2年漕手の田中璃央です。塩分チャージが美味しいことに気づき、部屋にいる時ですら少しずつ食べていたら減りが早くなって焦っています。誰か止めてください。
自分は不器用だなと自分でも思うし、人にもよく言われます。手先ももちろんそうなのですがどちらかというと生き方とか考え方みたいなところです。
京大戦期間前半が顕著でした。私は乗艇で心拍が人と比べて上がらないことに悩んでいました。同期と比べてだいたい10~20くらい下でした。私が強心臓であることが、心拍が人より上がらない原因なのですが私はそれに納得しきれませんでした。船のスピードに貢献できていないのではないかと漕ぐたびに思っていました。自分はエイトの#6でした。先輩に聞くとエースシートだそうです。実際にお世辞にも船が動いているとは言えず、やはり自分のせいなのかなと思ったりしました。
さほど気にしていないつもりだったのですが、体と心は密接な関係にあるようで乗艇に対する恐怖みたいなのが少し現れました。心拍が上がらずに今日もまた押せないのではないか。同期に相談するとお前は押しているとみんな言ってくれました。優しい人々です。しかし、自分に対する不信は晴れず悩む時期が続きました。主将の石綿さんには、心拍を気にしすぎてローイングという競技自体を楽しめていないのじゃないかと言われました。多分その通りだったと思います。
そのうちに京大戦エイトは事故を起こしました。船をグレードダウンして三四郎に乗ることになりました。その日のミーティングではJrキャプテンが、本気で勝つ気があるのかとみんなに問いました。私は、もう一度自分は何のために船に乗っているのか考えました。そこで浮かんだのは駒場でのトレーニング、そして東商戦での勝利でした。苦楽をずっと昔から共にしてきた同期とレースでしか味わえないあの感動をつかみたい。自分の原点に立ち返りました。全部を打ち明けると何かが自分の中で吹っ切れた気がしました。
その後は心拍をあまり見ないようにする、船の動きに集中してみるなどをして徐々に心拍の圧力から解放されていったのを覚えています。考え方とか心持ちの一つを少し変えてみるだけで、大きな変化が起きるんだなと実感しました。
これまで書いた通り、心拍という一つの物差しに囚われすぎたり、一辺倒に物事を考えたり、自分を信用できなかったり、悩んで視野がめちゃくちゃに狭くなったりと私の不器用さが綺麗に顕れた京大戦期間だったなと思います。もっと軽く生きたいと思いつつも、不器用であるがゆえに不器用な生き方を変えられる気がしません。これから2年とちょっとのボート生活も悩みが尽きることはないでしょうが、不器用なりに悩み抜いてみたいと思います。
レース前に食べたもの。応援とサポートありがとうございました!


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