こんにちは 対校学生コーチの山田です。
シーズン初のレースである、お花見レガッタも終わり、ついにシーズンに本格的に突入しました。
お花見レガッタのタイムについては、東京都ボート協会に掲載されているので、以下のURLよりご覧ください。
(東大ボート部ホームページの方にも早く結果を反映させるように、マネージャー陣には依頼しておきます。
http://www.tara.or.jp/race/2015/20150329.html
結果としては、決勝への進出を目論んでいたエイト、フォア共に、準決勝で勝ち残ることができずに、順位決定に回り、エイトが8位、フォアが10位という結果に終わりました。
エイトに関しては、昨年度エイトで実績を出している、明治大学、仙台大学、中央大学に順位決定で勝利しましたので、選手の方としても、コーチ陣としても、一定の手ごたえは感じています。
しかしながら、同じ国立大である一橋大学と東北大学は、東大が順位決定で負けてしまった日本大学Bを準決勝で倒して、決勝に進出を果たしましたので、東大もレースにおいて、今より一段階高い力を発揮しないと、今後のレースで望む結果を得られないということは明らかです。
やはり、一橋大学は、野村コーチ下、強いチームとしてのモデルが確立しており、引退などにより選手が変わっても、チームとしての一貫性があるように思います。彼らは、ここ数年、かなり早いペースですが、着実に階段を上るような成長をしています。そのため、勝つためにはどうすれば良いか、強いチームとは何か、そしてより具体的には、どう漕げば速いかということへの考え方が文化として定着しており、強い一橋大学としてのビジョンとそれを支える蓄積を持っているように見えます。したがって、彼らを倒そうと思ったら、一橋が弱くなるのを待つというのや、東大にたぐいまれな才能を持つ選手が8人そろうというのを待つという意識では駄目であり、チームとして、強い東大漕艇部というビジョンに向けて、必要な技術、知識、勝利への渇望といったものを蓄積していかなければなりません。そういった蓄積というのは、何かのきっかけで一気に得られるという性質のものではなく、日々、勝利に向けて、練習もしくは、普段の生活の中で、得ていくしかないのです。少しでも、艇速をあげるため、技術の改善、体力の強化、道具の整備、体調の管理、そして、チームでの意識の統一といったできることをやって、蓄積を徐々に増やしていけるはずです。一つ一つは小さなもので、艇速を1秒も上げないものだとしても、積み重ねることによって、数秒の差となり、最終的には、大きな差となるはずです。
まさに、「One for All,All for One.」の精神が必要ですね。
私自身の現役の時を振り返って見ると、この観点が不足していたなというのが、自分の反省点です。
私は現役の時、どちらかというと、何か致命的に不足しているものがあって、それが勝てない原因になっているのではないかと考えていました。そして、それらしきものを探し出し、それを直すことに集中していたのですが、それに集中するあまり、視野が狭くなっていたのではないかと思いますし、また、「一気に変わる」ということを求めすぎていたのではないかと思います。
レースというのは、年に何度もあるものではないので、ある年にあるチームが突然決勝に行ったとしたら、周りからは、生まれ変わったかのように、突然そのチームが強くなったように見えるかもしれません。しかし、それは、そのチームがそのチームなりの蓄積を積み重ねた結果が、たまたまレースの時に現れているだけということです。
東北大学や、特に一橋大学との蓄積の差は、まだまだ存在するのですが、この冬場で、その差は大分縮まったとは思います。このことは、昨年度のお花見レガッタと今年の結果を見比べても明らかであり、今シーズンに追い抜くことも 十分可能だと思います。シーズンに入っても、必要以上に迷わずに、目の前にある課題を着実に乗り越えていきましょう。 私も選手が一つ一つの課題を乗り越えることの、後押しができるように最大限努めます。