東大の新人はJ部屋という部屋で生活をすると言われているが、その実態は謎に包まれている。その謎を解明すべく私、加藤史弥はJ部屋の奥地へと向かった。
J部屋への行き方は二つしか発見されていない。J2のドアから入るかJ3のドアから入るかだ。なんとJ部屋内で二つの部屋がつながっているのだ。意を決してJ部屋に入ると、そこには驚くべき光景が広がっていた。まさに天国と地獄、部屋の真ん中ではっきりと分かれているのだ。片側は清潔で整然としているが、もう片側は荒れ果てている。この二つの部屋が共存しているのか、私はその事実をいまだに信じられないでいる。現地の人に話を伺うとやはり領土を巡る紛争が多発しているようだ。
各部屋の詳細を見てみよう。片側は一見混沌としている部屋だが、住民には分かる秩序があるようだ。特筆すべき点は、大量のラックだ。様々な洗濯物がかけられている様はジャングルを彷彿とさせる。噂ではあるが、近々ジャングルの開拓が行われるらしい。
もう片側を見てみよう。きちんと区画整備されており、どこで誰が生活しているかがよく分かる。しかし、角にこの部屋には似つかわしくないバリケードが設置されている。今回は特別にバリケードの中に入らせてもらった。そこは一つの独裁帝国であり、国王は孤高の存在でクルーボートに乗らずシングルスカルで日々自分を高めている。部屋の住民とは相互不可侵のようで平和に暮らしていた。
今回私は今まで謎に包まれていたJ部屋の一部を明らかにすることができた。都市と未開の地の共存が鍵である。