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意志のゆくすえ 女子部(11)

 

昨年の末に、長らく「週刊少年ジャンプ」の看板作品の一つだった「NARUTO」が完結し、今月上旬には最終巻が発売されました。

ファンとして展開を追ってきた私には感慨もひとしおです。

 

人気を誇っただけあって、NARUTOは非常にメッセージ性に富んだ作品ですが、

私が個人的に感じていたのは、物語の重要な局面では、必ず「世代から世代へそれぞれの思いが受け継がれていく」というテーマが顔を覗かせていたことです。

 

親から子、兄から弟、師から弟子……NARUTOには縦のつながりがたくさん描かれます。

そうしたつながりの中で受け継がれていく「里を守ろうとする強い意志」は作中で「火の意志」と呼ばれ、キーワードとして重要なセリフに使われていたりします。

 

前の世代の人達の意志と、自分自身の意志とを合わせる形で、ナルト達若い世代は成長していきます。

客観的事実だけを見れば、前の世代を生きていた人達は、成功もしていますし失敗もしています。しかし、受け継がれていく火の意志は、成功も失敗も関係なく、受け継いだ側の背中をいつでも強く押すはたらきをしています。

 

自分が見てきた数年間のことしか分かりませんが、東大ボート部は、横(同期)のつながりは毎年そこそこ強いと思います。しかし、縦のつながりが強いかどうかは、その年度によって大分差があるような気がします。そして結果を残している年度は、その縦のつながりが強い傾向にあるように思います。

 

縦のつながりが強いということは、仲が良いということではなく、部で活動する上でそれぞれが胸に抱いている意志のようなものが互いに伝わっているということです。

 

伝える側は、伝わるような振る舞いを、受け取る側は、受け取れるようなアンテナを準備しておくことを、常に心がけなければなりません。

何の意志も持たずに活動している人は論外ですが、

たとえ強い意志を持っていたとしても、ただ黙っているだけでは周りにはなかなか伝わりませんし、ただぼんやりと先輩の言葉を聞いているだけでは、そこに含まれている思いを読みとることはなかなかできないものだと思います。

 

NARUTOの登場人物の一人である奈良シカマルはこんなふうに言っていました。

「託される側から託す側にならねーとよ

めんどくせーけどそうも言ってらんねェだろ

オレたちだっていつまでもガキのままじゃいられねェ」

 

 大人、師、先輩になるという覚悟を感じさせられる、良いセリフだと思います。

 


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