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共通科目4日目

今日は、共通科目4日目。この講習会も折り返しを迎えた。そして4日目の講習は「スポーツ指導者に必要な医学的知識」。3コマにテーマを分けての講義だった。

個人的には、2コマ目の「アスリートの外傷・障害と対策」の講義が印象的だった。講師はスポーツドクターの岩本英明先生、この先生はどこかのラグビーチームの専属ドクターをしているという話だった。

この講義は、最初の切り出しから興味をひかれた。

医者なら、患者に休めなんてことは誰でも言えるんですよ。でもそれじゃ駄目。「ここがこうなってるから、ここを気を付けたらこういうことが出来る」そういうことを患者に言うのがスポーツドクターなんですよ。

アスリートにとって、余分な休養は身体の筋肉を委縮させるだけ。しかもそうなってしまうと戻すのにも時間がかかる。スポーツ障害の原因は「Over use syndrome(使い過ぎ症候群)」だけれども、そこを安易にOver trainingに結び付けてはいけない。そこを履き違えてしまうと危険だ。

基本的に、スポーツ障害の原因は、選手個人のアライメント異常かトレーニングに耐えうる筋力の不足によるものだ。めったなことでオーバートレーニングということが原因にはならない。そして本当にオーバートレーニングが原因でないのならば、安易に「安静」なんて鵜呑みにしてはいけない。他の部分は元気なんだから。

岩本先生は手術の翌日から他の部分のトレーニングはガンガンやらせるなんて半ば笑いながら言っていた。多少血が滲もうが、きちんと消毒すれば大丈夫らしい。なんというか、ふとシャカリキという漫画を思い出した。

アスリートとして結果を求められる以上は、基本的にトレーニングを行わないとなんにもならないのだ。

痛みは結果

またこんなことも言っていた。もし仮にどこぞが痛いと患者が言って、そこをどんなに治療したとしても、その人の体は良くならない。なぜなら「痛みの原因が別の身体の部位にある」からだ、と。それに、炎症を起こしている部分を不要に治療した結果、さらに炎症が悪化する事態も考えられる。

こういうことは、うちのチームの選手を治療して下さる鍼灸師の宮崎さんにもよく言われる。例えば、実際は、腰が痛かったとしても、ホントの原因は肩の硬さにあったりなんてことはほんとによくある。
そして、そういう怪我の象徴的なものが疲労骨折だとも岩本先生はおっしゃっていた。実際に骨が折れるから骨折なのだが、その骨がくっついたからといって、怪我の完治にはならない。骨の折れる原因になった別の部位の問題をきちんと取り除かない限り、ずっと疲労骨折が治ることはないだろう。

なかなか自分自身でも完全に根付いてなかった感覚だなぁと思い、もう少し、そのらへんを意識して身体と向き合えたらと思った。

関節

ボートにおいて肩は非常に重要な部分である。しかし、実際は肩は3つの解剖学的関節と2つの機能学的関節の合計5つが合わさって動いているものなのである。そしてその複雑さゆえに、肩の関節にかんする研究の歴史は、股関節などに比べてもずっと新しいのだ。

そして基本的に、肩の関節群(肩甲帯)は鎖骨を介して、身体の軸からぶら下がっているだけという構造になっているのだ。筋肉によって支えられてはいるが、骨盤にしっかりとくっついているような股関節に比べても、実に心もとない構造になっているのだ。

筋肉には、基本的にアウターとインナーがあるとはよく言っているが、改めてインナーマッスルの役割について確認してみようと思う。関節とは本来安定している状態で動かさなければパフォーマンスを発揮することができないが、関節をしっかりと安定させるのにインナーマッスルが必要になってくるのだ。

実際に、私がそうなのだが、肩を回したりする際にコリコリする人は、インナーが弱い。インナーが弱く、アウターとのバランスが取れていないのでコリコリするごとに確実に骨が削られているのである。今はまだ痛くなくても、年を経るごとに確実に悪化してくるとか、そういう人は気をつけた方がよさそうです。

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