こんばんは、jrの野村周平です
30の先輩方、お疲れ様でした。背中から様々なことを学ばせていただきました
全日本が終わり、全日本新人がいよいよ近づいてきましたね
最後に気を引き締める、今後につなげて行くという意味で、
チームを前に進めるためにどうすればいいのか、
考えていることを書きます
話はインカレまで遡る
自分の乗っていた付きフォアはこの部のチャンクルーで
福間さんや天志さんというこの部の最高戦力を乗せていた
しかし、結果は7位であり、セレク私大にははるかに及ばない、
それどころか素人の中でも一番じゃないという結果に終わった
主将や副将だって今まで勝つための努力をしてきたはずで、
結果、間違いなく強くなっている
エルゴも回るし、フィジカルなら間違いなく他大の対校エイトクラスだろう
(漕技については僕がまだ判断できるレベルにないので分からない)
一緒に乗らせて頂いた時の練習への取り組みを見るに、
強くなることへの意識だって高かったはずだ
それなのに、決勝にすら進出することができない
僕らは、まずこの現実を受け止めなければいけない
第一に、東大の中で頂点に登りつめることすら難しいというのに、
そこにたどりつけたとしても、偉大な結果を残すことはできないのである
(僕が足を引っ張っていたという可能性を棚上げにするが、許してほしい)
だから、
常識を変えなければ30を超えることすら困難であり、
普通のレベルの次元を上げなければならない
他大と比べても、練習量に関しては負けていると言うことはないと思う
これは他大の方と話しても感じることだ
ならば、質と、練習外の部分で負けているのでは?
練習外というと、分かりやすいのは乗艇ビデオを見る、振り返りのノートをつける、ストレッチをする、rowingの勉強をする
など、rowingに直接繋がりそうなところがすぐに思いつくだろうか
これは皆やってると思うし、漕手として結果を出したいなら最低限のレベルだと思う
つまり、それだけでは足りないのである
(rowingwの勉強のやり方が分からない場合は、rowingの志とか、親父スカラーとかのブログの漕技の基本関連の記事がおすすめです)
だから、各自が生活面、文化の面から自分を見つめ直す必要がある
分かりやすいのは生活面
睡眠時間の確保とか、食事を三食とるとか、
さらに進んで、増量したいなら米の量を増やす、プロテインに投資する、スナックや清涼飲料水等の体に負担がかかるものをなるべく摂らない、ラーメン禁止する、寝る前にケータイの光を見ないで睡眠の質を上げる、フライ中も就寝・起床時間を安定させる
などなど、若干実行の難易度が高いだろうか
しかし、これでも足りない
僕は暇だった2Sからインカレが終わるまで、上記の生活面の改善を実施してきた
本や論文、記事を読んで強いアスリートの行動を参考にし、取り入れて、
食事や睡眠、生活習慣に気を使ってみた
結果、エルゴ値は上がり、東大でも強いとされるOBや先輩方がjrだったころに匹敵するほどの記録を出すことができた
フィジカル的な上昇も見られた
技術も多分上手くなった
しかし、インカレで勝つことはできなかった
なぜか
それは、いま上に挙げた全ての努力は自己完結してしまうからだ
個として強くなることは以上のことを実践すれば出来ることは分かった
(まだ工夫のしがい、やれることは山ほどあるが)
だが、rowingはチームスポーツだ
まして、東大漕艇部に所属する以上、インカレは組織vs組織の闘いだ
自分が頑張るだけでは勝つことは到底できないのである
そこで、大事なのがチームの雰囲気、風潮、交わされる言葉、態度など、
チームの文化ともいうべきものだと思う
強いチームならどうあるだろうか
そういうのを探ってかなきゃならない
周りの人を観察し、優れた面は参考にして
改善できる面は引っ張り上げていかなければならない
また、rowingは信頼のスポーツだ
クルーに動きを合わせ、コックスのコールに応なければ成立しない
ならば
他者貢献の精神、周りを見渡す眼、協調性
などは必要不可欠だろう
また、自分をまた棚にあげるが、
道具を使うスポーツである以上、物を大切に扱う、細部にこだわることも重要になってくる
これらの力が自然と身につくような環境を作らなければならない
さらにいいことは、この文化を作ろうとする行動はもれなく自分の成長につながることだ
周りを引っ張ろうとすることで自分の態度や行動に責任が生まれ、人間性が育まれる
こういう、ボートに直接繋がっていない面は軽視されがちだ
古臭い体育会系のようにも感じるかもしれない
実際、強力なスポーツ選手が偉大な人間であるか、というとそうではないこともある
だが、人間性を高めても艇速は上がるとは限らないのだから、無駄な努力ではないか、という指摘は的外れだと考える
なぜなら、ボート部はプロスポーツチームではなく、教育機関だからだ
単にスポーツが上手くなって結果を出すだけでなく、社会で活躍できるような人間を輩出する役割を担っている
rowingの競技性、共同生活、結果を求めるプロセス、その他諸々を通してこの役割は果たされる
具体的に言うと、ルールを守るだとか、集合時間に遅れないとか、挨拶をするだとか、考えてみれば当たり前とも言えることに始まり、練習への創意工夫や、大学生主体での部の運営など難易度の高いチャレンジも含まれる
また、文化を通じて部員同士の信頼が醸成されれば、確実に乗艇パフォーマンスにつながってくる
鼻につかない相手と同じ艇に乗るより、認めることが出来る仲間と同じ艇に乗った方が、自分が余計なことを考えず集中できるのは想像に容易いだろう
実際の例を挙げると、NZのラグビーチームのオールブラックスは、選手の選考に実力以上に謙虚さ、品性を重視し、チームの文化を作り上げた結果、スランプを脱し、勝率80パーセントを超える世界最強のスポーツチームとなったと言う逸話がある
良質な文化はあらゆることの土台となってくれる
繰り返すが、独りよがりの努力で達成できる目標などない
クルーを、コーチを、また支えてくれるマネージャーやOBOGに働きかけ、目標達成に巻き込まねばならない
自分が周りに与える影響を考えねばならない
マイナス面を減らすだけでなく、いい面で周りを感化させる
指摘とかはしにくいし、恥ずかしいという風潮がこの部にはあるけど、必要に応じてはしなければ前に進めない
相手への最大限の尊重をもって、自分の意思を伝える必要がある
このときに、相手に何かしてもらう前に、まず自分が実行することが肝要だ
時間を守れ、と言う前に時間を守り、信頼してくれよ、と言う前に信頼する、と言う感じで
自分が、めんどくさがらず、勇気をもって今からやらなくてはならない
このままいけば引退するときには、過去の先輩方と同じく、
負けたけど得たものはあった、で終わることになる
歴史に名を残すこともできない
自分たちに残された、勝負できる全日本級の大会はせいぜい5回くらいだ
これは考えてみればとても少ない
だが、
残されたボート部の日々はその百倍くらいある
それ故に一日の重さは軽視されがちだが、
毎日自分は成長できたのか、チームを前に勧められたのかをシビアに振り返ることができれば
濃密で実りあるものになるはずだ
引退の時のことを考えてみよう
それまでに自分は何を達成したいのか
そのために何が必要で、自分には何が出来るのか
幸い、まだ現役の僕らには試行錯誤する時間は残されているし、
やるべきことは無限にある
今から、僕たちが、このチームを前に進めよう
チームを強くすることこそが、己の目標達成への最短経路だ