3年前、自分も新入生だった。
初めて東商戦のレースを見たとき、「自分が漕げば勝つに違いない。勝って歴史を変えよう。」と思ったのが入部のきっかけの一つだった。
その後何度も、ボート競技の厳しさ、一橋の強さを目の当たりにして、その思い込みが世間知らずで甘かったことに気づかされたが、それでも、一橋に勝てないと思ったことは、一度もない。
レースは2つのクルーだけのものだ。
支えてくださるすべての方に、ここでは表現しきれないほど感謝しているが、レースは、漕いでいる者にしかわからない世界として完成に至ろうとする。
岸の風景のすべては、一瞬のうちに、流れていく。
過去に東大が何回勝っていようと、ここ数年一橋が何回連続で勝っていようと、今年のレースには何一つ関係がない。
オレは、今の自分を作り上げた過去の人生のすべてをかけて、勝利と共に切り開かれる未来の人生をかけて、そして何より、今、この瞬間を生きる現在の自分のすべてをかけて最後の東商戦に挑み、勝つ。
オレは、オレ自身と、ともに戦ってきた仲間のために、漕ぎ、勝つ。
オレたちは、東商戦史上最速のオープンエイトを完成させた自信がある。
それは、4月30日、勝利と共に、証明しよう。
4年 岡本 崇史