こんにちは、新3年コックスの笹野です。
今回は当てられていないのですが、自分が受講している工学部の「基盤技術設計論」という授業の内容が興味深い内容であったので投稿したいと思います。
今回の授業では大林組の元副社長による、リニア中央新幹線の談合事件から組織の倫理について考えるという講演でした。その中で興味深い内容をいくつか紹介したいと思います。
①談合の起こる仕組み
談合の起こる原因は「人間の楽をしたい欲求」と「おかしいことをおかしいと言えない組織風土」が原因とのことでした。
「人間の楽をしたい欲求」は必ずしも悪いものではありません、むしろ必要なものです。ボートでいうと「練習を早く終わらせたい・レストが長く欲しい」という欲から「転回や給水を早くしよう」という効率化に繋がったり、「キャッチが重いから軽くしたい」という欲から「キャッチを合わせよう」という漕技やユニフォーミティーの向上に繋がります。
ただ悪い面にも働きます。「今日は疲れたからリギングは適当でいいや」とか「ウエイト軽めの重りでいいや」というのがわかりやすいと思います。こういうものを上級生がやり始めて下級生が「おかしい」と反論できない、反論できる空気がないと気がつかないうちにチームが地盤沈下していくと思います。これをコントロールする話を②でしたいと思います。
②社会からのリスペクト
この談合事件で世間の土木業界への評判は地に堕ちた一方でヨーロッパではシビルエンジニアの社会的評価は高いと言っていました。ヨーロッパではエンジニアが「職業にプライドを持ち」「一人の技術者としてどう生きるか」という背景があります。
僕らの部については東大の他の部活や他大のボート部に比べて自分の仕事や団体に対する誇りや自分の自信がないと感じています。(僕もかなりその傾向があると思っています)自分の仕事に誇りを持っていれば新歓でもこの団体の魅力を新入生に伝えやすくなると思います。
その誇りを生み出すのが「一人の技術者としてどう生きるか」こいうことです、ボートでいうと「オアズマン・アスリートとしてどう生きるか」と言い換えられると思います。専門的知識で圧倒的な技術の優位性を作ること・哲学や歴史観を勉強し知恵を得ること・自分の責任を理解することなどが例としてあげられます。
身近な例で僕が意識していることは「毎回の練習で必ずプラスを生み出す努力をする」「練習だけではとりきれないコミュニケーションをしっかりとる」「わからないところは自分から意見を求めていく」「用具を大切に扱う」「きちんと学校に行って授業を聞く・単位をとる」「人に会ったら挨拶をする」「自分が悪いと思ったら謝る」といったことで一人の学生・大人としての行動もあります。
自分に誇りを持つためにはそれだけの努力が求められると思うし尊敬を勝ち取るためにそれだけ努力しようと考えるはずです。
他人に対して自分の意見を伝えることやじっくり何が正しいか分かりやすく説明することに対して僕は誰よりも自信を持っています。一方で僕が他のコックスに比べて「一人の人間として」の部分は劣っていて信用を得られていない理由だと自覚しているので精進していきたいです。
③「人ざい」
「ざい」の文字には4種類あります。
人罪 指示を実行できず仲間の士気低下と組織劣化につながる人
人在 指示されたことしか実行せずいるだけの人
人材 業務の意味・意義を理解し目的に沿って仕事ができる人
人財 課題を見極め、目標策定できるリーダー的存在で「財産」となる人
僕は人「財」と人「材」の違いというの非常に大きいもので組織としてのレベル差だと感じました。自分から価値を生み出していくというのはスポーツチームにとって不可欠です。
そして講演では、経営者はこのレベルを上げていく環境醸成責任があると言っていました。ここからが大事なのですが、団体内でそうなってない人を否定するのではなく一緒に引き上げようとすることが重要だと思います。僕としてはこういうことができる新入生に入部して欲しいと思っています。
現役で活動できる残り1年半、競技者としても人間としても成長できるよう努力していきます。長文ですが読んでいただきありがとうございました。
笹野