日本一への挑戦51

こんにちは、4年の岡本です。
今回は、僕が日頃から意識している「フィニッシュで艇を加速する漕ぎ」についてお話します。
「フィニッシュ加速」は、ここ数年、東大漕艇部に所属する全漕手とコーチにとっての最重要課題のひとつでもあるかと思います。
僕自身、フィニッシュでの加速の重要性を痛感しつつも全然できていないのが現状なので、技術論を語るのは少々おこがましいですが、(自分の中で比較して)うまくいったときや、コーチに「今日のフィニッシュは少しは改善したんじゃないか」と言われたときの取り組みをまとめてみて、インカレに活かせたらいいな、と思います。

まずは、フィニッシュ加速の必要性・利点について。
僕が思うに、
第一に、ドライブの有効レンジが伸び、ドライブで艇が進みます。
第二に、フィニッシュで艇を加速することで、フォワードで爆発的に艇が伸び、またフォワード中の艇の動きが安定します。

フィニッシュ加速の方法について。
第一に、フィニッシュ周りにおけるブレードワーク。ブレードが抜けるとフィニッシュ加速のしようがありません。
第二に、ブレードやピンを媒介に艇に力を伝えるボディーワーク。

一つ目のブレードワークについて。
漕手の側から見たらハンドルワークとなります。フィニッシュでブレードを一枚水中に入れた状態で、自分のハンドルがどこにあるのかを確認して、キャッチの位置からそこまで引いてくればよいのでしょうが、自分の場合、フィニッシュの位置に無理やり持ってこようとしてもブレードがウォッシュアウトするように思います。「無理やり」が「上半身・肩・腕の力み」につながっているように思います。
艇の動きに敏感になって、ブレードをキャッチからフィニッシュまで固定し続ける、フィニッシュでしっかり脚でつながる、フィニッシュで体重を載せる(ぶらさがる)漕ぎができれば、漕手がシャカリキにならなくても、ボートがよりよいフィニッシュに導いてくれるのではないかと思います(もちろんそのとき漕手は楽なのではなく、ボートの動きに忠実な漕ぎをすることで、最大限の出力を搾り取られるのだと思います。ボートと自分の相互作用により、ボートを漕がなければ決して気づきえなかった自分の持つ力やメンタリティーに出会うことができるのが、ボート競技の魅力の一つだと思います)。

それから、キャッチで上半身が力んだり、悪い方向に開いたりして山漕ぎになると、どうしても最後にハンドルを引き落とさざるを得なくなります。自分の場合、フィニッシュの瞬間に高く引くことだけを意識するとどうしても上半身が力んでしまうのですが、キャッチやミドルでハンドルを高くしない(=ブレードを必要以上に深くしない)ことを意識すると、自然と良いフィニッシュができるような気がします。おそらく、後者のような漕ぎができているときは、自然と、下半身や体重をうまく使った漕ぎができているからだと思います。ハンドル軌道のイメージとしては、体の側面に沿うように引き上げる、キャッチからフィニッシュまで体に一番近いところを通し続ける、ウェイトトレーニングのハイクリーンのようなイメージが、自分としてはしっくりきます。

あとは、フィニッシュ直後の、ハンドルのタップダウンが大事です。
本来の順序としては「ブレードがウォッシュアウトせずに水中にあり、フィニッシュを加速する」だから「フォワードに向けてタップダウンをする」のでしょうが、人間の運動のイメージは必ずしも論理的ではないので、「タップダウンをとるイメージが良くなった」ところいつのまにか「フィニッシュのブレードワークが改善した」というアプローチも十分にありうるかと思います。自分のようにニブい漕手の場合、タップダウンのイメージすらも湧かないのが問題なのですが…
現在はつきペアを漕いでいて、相方と比べてフィニッシュの加速が甘い、タップダウンのイメージがわからないなぁ、と思い試行錯誤していたのですが、とりあえずフィニッシュ直後からシャフト・ブレードを高い位置まで返してやることを意識してみたら、両サイドのフィニッシュ押し切りやフォワード中のオール軌道がそろってきて、バランスが良くなったような気がします。

ブレードワークやハンドルワークについては、アウトサイドハンドの手首や指の使い方もかなり重要になってくるかと思います。僕がいいなぁ、と思ったのはこの動画の7番とバウです。(1:55~と2:47~)

第二に、ボディーワークの話もしたかったのですが、長くなってきたので簡潔に。
ボディスイングや腕引きで強く、鋭く艇を加速することが本当に大事だと思います。
ただ、上半身だけだと水・艇とつながりきれないのでシートレンジを長くとり、フィニッシュまで脚で押し込むことで、上体と腕の飛ばしを効率的に伝えてやることができるように思います。

長くなり、自分の中でのイメージの話とかに話が飛ぶことも多かったので、お前の話は何が言いたいのかわからない、そもそも物理の法則的に誤っている、ということもあるかもしれません。(僕が思うに、漕手や舵手の感じるイメージは、ボートを動かす物理の普遍的な法則を、直感的に記述しうるものであり、ボートの進み方を頭で理解するのと同じように、rowingの上達に貢献しうるように思います。)
良かったら、直接話をしましょう。

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