切れたって思うのが、その2つのレースです。

岡 :京大戦の1週間前に見に行ったとき、平松の漕ぎが周りと調和してるように見えて、それがすごく嬉しかったです。それまで平松の漕ぎが調和してないことについて色々話があって、とても苦労したと思うので。良かったら、そのときの心持ちを聞かせてください。

平松:まず、自分の考え方やものの捉え方を変えなくても、漕ぎは変えられると思っていました。あとは、ブレークスルーというか、大きな変化って目に見えやすいから、周りの人としては安心感や納得感があると思うんですけど、私はそれがなかったというか。回路がつながるのがすごく遅いんですよね。自分の中でイメージのつかないものはどうしようもできないし、イメージがあったとしても身体で表すのは得意じゃないので、そこでも時間がかかる。ちょっとずつちょっとずつ変えていくので、傍目から見て、わかりにくかったんだと思います。

岡 :傍目に変わってないと、「言ったのに変わってないじゃん」って思われがちだよね。だから、まわりが納得できる形まで平松が持って行けて本当に良かった。

平松:変えるってなったら、私は徹底的に変えるので。時間はかかるけど、「本物を求める」って言えばいいんでしょうか……一時だけ変わるんじゃなくて、その後も続けられるように、がらっと変わるように舵を切ります。そのぶん時間はかかるんですけど、一旦自分のものにしたら、そんなに簡単には手放さなくなってると思います。それでも癖は多少残るんですけどね。

岡 :人に理解されない苦しさってあるよね。平松も、「理解されてないって感じがする」って言ってたけど、それでも、ちょっとずつ変えてくことはやめなかったわけですね。

平松:クルーボートに乗る以上はやらなきゃな、と思ってました。あと、疲れてるときは思考がマイナスにいきがちなのも事実ですよね。もしかして、自分は物事の考え方が人と違い過ぎるのかなって悩んだり。

岡 :あのときはマイナスの最下点だったかもね。私も内心どうしようかと頭を抱えておりました。

平松:一回最下点まで行けば、そこでちょっと休んで、自分の中で「ああこうすればいいじゃん」って浮かんでいけるところもあります。

岡 :我々がやってるのは、心理学や哲学ではなくスポーツなので、漕ぎが揃えばなんでもいいとは思うんだけどね。深く考えすぎるのもよくないですね。

S__2416701

 

岡 :それでは、ボート部でしんどかったときを教えて下さい。

平松:いくつかあるんですけど……(熟考)……トレーニングしていても、結果に反映されない時間が長いと、やっぱり心にきますよね。

岡 :それが平松はめちゃくちゃ長かったよね。

平松:3年生の6月頭までは、数字も出てたんですよ。それが6月半ばから下がり始めて、そこからあんまり変わらずでしたね。今は……どうですかね。まだ未知数ですね。これからどうなるかもわからないので。

岡 :しんどかったときをどう乗り越えましたか。

平松:記録自体はそこまで変わってないんですけど、精神的には今ちょっとすっきりしてる気がします。それこそ諦めがついたということですけど。

岡 :諦めのついたきっかけは?

平松:3年生の京大戦のあと、休めることにすごくほっとしたというか。「休みたい」っていう自分の声を、半年くらいずっと、無視してきたんですよね。レースが終わって、1か月間寝たいだけ寝て、色んな人と話をして……身体の健康と心の健康って思ったよりしっかり繋がってるってことに気づきました。もやもやしたものが解消されれば気分もすっきりするし、少し動こうかなっていう気にもなる。逆に体調が悪い時は気分も滅入ってくるし、思考の幅も狭くなってくる。
あと、自分って、そこでエネルギーのあるタイプでもないんだろうなってことにも気づけました。どっちかっていうと消耗しがちなタイプで、それまで少ない燃料で走り続けようとして、それで切れちゃったんだ、と。

あと、その期間に一人になれたのも大きかったです。すごく楽でした。もともと、一人になるのがすごく好きなんですけよね。自殺でもしなければ、何しても迷惑にならないじゃないですか。物壊したりとかは、罪悪感があるのでしないですけど、独り言で暴言吐いてるぶんには、誰も傷つかない。「あ~もう今日はやる気が出ない」って一日布団にいても、ごはんが適当になっても、誰も心配しないし、世話を焼かせることもない。一人になることで、今まで張り詰めたものがちょっとゆるんだというか。張り詰めてると、いつかは破綻するわけですけど、破綻する前に自分で強制終了できたので良かったです。

岡 :いい学びですね。社会に出てから、すごく役立つ学びだと思います。

平松:追いつめられると、人ってすごい力が出たりするじゃないですか。でもそれって、あくまで追いつめられたとき用で、普段からそれが出せるわけじゃない、という話なんですよ。「あ、無理なんだ」って気づいてから、残ってる分のエネルギーでなんとかすればいいやと思えるようになりました。

岡 :本当にそうだと思う。限界の時って何もできないよね。

平松:全責任が自分の腕一本にかかってる、っていうレベルのときはやらないといけないけど、そうじゃないときは手を緩めないとですよね。

DSC02709

 

岡 :ボート部で自分が変わったなと思うことはなんですか。今の話がそうかな?

