トレーナーの田口です。
最近、一週間はものすごく短く感じるのに、一か月はものすごく長く感じます。めまぐるしく日々のやることを片付けているといつの間にか土曜が来て新人練習し、いつの間にか日曜の朝になっています。こういう感覚は、現役の時も良くありましたが、往々にして目の前のことだけしか見えなくなってしまい大局的な思考を失いがちでした。もちろん選手もそうですが、トレーナーの身としても、何のために今これをやっているのかを見失わずにいきたいところです。
ただ一方で、こういう考えもあります。僕の同期の豊間根の淡青会報(H28年度)の記事からの引用ですが、レース中の脚蹴りを例に出してこう言っています。
『自分がやっているその瞬間には、わけもわからずただ頑張るだけなのだが、すべてが終わった後、誰かに指摘されたり自分で振り返ったりして、なるほどあそこがよかったのだな、と思う。(中略)そして私は、レース後の懇親会で、あの足蹴りが良かったのだ、「脚蹴りをしていない奴ら」とは違ってあれをやったから「勝てた」のだと、クルーや部員、大先輩と語らえるように、これからもストレッチャーを蹴り続けるつもりだ』
新人には、ボート生活以外にも、いろいろな選択肢があります。本当に、いろいろな。「ボートに打ち込むことが結局何になるの?将来へのビジョンが見えないよ」という疑問をこの時期に持つのはもっともだし、いまそれについて自信をもって答えられる新人はいないでしょう。
けれど、大学4年間で『脚蹴り』をした先輩方がその経験をフルに生かしてその後のレース展開を有利に進めているのは明白だし、そういう方は絶対に脚蹴り中に無心で、ただ勝つことだけを考えていたはずです。
大局的思考も勝つためには必要ですし、一つのことに無心で取り組み続けることも、一つの強さの形でしょう。その二つは排反ではないと思います。
さて、前置きが長くなりました。
今回は、初の秋ヶ瀬往復でした。果たして楽園は拝めたのでしょうか。
出艇します。さすがにもう出艇手順も覚えて、すんなりいくことができました。当日は社会人選手権が行われていたので、川が結構混んでいました。
秋ヶ瀬鉄橋が見えてきました。下を通過するとき、ちょうど電車が通ると轟音に囲まれるので、そういう時はコールするのあきらめます。聞こえるわけないし、のどの節約です。
着きました!メニューの都合上、直ぐに転回し川を下ります。秋ヶ瀬鉄橋より上流にいたのは1分くらいでした。
まあ、楽園と言っても何もないんですが。テトラポッド暗いですね。
楽園はきっとみんなの心の中にあります(適当)。
揚艇します。川の水位が低いので、泥を歩くことになります。最初は泥のあの感触にぎゃーぎゃー騒いでいた新人も、今では黙々と迅速に片づけられるようになってきました。
昼飯の時間を使って、H25対校主将の関谷哲先輩にボート力学のレクチャーをしていただきました。効率的にストレッチャーに力を伝える意味や、自分の身体の状態を把握する大切さなどを30分にわたり説明していただきました。関谷先輩、ありがとうございます。
午後乗艇が終わった時の写真です。今日の午後は新人・対校の乗艇時間が近かったため、艇庫前が結構混雑しましたが事故なくしまうことができました。
対校・京大戦エイト・新人のためにモーターが3杯出る、という過密オペレーションでしたが、マネージャー陣の連携により滞りなく進められています。
来週は漕手は新人のみでクルーを組んでの練習です。いままでいかに先輩に押してもらっていたかが良くわかるでしょう。今まで以上に主体的に押していってほしいと思います。
以上です。駒トレのメニューなども結構変わっているので、その様子も次回紹介できたらと思います。
新人チーフトレーナー
田口航太郎