こんにちは、院2の本間洋一郎です。
東商戦から2週間が過ぎ、軽量級に向けて今2年生の福本くんとダブルを漕いでいます。(ペアだった寺本くんは怪我からの完全復帰のため別調整)
ここしばらく感じたことを、今日はやや過激に、しかも非常に長めに。
入部させてもらって、ちょうど1年が経ちました。大学ボートは経験なかったので、ちょっと様子を見ながらの活動となっていたところがありましたが、やはり対校戦で負けると、悔しいですね。自身は母校高校ボートの対校戦もあって、そちらは東商戦の前週にOBレース含め全勝させてもらいました。過去に悔しい思いがあるから、高校現役の時も、コーチとして活動していた時期も、そしてOBレースも、勝ちにこだわります。
東商戦に参加させてもらって思うのは、チームとして負けてしまって、もう一度やりたい、と考えてしまうことです。1年間の流れがある程度掴めて、いろいろ言えるようにもなってきました。(これはブログ記載が増えてきた理由の一つかもしれません。)さすがに自分の年齢や仕事、経済的に自前でやっていることもあるので、大学院で留年してもう一年、というわけにはいきませんが、あと残り4カ月とちょっと、自分の持っているものはなるべく渡していきたい、と2年生の福本くんと漕いでいて思います。
自分が一緒に楽しく暮らして漕いできたやつらが、負けるのは、嫌です。負けていいことなんかない。高校ボート部の同級生であり、早稲田大学でコックスをしていた友人とも話をするのですが、負け慣れしていいことなんか絶対にない。
高校ボートの対校戦で、自身の高校現役時対校戦勝利の前に6連敗が続き、その後流れを引き寄せられず8連敗を見ていることもあり、気をつけないと、今回の東大の連敗はズルズルいってしまうと感じる。流れを引き寄せるのがいかに大変であったことか。トップボール僅差による敗北、ボート部自体の崩壊寸前、OBによるテコ入れ(まずボートを自然の中で楽しもう、というボートの原点)、カンバス差の敗北、トップボール僅差による敗北、やっと1勝(大差)、コーチ陣の意識とモチベーションの立て直し、2勝目(半艇身)、育成してきたコーチ陣のみによる3勝目(1艇身)。
流れ・ツキというものはあるものです。しかし、流れを引き寄せるのは自分たちでもある。耐えるところしっかり耐えて、流れを引き寄せたいと思います。
そのために福本くんに言っている厳しめの言葉、最近考えていることを、自戒も含めていくつか。
・先日のジュニアレースの差を×2年分してみること、これはつまり今年の対校レースの差になる可能性がある。
・なぜ負けたのか、自分たちのレースだけでなく、なぜ対校・先輩達が負けたのかも、考えて聞いてみること。これは少し度胸がいりますが、重要。先輩の言っていることをそのままこなしているだけでは勝てない、なぜなら、先輩は負けているから。自分たちがやってきたことをそのままやっているのではもちろん勝ち目はないが、先輩達がやってきたことをそのままやるのでは勝てない。もちろん今のコーチの方々はそれを認識していて、いろいろ変えてやってくれていると信じています。
・漕手何人かと話をするのですが、同じメニューをこなすにも、自ら意識してやるのと、ただ与えられてやるのでは練習効果に大きな違いが出ます。「意識してやれ」とコーチに与えられて意識して行っているのではダメ。漕手からの「意識はしているんですけど…」というコメントは、意識していないに相違ない。考えても行動に出ないと、結果に出ないと何も意味ない。意識して、じゃぁ今どうしていて、今後どうすればいいのか、コーチに指摘される前に自分からも次を考えるのが勝ちにいく漕手、クルー。結果にこだわるから内容にこだわるものだと思います。結果のためにいろいろ工夫し出す。
ABからよく考えて漕げと言われたり、oldOBの方々からどうしたらできるのか考えてやってきたから優勝できたといったお話を伺いますが、おそらく「考える」のニュアンスが昔と今の部員で違う可能性があります。現代の東大生は与えられた問題集をとにかくこなして考えれば合格する人が多い(と思う)。ある程度学校や塾等でマニュアルみたいな教材が用意されていて、それをしっかり数こなせば受験には合格する、そんなものです。でもそこにはそれほど「工夫」、もしくは「知恵」というものがないのではないか。今のボート部に必要なものは、知識ももちろんですが、「知恵」「工夫」が必要かと思います。
・体力が一橋に比べて無いから、技術で磨いていくしかないという部員何人からのコメント、これは、逃げている。ジュニアのメンバー何人かとダブルを漕いできて思いましたが、そういう人も技術がない。逃げている人に技術の向上はない。技術と体力は相互に向上していくものです。
・高校ボートレベルではありましたが、僕がコーチも漕手も経験したから言いたい事。(現役部員としては本来言える発言ではありませんが)