平松:今の話は、変わった……というよりは、もともと自分の中に持ち合わせていたものでもあると思うんですよ。というのは、大学受験のとき、けっこう自分に負荷をかけていたんです。高12のときとかなんかは、勉強とかも、ほどよいところで諦めて「明日でいいや~」って寝ちゃったりしていた。でも、受験期にかなり色々あって、大学に受かって一人暮らしになってからも、どこかでずっと気を張り詰めてた部分があります。

岡 :色々というのは……

平松:センター試験の2か月くらい前、秋ですね、そのあたりで父親が亡くなってしまって。ガンだったんですけど。見つかったのが夏だったので、割とあっというまに逝ってしまって。その傍らで、姉も私もどちらもセンター試験を控えていて、自分の下には高1と小5がいて。最低限自分のことは自分でやらないといけなかったし、プレッシャーもありますよね。たぶん本当には関係なくても、うまくいかなかったらきっと、自分の中には「あんなことがなければ結果は違ったかな」っていう思いが残るし、母はたぶん、一生罪悪感が消えないって思って……なんとか大学は受かって、そこから一人暮らしを始めて、慌ただしい中で大きな環境の変化があって。受験の間は必死だったから、考えてはだめだって、本能的に思ってた部分もあって、ずっとしまいこんでました。

そういう極限状態で受験を乗り切り、引っ越してきて。あとは、自分が実家を出てしまったので、実感もあんまり湧かなかった、ということもあります。でも一方で、心のどこかではずっと引っかかっていて、頭では理解してるし、受け入れないといけないこともわかってて。でも、心はそういうわけにいかず……という感じで、どこか張り詰めている状態が、自分の中で普通になりつつあったんだと思います。張り詰める前までどう過ごしていたかっていうのを、感覚として忘れかけていた。自分の許容限度を「ほんのちょっと超えてる状態」が普通になってしまって、その積み重ねがあったんだと思います。

それで、たとえば眠れなくなった時とかに、一気に限界が来て破綻、みたいな。今考えるとそういう感じなのかなって。ああダメなんだって気づいてから、「もともとそんなに無理する性格じゃなかった気がするな」って、色々考える中で思って。いつからそうなった?みたいな。小学校の夏休みの宿題とかも、とろとろ1か月かけてやるタイプだったんですよ。もともとは、ゆるーく、こつこつやってく人間だったよなって、思い出して。今までの「これくらいならやれてる」っていう見積もりは、実際より少し高くて、落とさないといけないんだろうなってことに気づきました。変わったと言えばそうですし、思い出したとも言えるのかもしれないですけど。

岡 :張り詰めてる状態が普通になってたんですね。でも、なんだか腑に落ちました。

平松:もともとゆるめの人間でした。

岡 :頑張りすぎてたって気づけて、本当によかったです。気づかないまま無理を重ねてしまうこと辛すぎるので。思い出せてよかったなと思います。本当に。

S__25436231

 

岡 :では逆に、ボート部に入っても変わらないなと思うところは。

平松:人をよく見るところは変わらずですね。大学に入って世界が広くなったので、さらに磨きがかかったかもしれません。人を観察するのはすごく好きです。

あと、真面目というか律儀というか、そんなところも昔から変わらないと思います。普段はほっとけることもあるんですけど、ふとしたときに気にかかって、「あ、やらないと」って思って、やるべきことはやります。陸トレの記録シートを出すとか、たまにW部屋の掃除をするとか、小さいところですけど。

岡 :平松が嘘つかないのは昔からですか?

平松:そうですね。嘘つけないですね。

岡 :平松は嘘つかないので、話しているとほっとします。

平松:単純に、そういうのが下手なのかもしれないですね。あとは、反面教師の部分もあるかもしれません。というのは、すぐ下の弟がすごく嘘をつくんですよ。「怒られる」って思うとすぐ嘘ついて、でも子どもの考える嘘だからすぐばれるんですよね。「なんでそんな嘘つくの? 素直に言ったら怒らないのに」って弟が言われてるのを見て、「あっ、そうなんだ」って学んだところもあります。

S__2416704

 

岡 :ボート競技の魅力を教えてください。

平松:ボート競技ってシンプルですよね。2000m速く漕ぎ切った方が勝ちなので。でも、そういうシンプルさとは裏腹に、道具を扱うから、すごく細かいところもあって。それと、傍から見てる分にはすごく涼しげで、静の要素があるけど、実際には文字通り全身運動という。脳まで使いますしね。「シンプルさと複雑さ」「静と動」みたいに、両極にある要素を持ち合わせているところが魅力です。

