「マネージャーのモチベ」問題、
東大漕艇部では定番の議題ですね。
つまり「マネージャーのモチベーションが選手に比べて低いのを、どうするか」という問題。
各学年のmtgにも、はたまたチームのmtgにも、一度と言わず何度も出てくるこの問題。
この問題について話すのを、もうやめてしまいませんか?
「マネージャーのモチベ」問題を話すとき、往往にして下のような議論が行われます。
マネージャーは、「選手と違ってボートを漕いでいないから」「艇庫に来る回数が少ないから」日本一という目標を実感しにくいのだろう。
日本一という目標を実感しにくいと、日々の業務にモチベーションが湧きにくいよね。
対処法は、まず「選手の活動内容を知ること」選手とコミュニケーションをとるようにしよう。
「マネージャーと選手の間に壁があって」マネージャーから選手には話しかけにくいから、選手が意識的に話しかけてあげよう。
選手諸君、頑張ろう!!
……
マネージャーの皆さん、および選手の皆さん、コーチの皆さん、
マネージャーは、選手がモチベーションを「管理してあげなければ」いけない対象なんでしょうか?
マネージャーのモチベーションが低いことは、選手が声をかけてくれれば改善できるんでしょうか?
そもそも「マネージャーのモチベーションは選手に比べて低い」んですか?
本当に?
部活に対するモチベーションが上下動することは、誰しもあるでしょう。
でもそれは、「マネージャーだから」ではない。
選手もマネージャーも、等しく、部活のプレイヤーであり駒です。
選手とマネージャーがやっていることは確かに違う。
でも、二つの立場があって、一丸となって日本一を目指すチームにおいては、どちらがより重要かという議論はナンセンスで、
役職の違いをモチベーションが低いという現象の要因とするのは、かなり怠惰だと思います。
「マネージャーだから」出来ることは限られていて、「マネージャーだから」直接勝利には貢献できなくて。云々。
それを言うことに一体何の意味があるんでしょうか?
本当は、同じだけ「マネージャーだからこそ」出来ることがある、「マネージャーだからこそ」間接的に勝利に貢献できると言える可能性がある中で。
そうやって「マネージャー」という役職を隠れ蓑にして、
自分に対する反省や、やるせなさや不安、欲求不満、といったネガティブな感情に理由をつけて、
知らないうちに自分の、あるいはマネージャーの行動を抑制してしまっているんじゃないですか。
「マネージャーは選手に比べてモチベーションが低い」
「マネージャーと選手の間には壁がある」
何かを解決しようとして、このようなことを語れば語るほど、逆説的に、事実はそうなっていくのではないでしょうか。
「マネージャーは選手に比べてモチベーションが低い」
「マネージャーと選手の間には壁がある」
当然のように語ってきたことを、今一度見直したい。
マネージャーは、自分たちのことが「問題」として捉えられていることに、改めて自覚的になりたいものです。
そして部内全体として、「マネージャー」を問題として捉えることに、もっとセンシティブになるべきです。
これはこの問題だけに限らず、総じて、現象の捉え方と対処法の出し方には、もっと頭を使っていくべきだと思います。
今の部活は問題ばかりが見つかる。それに対して、問題自体を深く議論することなく、何かのせいにすることで対処されたと安心して、結果として浅い対処法が選ばれているような気がします。
言ったもん勝ち、やったもん勝ち、それもいいけど、大事なところはじっくり考えたい。
小栗

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