やはり、全員で勝ちにいきましょう!自身が高校のヘッドコーチをしていた時に下の大学生コーチに感じたことでもありますが、勝ちにいくのは部員だけではありません。部員の勝利はコーチの勝利でもあります。何人かのコーチの方々には言うのがはばかれますが、大方のコーチの方々は現役の時負けてきた方々ですよね?勝ちたくないですか?現役の時に負けて本当に悔しかったら、それはコーチングにも出るはず(それが出ていて熱い方々ももちろん感じます)自分たちがやってしまったことは、後輩にはやって欲しくない、そう思います。僕は今そんな気持ちで福本くんと漕いでいます、もちろん自分が勝たないと意味が無いので、クルーである彼にも向上してもらわないと勝てない。
ジュニアのミーティングで盗み聞きしましたが、白井くんが、自分で勝ちにいかないとダメと言っていました。レースの終盤で、他のクルーに頼ってしまっているところがある。そうじゃなくて、あくまで勝つのは「自分」です。「自分たち」じゃなくて、このクルーを勝たせにいくのは「自分の」パワーであり、技術であり、勝つのはあくまで自分であることをしっかり意識する。もちろんマネージャーがありOBがありコーチがあり、仲間がありそのため勝ちにいくのですが、それはつまり自分の勝ちのため。自分の勝ちは仲間への勝ちのため。そんな意識があるのがいい。「俺が勝たせる。」ある意味おごりともとれる自信過剰、でもそれが普段の練習での意気込み、そしてレースで必要だと思います。
僕が一番それを感じるのはAB。彼は非常に勝ちたいコーチです。それを感じる。だからF wordsがついつい出てしまうのだと思います。ただ言葉の壁、ニュアンスがまだあって伝わりにくい気もします。
・内部競争も重要だが、外部を見る必要性もある
東大は川で出しているため、他大を見る機会が少ないと思います。ポンドで例えば他大にたまたま並んでみたら、自分たちの実力がわかるじゃないですか。
ダブルをポンドで漕いでいて、とある大学のダブルが通る。一度止まってみて見学。
「どう思う?」
「すごいですね…」
「すごいですねじゃないよ、ふざんけんな、アイツラにあと数年で勝つんだろ、しかも数年で勝つなんて考えていたら、一生勝てないぞ、感心してんじゃねー」
最近の船の上での会話。
・最近思ってしまったのが、全国中学選手権に出てくるクルーの方が速いなぁと感じてしまうこと。彼らは大学生より練習回数は少ないはずだけど、船のバランスはいいし、片付けや船の管理、挨拶といったことがしっかりしている子が多い。こういった人達が私立大学に来てボート漕ぐわけで、私立校が上手くて速いのも当然。
高校生を指導している時感じましたが、こういったことを大学生にも、挨拶しよう、とか、片付けしようとか、練習終わったらシャッター閉めようとか、わざわざ言わないといけないのか?というのがしんどい。たしかに人間緩む時もあります。僕もあります。ただいつもっていうのはマズイ。
・これにちなんで、守屋くんがペア艇のリギングをしていてなかなかうまくいかず、叫んでいたこと。「リギングもまともにできないのに、日本一なんか獲れるわけがねー!」その通り。ちょっと最近工具周りが整備されていないし、ストレッチャーの靴も使用できるものできないものバラバラ。足りない分を他の船から取ってきて補充しようなんて、取られた船が使えなくなるじゃないか、プロセスが悪いと、と船のストレッチャーが外れているのをABが見て、その場にたまたま居合わせた僕が彼から軽くキック。(やったのはお前じゃないけどさ、とABから僕にコメント)
明日金曜日、艇庫の整理しよう。
・今日起床時間に遅れる者が何人かいて、その人たちには情けないことにペナルティーが課せられた。
よく越村前キャプと話しますが、起床時間10分後に食堂に集合なのですが、集合時間ギリギリまで寝ている人たちが多い。ちょっとミスると遅刻になる。間にあえばいい、とか、どうしても起きられない、と聞きますが、そうじゃない。起床時間は起床時間できっちり起きて、用足し等も済ませて10分後にはそれなりにしゃきっとして掃除しないといけない。掃除始まる2分前にシリアル食べ始めたり、掃除始まる直前にバナナ食べているのは、準備ができてない。部としての初動のハーモニーがない。
と、非常に長くなりましたが、まだまだ改善点はたくさんあるということです。冬場きっちり締まっている時もありました。が、ここにきてたるみ始めたところもある、といったところです。
本気でやっていれば、艇庫綺麗にしたくなるし、船も綺麗に拭きたくなるものです。ただこだわりすぎると時間がかかりすぎて学校に行けなくなるので、そこのところは工夫と要領が必要。要領を磨くのも立派な努力です。自分には要領がないと言って諦めるのは投げている。社会に出たら忙しいことだらけですから。ただやっぱり最初は時間かかるから、じっくり練習していく必要性はあると思います。
長くなりましたが、これらは普段自分にもあてはまることもあり、他人を見ていると自分を見ているみたいでダメだな、変えんと、と自然と出てきたものです。
さぁ、これからです。