こんにちは。トレーナーの田口です。
ブログ記事の題名は「ちん」と読みます。ボートがひっくり返って転覆することです。
今週末の練習について、いつものようにブログを書くか正直迷ったのですが、当初の目的(今年の新人トレーニングの様子を保護者・OBの方に対してオープンに紹介し、少しでも多くの声援を頂けるように)を鑑み、書くことにしました。
22日は、初の試みとして7杯のクオドを出艇させ、全員が一日2乗艇できるように配置し、乗艇距離を少しでも伸ばす方針を立てました。また、今回の乗艇より、いままでやっていなかったフェザーという技術の習得も目指しました。
まず、出艇前に氏家コーチによるフェザー技術講習会。イメージビデオとしてイギリスのオリンピック選手Zac Purchase氏のビデオを参考にしています。氏家コーチ、ありがとうございました。
※フェザーとは、オールのブレードが水に入っていない時、空気抵抗を減じるためブレードを水面に対して水平に傾ける動作のことです。
対校からのおさがりも加えて、28セットのスカルオールを準備。やはり物量では圧倒的なものがあります。
全部は写っていませんが、艇のリギング
乗艇の様子。午前は大曲往復(12km)の予定でした。
7杯出艇し、途中でオールが折れたクルーがあったので6杯で大曲へ向かいました。風と波はそこまでなかった(2m/s程度)のですが、大曲付近で立て続けに3杯が沈しました。
沈しても決して艇から離れない、まずは周囲に注意喚起するなどの基本事項は新人トレーニング当初より伝えていたので、3杯とも大事には至らず、モーターボートの力を借りて復帰することができました。けが人等はおりません。
本来、新人で使用している舵手付クオドルプルは、最も安定性の高い船の一つです。今回の沈の原因としては、漕ぎ出しの時に動きがあっていなかったり、艇の方向を変える(転回)の時に艇を傾けすぎたりと様々でしたが、この時期の沈の原因としては(新人であることを差し引いても)少しお粗末と言わざるを得ないものでした。
午後は18kmの乗艇の予定でしたが、三村コーチと話し合い、午後の乗艇を取りやめ陸上トレーニングに振り替えました。付きクオド6杯中3杯が沈という、普通に練習していたら確率的にありえない事象が起こった時、前回までの同じ条件での乗艇ではほぼ問題なかったこと・コンディションに特別難がなかったことを考慮すると、少なからず全体が集中力を欠いていたと結論しました。
ボートは安全あってのものです。沈というのは、仮に冬場で同じことを起こした場合、本当に命に係わる事故です。だからこそ東大ボート部は新人期の夏・秋の時期にクオド練習やシングルスカル練習を重ねて技術向上を目指しますが、その夏場でも沈というのは重大な事故につながるという意識を持っておくべきでした。
今回トレーナー側としても反省すべきことはたくさんあり、細部に対する意識がいきわたっていなかった部分があったと思います。もっと口を酸っぱくして、船を水平に保つこと、ハンドルの上下差をつけすぎないこと、動きを全員で合わせることを指導すればよかったと後悔しています。
来週末からは12日間におよぶ浅野杯合宿が始まります。いまいちど気を引き締めて、立派なレースをお見せできるように全員で励んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
浅野杯は8/9(水)午前中に戸田ボートコースにて行われます。是非ご来河ください。
新人チーフトレーナー
田口航太郎