あとは、どこか哲学的な気もしますね。うまくいかないときって、色んな要素が組み合わさっていて、原因は何かって、いろいろ試さないとわからなかったり。でも一つ上手く回りだすと、他も上手く回りだしたり。人生に似てるというか。不思議なスポーツだなって、年々感じてます。

 

岡 :ボート部の魅力を教えてください。

平松:色んな人がいるところ、ですかね。選手の中でも、漕手とコックスって、全然違う立場の人がいて、さらにスタッフやマネージャーがいて。その分ぶつかったりもするけど、素直さなのか、真面目さなのか、理解しようとすること、受容しようとすることを、手放そうとしない人が多いですよね。やり方は人によって違いますけど。理解はできないけど尊重しようっていう人もいれば、「それいいね、そうしよう」っていうところまでいく人もいるし。でも、相手の考え、ありかたそのものを、できるだけ理解しよう、受け入れようっていう、組織全体の空気があるような気がしています。

ちょっと話逸れるかもしれないですけど、コックスと漕手って全然違いますよね。ほとんど身体を動かさない人と、全身動かしてる人が同じ舟に乗ってる。よく考えなくてもすごく不思議。サッカーとかも、「ゴールキーパーとそれ以外の選手」というポジションの違いがあったりもしますけど、それ以上にかけはなれている。キーパーは前に出たりすることもあるけど、コックスは絶対に漕がない、というか漕いだらいけないので。ここまで全く違うことをやる人が同じように戦うって、珍しいスポーツだなって。

岡 :コックスって面白いよね。

平松:誰が作ったんだろう?って思います。なし艇もあるし、漕手が舵を切ることが可能ということは、もう実証されてるわけですよね。それでもコックスというポジションがあり続けているのは、やはりそれだけの理由があるんだと思います。

 

岡 :ボート部で後悔してることはありますか。

平松:それは……タイムマシンの話と同上ということで。

IMG_5211

 

岡 :引退までに成し遂げたいことはなんですか。

平松:どれくらい役に立つかはわからないけど、自分がボート部で生活してきて得たものは、残せるだけ残したいなと思ってます。青木や磯崎に、ということですね。磯崎とは漕手として前後のシートに座っているし、青木とは一緒にウェイトしたりエルゴしたりしているので。細かい身体の使い方や技術的なところから、「こういう時どうしてた?」というような、人生に応用のききそうなことまで、残していきたいです。

岡 :「諦めがついた」話とか、それこそ人生に応用がききそうですね。

平松:どこまで応用がきくかはわからないですけどね。あくまでも私と言う人間の実例なので。全部じゃなくても、少しでも残ったらいいな、というくらいの気持ちですね。

岡 :そもそもこのインタビュー企画も、みんなが頑張ってきたことや乗り越えてきたことを形に残したいなと思ったから、ということが発想の原点にあります。だから、平松も「残したい」と考えてやってくれているのが嬉しいです。

 

岡 :どんな大人になりたいですか。

平松:難しいですね……んーと、絶対に手放したくないものは手放さずにいられる強さを持ってる大人、ですね。

岡 :「手放したくないもの」というのは?

平松:今後の人生で色々出てくるとは思うんですけど、自分の中で大切にしているものだったり、価値を置いていること。たとえば批判にさらされたり、嫌な目にあったり、社会の影響を受けたりしても、それに負けてしまいたくはない。自分の考え方や心のもちようのことですね。大事にしてるものは大事にとっておきたい。

岡 :これまでの話の流れからすごく説得力がありますね。ボート部辞めずにやってきたこともそうだし、人から理解されてないって思ったとしても、自分なりに前に進もうとしてたところとか。

平松:自分も他人を理解してないことはたくさんあるし、理解したくないこともあるんだと思います。それはお互い様だし。完全に理解し合えなくても、意外にやれる部分もあるというか。

岡 :そもそも理解しあえない……

平松:と、思っておいた方が気持ち的に楽ですよね。

岡 :「理解したい」と思うのは自然かもしれないけど、「理解できるのがあたりまえ」とは思わない方がいいよね。

 

岡 :最後に、これを読んでいる方々にメッセージをお願いします。

平松:お好きなようにお楽しみください、ということですかね。「なるほど、この人普段何もしゃべらないけどこんなこと考えてたのか」でもいいですし、「予想通りだったな」でもいいですし、「これはちがうだろ」とか……何を思ってくださっても大丈夫です。

岡 :平松の人となりが最後に出ましたね。ありがとうございました。

S__2416708

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

ボート部に入って人として変わっていった、というよりは、ボートを続ける中で「自分がどんな人間だったのか思い出せた」という言い方がなんとも平松らしいなと思いました。

 

大事なものがあるというのは大変なことで、だからこそ苦しくなってしまうことがあります。

それでも負けずに漕ぎ続けてきたこの年月が、彼女のこれからの人生を支える財産になることを願っています。

 

 

次回もお楽しみに。

 

女子部コーチ

\ 最新情報をチェック /

コメント

PAGE TOP