こんにちは。
女子部学生コーチを務めさせていただきました、鳴瀬です。
昨日までの全日本選手権を持ちまして、ボート部での活動を終了いたしました。
今後は別の活動に邁進して行こうと思います。
私は、今回の記事において、「申し訳ありませんでした」という言葉を一切使わずに書き進めていこうと思います。
結果が出なくて申し訳ありませんでした、という言葉を使うたびにブログから発されているであろう雰囲気の暗さ、書くほうも読むほうも感じる雰囲気の悪さを感じるのがそろそろ嫌になってきたからです。
さて、全日本選手権において、女子部は学習院大学、成蹊大学、共立女子大学、東京大学の4大学合同で女子エイトを結成し、出漕しました。
結果がついてこなかったことこそ残念でしたが、 今持っているものをしっかりとレースで出し切ることができた、と感じています。
さて、私は現役時代、いろいろな人と漕ぎました。
男子女子、強い人そうでない人、そこそこいろいろな人と漕いできたつもりです。
さまざまな人と漕ぐなかで感じたことは、強い人と漕ぐだけでなく、語弊がありますが実力が自分より劣る人と漕ぐことも十分に意義がある、ということです。
格下の人と漕ぐことに意味はない、自分のためにならない、というのは大間違いです。
どんな選手でも、良い部分があります。自分よりは漕ぎは下手だけど、でもこの部分は自分より優れているから見習おう、ということはよくあります。
人に教えるには、自分の考え方を整理して分かりやすく伝えることが必要です。その結果、自分自身のボートへの考えが深まり、結局は自分のためになるのです。
実際、私立大の、ボートで実績を残している方と話してみると、一緒に漕いだり練習するなどして自分たちの持っている知識、経験を伝えることにとても積極的である、と感じています。この人は下手だから一緒に漕ぎたくない、というような考えを持っている人なんてほとんどいません。ボートが上手な人が一人でも増えてくれることを喜んでくれる印象です。
今回の女子エイトは、飛びぬけて優れた選手がいたわけではありませんでした。
日々の練習姿勢や練習日程も異なる選手が集まって、レースに出漕しました。
飛びぬけて優れた選手はいなかったけど、みなそれぞれ良い所を持っていました。
自分にはない優れた点を持っている選手とともに練習し、同じふねに乗り、 互いに学び、吸収する。
実際は練習期間も限られていましたし、調整することもたくさんあり大変だったと思うので、お互いに高めあうことは難しかったかもしれませんが、このクルーを通して、何かを学び、経験することができたら、それはクルーを組んで成功であった、と考えています。
さて、この1年間、女子部に関わってきました。
思っていた以上に、コーチは難しかったです。
ですが、この1年間で、女子部はしっかりと前に進むことができました。
まず、雰囲気がよりよくなったこと。
選手がよりさまざまなことに目を向けられるようになり、またしっかりと発言できるようになってきたこと。
選手同士が、よりお互い理解しあえるようになったこと。
インカレでは、女子ダブルのふねの進みが良くなったね、 というような言葉もいただきました。
人数も少なく、私の現役時代よりもずっと大変な状況だったと思いますが、1年間、悩みつつ迷いつつ、 よく頑張っていたと思います。
インカレあたりで、強くなるために進むべき道がだいぶはっきりとしてきたと私自身は感じています。まだまだ壁はたくさんありますが、今進んでいる道を歩んでいけば大丈夫だ、と感じています。
現役時代、わたしは「自分は下手だ」と思い込んでいた時期がありまして、自信をなくしていたときがありました。その期間はまったくボートが上達しませんでした。
そして、他の方に励まされ、自信が持てるようになると、上達しました。
自信過剰になるのはよくないですが、自分たちの悪いところにばかり目をむけてしまうとどんどん成長が阻害されます。
現役の彼女たちには、それぞれいいところがたくさんあるので、そこに自信をもって、それを武器、強みとして、ボートを続けてほしいと思います。
昨日の懇親会での、「この部にはボートが好きな人と、ボート部にいる人が好きな人の2種類いる」という言葉を借りますと、私は前者です。
東大でボートを漕げる環境が、鉄門を除けばここしかない以上、東大女子にボートの楽しさを伝えられる環境は「東大女子ボート部」しかありません。私はぜひ東大女子にボートの楽しさを知ってほしい、と考えているので、東大女子ボート部はどういう形であれ存続してほしい、と思っています。
それでは長くなりましたこのあたりで締めたいと思います。
4年半、ありがとうございました。
鳴瀬