皆さんこんにちは。令和3年度主舵を務めました、工学部4年の高槻崚です。今回は引退して1日経過した今の思いをブログに書き残したいと思い筆を取りました。
思えば3年前の春、僕は東大漕艇部の部員となりました。入部理由は日本一を取りたいといった崇高なものではなく、先輩方の人柄やボートの楽しさから経験したことのない運動部に少し興味を持ったからでした。良いように言えば、卒業するときに何を得られるのだろうという期待を胸に入部しました。
そんな中スタートした部活動でしたが、忙しい・キツイ・勝てないなど、うまくいかない時期が続きました。入ったからには最後まで続ける覚悟はしていましたが、モチベーションが下がることもありました。代としてもレースで勝てない日々が続き、個人としても途中でcoxになったことに減量という新たな試練に立ち向かう必要もありました。正直、最後まで勝てず、何も得られないまま部活動を終えてしまうのではないかと思ったこともありました。
しかし、ようやく最後のレースで、僕たちはインカレ6位入賞という成果を得ることができました。
それ以外でも、部活動によって得られたものは他にもたくさんあります。
まずはボートの楽しさ、レースの楽しさです。先輩方も引退の時にこのような話をされていて、ピンときていない時もありましたが、特に最終レースではクルーの心が揃っていて、自分たちへの信頼、考えたレースプランへの信頼、漕手とcoxとの信頼、その全てを感じました。目標だった決勝A進出や5:55というタイムには届きませんでしたが、最終レース1つとっても部活動を続けてきた意義を感じることができました。
次に、人の多様性です。入部前、僕は”常識”というものはある程度人類共通のものが存在すると思い込んでいました。しかし、部活動を通して、人の考え方(信条や思考プロセス、言語化の方法など)がいかに多様で、自分の考えがいかに個人の考えに過ぎないかを学ぶことができました。そして多様性を知ることにより、他人との交流においてより想像力を働かせて取り組むことができるようになりました。
最後に、主体性です。漕艇部では50人前後で活動することもあり、「誰かがやってくれるだろう」「自分は関係ない」など、個人の意識は低くなりやすい環境だと思います。しかし、そのままでは状況は好転しません。いかに「自分がやるんだ」といった気概を持てるか、あるいは持たせられるかの重要性を学びました。
このように多くを学び、また晴れやかな気持ちで引退できることを本当に幸せに思います。辛い時期も乗り越えて一緒に3年半歩んでくれた同期はもちろん、運営についてきてくれ、時には引っ張ってくれていた後輩の皆さん、また僕たちの活動を支援してくださったOBやコーチの方々、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで僕は人間として成長することができたと思います。
最後に、後輩の皆さんへ。おそらく今の僕(たち)は引退したこともあり、記憶や感情が美化されているものと思います。練習がきつい、何を頑張れば良いかわからない、部活以外のことをやった方が自分のためになるのではないか、など、悩みは尽きないと思います。そんな時はぜひ同期や先輩にその思いを伝えてみましょう。話すだけで楽になることもあると思います。その上で、今やるべきこと、目の前のことを一つ一つやっていきましょう。その先に自分たちが笑って終われる最後の日が来ることを1人のOBとして願っています。
