令和4年度主務挨拶

 令和4年度東京大学運動会漕艇部主務を務めます、理学部3年の岩垣貴祐と申します。1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 主将挨拶にもあった通り、今年度の男子部の目標として、東商戦優勝・インカレエイト優勝という極めて高い目標を掲げます。最も難しく期待の大きい種目であるエイトで、とにかく勝ちにこだわりたいという思いのもと、この目標を設定しました。幸いにも、昨年度のインカレM8+での17年ぶりの国公立大最先着という結果が、この挑戦に対し非常に大きな勇気を与えてくれました。部員全員が不断の努力を積み重ね、この結果を来年の東商戦、インカレへと確実につないでいかなければなりません。

 そして女子部については、インカレ4+入賞を掲げて活動していきます。詳細は女子部主将が述べてくれるかと思いますが、今年の最高代はスイープ種目かつクルーボートという、近年できなかった新しい挑戦をしていくこととなります。また新歓においても、今後の女子部の活動を左右する重要な年になることは間違いありません。

 以上が、令和4年度対校に課せられたテーマになるというのが私の所感です。これらの目標を達成するために、組織の運営リーダーである主務としての抱負をこの場を借りて述べさせていただきます。

 まずは、部の全ての取り組みを最大化することを大前提に行動していきたいと思います。

 この3年間の大きな学びとして、漕艇部には本当に多種多様な価値観を持っている部員が集まっていると実感しました。部で活動する目的一つとっても、日本一に本気に憧れていたり、自分を成長させたかったり、居心地の良くて刺激的な環境で頑張るのが好きだったり、とても一つの言葉では語り尽くせません。

 しかし部員の一人一人がこの組織に共感し、何らかの価値を提供したいと思って活動しているはずです。私はそれらの思いひとつひとつを尊重し、全員の持つ価値を引き出し、それらを目標達成や部の発展へと集約させられるよう、常に行動していきたいです。また現役部員にとどまらず、コーチやOBOG、保護者の方々など支援してくださる皆様のサポートも最大限引き出せていければと思います。

 加えて、今年で「勝つチームの文化」を確立したいと思います。この文化というのは、勝つための思考や行動を当たり前のように行える文化を指しています。

 この点に関しては、ここ数年でかなり改善されていると実感しています。

 例えば東大マネについて、かなりネガティブな話になりますが、自分が1年生のときには選手にどこか負い目を感じる、リスペクトされていないのではないか、他人のために身を滅ぼして激務をこなす程献身的にはなれない、といった「文化」がありました。

 しかし、今は誰一人としてそういうことを言う東大マネはいません。皆朝飯やビデオを(小言は言っても)当たり前のようにこなし、オフの間に練習する人がいても可能な限り対応します。大会運営や新歓、広報など他の仕事に関しても、自分なりの考えややりがいを持って主体的に取り組み、助け合いの精神が根付いています。これは誰かがそうしろと言ったからそうなったからでも、弱さや痛みが押し殺されているからでも決してなく、一人一人の根底にある意識が相互作用し「文化」のレベルが底上げされたからだと言えると思います。

 日本一を目指すために、きつい練習や仕事に意義を見出し、責任感を持って身を粉にして取り組むことが必要なのは言うまでもありません。ルールを守る、整理整頓、挨拶、思いやりといった規律を重んじること、常に目標を自分のものとして捉え、自らやチームの成長を大事にしつつも謙虚に見つめアップデートを重ねていくこと、正解のない問題に対して対話により相互理解を深めて道を探っていくことが必要なのも、多くの先輩方が何度も仰っていることであり、もはや言われずとも頭では理解しているはずです。これらをはじめとした勝つための思考・行動を、誰かに注意されてやらされるのではなく、当たり前のようにできている状態を実現したいです。レベルの高い取り組みを無意識に行える文化をつくることこそが、結果に繋がるのではないかと考えます。

 そのためには、自分がやるんだという主体性を皆が持つこと、部員同士で信頼し合うこと、良質なコミュニケーションをとっていくことなどが必要かと思います。私自身まだまだ未熟な部分がありますが、一人のリーダーとして、また一部員として、それらを率先して行っていきたいです。

 そして何より、思い描く未来を手に入れるために日々の取り組みがあるのだという姿勢を忘れずにいたいです。

 私自身、どうしてもこの令和4年度対校で、この仲間で叶えたい未来があります。

 それは東商戦で14年越しに勝利を掴み取り、インカレで強豪私大を打ち破る未来であり、

 女子部がインカレ最終日で活躍している未来であり、

 それらを見届け、心の底から頑張ってきてよかったとマネージャー全員が喜んでいる未来であり、

 そして大勢のサポーターや新入生を巻き込み、男子部、女子部、マネージャーともに漕艇部がさらに多様で大きな組織へと発展する未来です。

 これらを絶対に叶えるという強い意志を持って、その未来へと全ての取り組みを収束させるべく、ただまっすぐに、今できることを明るく楽しんでやり続けていきたいです。

 長くなりましたが、以上をもって私からの抱負を締めくくりたいと思います。このような素晴らしい挑戦を可能にする環境を提供してくださる全ての関係者に心より感謝申し上げると共に、皆様の期待に応えられるよう、この一年間全力で駆け抜けます。

 引き続きご支援ご声援のほどよろしくお願い申し上げます。

令和4年度東京大学運動会漕艇部 主務 岩垣貴祐

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