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2日目

今日は、講習会2日目。朝の8時に始まり19時30分にまで及ぶ時間の中で、「AED・人工呼吸」 「女性アスリートの生理学」 「ボート競技の栄養学」 「安全対策(法律)」 「アンチドーピング」 「ボート競技の医学」 と非常にたくさんの講義を受けました。

ボート競技の栄養学

中でも、一番興味深かったのは、栄養に関する講義で、講師は国立スポーツ科学センターの方でした。食事のことをしゃべるにあたって最も大切な事は自己管理をすることというところから始まりました。

アスリートの成長段階における食事に対する達成度ということに関しては、まず小学生のうちに「食事の意味」を知り、中学生で「実践方法の基礎」を知る。その後高校大学では「目的や自分の状態に合わせた実践方法」を知り、最終的に「どんな状況でも自分の状況に最適な食事を自然に選択する」ようになるということを目安に、小学校や中学校できちんと基礎を作ることの重要性を説いていた。

また、食事はあくまでも「適切なトレーニングをきちんと行うためのコンディショニングに不可欠なもの」ともおっしゃっていた。ギリギリの強度の中で壊れずに練習し続けていくために、食事は非常に大きな役割をもっているのだ。

そして、アスリートとして成長していくために、自分は何をどれくらい食べれば良いのか、自分の食事に今何が過剰で逆に何が足りないのかという感覚を身につけることがとても重要であり、そのために、例えば自分の毎日の体重の推移からその背景にある食事の影響を感じていくことも1つの有効な方法である。

その他、練習前には約2時間前に炭水化物を摂取するのがよく、練習後には吸収の早い形でたんぱく質や炭水化物を摂取するのがよいという話。

炭水化物の摂取には脂質の量という点でご飯はなかなか優れているという話。

サプリメントは手軽な点で優れているが、外国のものには日本で無許可の成分が含まれていたり、鉄などのように逆に取りすぎてしまう危険があるものもあったりと、安易で誤った栄養摂取につながるという危険を持っているという話。

小まめに水分を補給することが重要で、練習後にオレンジジュースなどをがぶ飲みしてしまうと、血中糖度が上昇するだけでなく、胃液が薄まって食欲減退につながるという話。

食べ物の消化と吸収はリラックスしていることと密接に関係があり、必ずしも練習のすぐ後に食べることが良いわけではないという話もあった。

ウエイトコントロール

後半はウエイトコントロールに関する話だったが、もっとも大切な事として、増量するにも減量するにも、食事を疎かにしないということ、食事をきちんと摂ることが大切だということをかなり強調していた。減量する場合には特に。どうやらそこを勘違いし、減量の際に食事を取ることを悪と考えてしまう人が多いようだが、断固違うとおっしゃっていた。

体脂肪を1kg落とすのに必要なエネルギーは7000kcalだが、除脂肪体重を1kg落とすのには800kcalで済んでしまう。そのため短期での減量には除脂肪体重を減らす必要があることがある。とはいえ、筋肉は水分をたくさん含んでいるので、それがまず落ちることになるのだが。
そして、長期的な計画のもと脂肪を落とすことで身体を作っていくためには、日々の消費カロリーと摂取カロリーを計算し、理論を正確に実践していくことがとても重要なことだとか。そして一見きちんと実践しているつもりでも上手く成果の現れない人の場合は、どこかに必ず理論を破綻させている原因がある(実はちゃんと食べれてない日があるなど)というのが、結論だった。

また、体重の増減に関して大事なことは、そのものの重さではなく、エネルギー量にきちんと着目することであり、体重を減らしていくためには、きちんとした食事をとることで、3つの「あ」(あぶら、あまいもの、アルコール)を無理なく無くしていくことが大事だという話もした。ちなみにアルコールは1gで7kcal。

鉄欠乏性貧血

また、貧血に関する話も今日1日のなかで、色んな講師の方々の口から何度も聞いてかなり印象に残った。血液中で約98%の酸素を運搬するのがヘモグロビンの役割なのだが、そのヘモグロビンを合成するためには鉄分が不可欠となる。そのため、鉄分の不足はヘモグロビンの減少を意味し、酸素の摂取量の減退、ひいては運動能力の低下につながるというメカニズムだ。(以前のジアンニコーチはしきりに鉄分の摂取を気にかけていたとか。)

他にも、意識不明の人に出くわした時の対応の仕方や、女性アスリートの体のデリケートな部分、指導者としてのリスク管理やドーピングとTUEの話、そしてオーバートレーニング症候群の話など、いろいろありますが、とりあえずはこの辺で。

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