先週紹介した「失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇」を読み終わりました。
大東亜戦争で日本が負けた理由を、日本軍の組織やリーダーのあり方に求め、分析を行っている本です。
この本の良いところは、「これだから失敗した」「日本軍はこれほど駄目な組織だった」という内容に留まらず、日本側の評価されるべき点についての記述も盛り込まれているところです。
たとえば、1940年9月~1945年4月にかけて、内閣には、総理大臣直轄研究所として「総力戦研究所」という組織があり、そこではレベルの高いデータ分析や議論が繰り返されました。参加していたのは、各官庁、陸海軍、民間から選抜された若手エリート層です。
1941年夏の時点で
「開戦後、緒戦の勝利は見込まれるが、その後の推移は長期戦必至。その負担に日本は耐えられない。また戦争終末期にはソ連の参戦もあり、敗北は避けられない」
というきわめて正確な予測が出されるなど、彼らがとても的確な目で状況を見ていたことがわかります。
何が言いたいのかというと、当たり前のことではありますが、完全なる成功がないのと同じように、完全なる失敗もないということです。
日本軍は失敗したかもしれませんが、中には成功につながりうる試みもありました(ですが失敗は失敗ですし、後世の人はその失敗という結果しか記憶しません)。
失敗した、という結果の中には、失敗につながる過程が多くあったのはもちろんですが、中には成功につながる過程も確かにあるものだと思います。
良いものも悪いものも、たくさんの過程が総合的に絡まりあって、最終的に「成功」または「失敗」という結果に振り分けられることになります。
それは平成26年度淡青会報を読んでいても感じました。
26年度には良いこともたくさんありました。ですが勝つことはできませんでしたし、周囲の人の記憶に残るのもその結果だけです。
今自分は間違いなく成功につながることをしている、だから必ず成功する、とは言い切れないし、今自分は間違いなく失敗につながることをしてしまった、だから必ず失敗する、とも言い切れません。
「自分はこれだけやっているから結果は出るはず」と自信を持つことも、「このままじゃ結果なんて出せるわけがない」とネガティブになることもあるとは思いますが、
最終的にチームとして成功(目標達成)という結果を出すために日々練習しているということを忘れないでいてほしいと思います。
今女子部は2X:江澤・神林、1X:鳴瀬という編成で練習をしています。
新二年生ダブルは東日本新人以来の組み合わせ、今回はシート順を逆にしました。
整調もバウも、どちらもなかなか大変なポジションですし、舟や相手の動きの感じ方も、それぞれで少し違うような気がします。両方のシートに乗ってみることで、新たな発見がたくさんあるのではないかと思います。
見ていると新人期からの二人の成長がよく分かり、頼もしい限りでした。
また、先週まで上級生の鳴瀬とダブルに乗っていた江澤は、前レンジという点で大きな改善が見られました。
これからも確実な成長を積み重ねていってほしいと思います。
岡