今回ご紹介するのは、2009年まで漕艇部マネージャーとして活躍され、現在はIT企業でデジタルトランスフォーメーションサービスに携っている溝口由佳先輩です!
(これは2021年3月に書かれた記事です。)
自己紹介
2005年日本女子大学理学部物質生物科学科入学の溝口由佳(みぞぐち ゆか)と申します。ご入学おめでとうございます。私は、入学から2009年までの4年間をマネージャーとして活動しました。引退して大学院で修士を取得。その後はTIS株式会社でデジタルトランスフォーメーションサービスに携わり、現在社会人10年目、一児の母です。
東大漕艇部に入部された経緯や入部動機についてお聞かせください。
最初に知ったのは新歓リーフレットでした。ボートという競技を知らなかったので、興味があって新歓イベントに参加しました。実際に参加してみると、日の光が当たってキラキラと輝く水面とその上をスーッと進むボートの美しい情景にすっかり魅了されてしまいました。しかし、体育会系の部活でやっていける体力に自信がなかったので、少し迷っていました。そんな私に当時の主務が「大丈夫。みんなで支えるから!」という力強い言葉をかけてくださり「伝説を始めよう」というキャッチフレーズにも惹かれて入部を決めました。
東大漕艇部での4年間を振り返って、最も印象に残ったこと・感動されたことは何ですか?
同期が最高学年のときのインカレで順位決定戦(5位~8位決定戦)でトップでゴールした瞬間です。ボートは、最大8人の漕ぎ手乗りますが、一人でも動きが違うと一気に水の抵抗を受けて失速します。本当に繊細な息遣いや角度の調整と仲間への信頼がボートを進ませるのです。最後のインカレの時、私たちの艇が、一丸となったクルーによって風に乗って進んでいるように見え、いままでの努力が一気に昇華された気がして自然と涙が出ました。こんな風に、何かに本気で夢中になってやり遂げたという経験は人生でなかなかできないと思っています。
4. 溝口さんにとって、東大漕艇部でマネージャーとしてチームを支えることのやりがいや魅力を教えてください。
実は、ボートはスポーツ競技の中で最も一日の必要カロリーが多い競技です。一日4000kcalというカロリーが必要で、これは相撲やレスリングと同様の必要カロリーです。私たち女子マネージャーは、主に選手の体づくりを栄養面で支えることが任務でした。しかし、料理など家庭科実習でやった程度。まずは、包丁の持ち方からでした。栄養学を一から学び、休日や大学でのお昼ご飯の献立についてアドバイス、毎月栄養についてのポスター作りもしていました。その他にも、ビデオ撮影やタイム取りなどの練習サポートも行います。新人勧誘では、チラシ作成から事務手続きまで、仕事は多岐にわたります。マネージャーの仕事は、影の仕事です。でも、選手よりもより広い視野で部全体を考え、貢献できるのが魅力です。自分の仕事一つ一つが積み重なって、チームとしてのパフォーマンスの結果が出た瞬間は最高の喜びでした。
ボート部での経験や、マネージャーとしてチームを支えられたご経験が、社会人になってどのように活かされていますか?
仕事は、一人でやるのではありません。一人で小さな成果を出すのではなく、チームで大きな成果を出す必要があります。私の部署で今キーワードとして挙げているのが「圧倒的当事者意識」です。目標に向かって自分はどんな貢献ができるか、自ら行動し発言し人を巻き込んでいく、最後までやり切ろうとする想いを持つ、そういった経験を部活でもしてきました。TIS株式会社のブランドメッセージは「ITで、社会の願い叶えよう」。現在は、デジタル技術を駆使し、社会課題を解決することで彩ある未来を作ることを目標に日々奮闘しています。
最後に、新入生へのメッセージをお願いします。
受験勉強は、いわば個人競技だったと思います。しかし、ボートはチームスポーツです。性別、年齢、学歴、もしかすると国籍も違う人たちとチームとして目標達成を目指すことになります。しかし、まさにこれは日本の企業でも課題になっているダイバーシティです。お互いに理解し合うのは大変ですが、多様な意見があるからチームが強くなれます。これを学生のうちに経験しておいてほしいです。そして、そうやって過ごしたからこそ、卒業した今も信頼できる仲間として連絡を取り合えることを幸せに思います。私は、ボート部で成長させてもらいました。この経験は、一生の宝です。是非入部して体感してもらいたいと思います。