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落ちる

こんにちは。3年高橋凌史です。

東商戦の2週間ほど前のある乗艇練習でのこと。キャッチ練習で腰にズギッという痛みを感じた。これまで練習で怪我の経験がなく、今回も一時的なものだろうとそのまま練習を続けた。ほとんどの場合、多少の痛みを感じることがあっても、一晩寝て休めば次の日にはすっかり良くなっていたので、あまり気に止めていなかった。

しかし、

痛みはその後も数日間続いた。レース直前ということもあり、シートを空けることは出来ない。レスト中にアイシングやストレッチをして出来るだけ生活の中では負担をかけないように努めた。が、努力も虚しく、良くなるどころか少しずつ痛みは大きくなっていった。

それでもアドレナリンのせいだか何だかで漕いでいる時には痛みはそれほど感じることはなかった。なんとかレースまでは保ってくれ!漕げないほど悪化しないことをただただ祈るばかりだった。

東商戦当日。何とかレース本番も漕げそうだ。

発艇のブザーが鳴る。レースで漕ぐ中、痛みは全く気にならなかった。むしろいつもよりも体が動いていい感じだった。

ゴールラインでブザーが鳴る。負けた。緊張が解かれた瞬間、じわっと鈍い違和感に襲われた。岸つけをして艇から立ち上がろうとした時、その違和感が今までで一番の激痛だったことに気が付いた。

「やっちまったか?!」

そんなことを感じながらも、フライの1週間しっかり休めばなんとかなるだろうとこの時はまだそう思っていた。その後1ヶ月以上の間、漕げない日々が続くとは微塵も想像していなかった。

リハビリ期間は全然楽しくなかった。他の部員達が乗艇している間、一人艇庫の中に残されストレッチやエクササイズをする毎日。練習で戻ってきて、今日の艇速は良かった、次はここを意識しよう、とクルーで話しているのをどこか蚊帳の外にいるような気持ちで聞いている毎日。ちょっと調子が良くなっては、日によってまた悪くなったり。何も出来ずに1日が終わってしまうこともあった。

刻々と時間だけが流れ、出場しない全日本選手権が終わった。

「何やってるんだろうな、俺。」

艇庫の天井を見上げてそんな風に思ったのはこれで何回目だろうか?

今まで何のために頑張って来たのか?
オフシーズン、寒い冬の日も毎日毎日漕ぎ続けて、上手く行くことばかりじゃなかったけど、それでも考えて考えて、地道に積み重ねて来て、去年よりちょっとは成長したかなって思える時もあって、
よし!いよいよレースだ!って時に…

ほんとに悔しい。

一歩一歩、確かに踏みしめて来た階段が足元から崩れて落ちて真っ暗闇に放り出されたような、そんな感覚。

でも、心が完全に折れてしまうことはなかった。一人ではとっくに折れていたと思うし、むしろ折ってしまった方が楽になれていたかもしれない。

だけど、

冗談まじりのいつもと変わらない感じで
「早く戻って来てくれ~」
「いつまで休んでるんだよ、」
「まあ、焦らずに」
「また一緒に整調ペア漕ごうな!」

そんなみんなの声がどれだけ心の励みになっていることか(涙。

いつになるかは断言できないけど、必ず、必ず、漕手として戻ってきます。それまで待っていてください。

この離脱期間、今できることはやって来たつもりですが、前進できている、なんて現実は甘くなく、間違いなく後退しています。でもあとで振り返った時、ただの後退ではなく、より高く跳ぶための助走の期間だったと思えるようにしたいな。

長々と失礼しました。リハビリ頑張ります。

P.S. 新入生の皆さん、週末の遠漕、怪我なく無事に帰って来てくれることを祈ります。

3年漕手 高橋凌史

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