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内からの記述と外からの記述 女子部(10)

ここ最近風の強い日が増えてきていることに、春が間近に迫っていることを感じさせられています。

昨日と今日で、選手達は新歓パンフレットに使う個人写真を撮っていました。

シーズンまでもう少しです。

女子は、対校やジュニアよりも一足先に、東商戦に向けて本格的に動き出しました。

練習では勿論うまくいくこともいかないこともありますが、いつでも次のモーションでの成長を楽しみにできる、温度の高いクルーです。

これからが楽しみでなりません。

さて乗艇でも陸トレでも、何かフィードバックをするときに、我々は必ず言葉を使います。

言葉の使い方にはもちろん色々ありますが、

たとえばマウンドから飛んでくるボールを描写するとき、

「時速150kmの速さで、ほぼ直線の軌道を描いて飛んできた」

というのと、

「弓から放たれた矢のように風を切って、バッターの手元でもうひと伸びするようだった」

というのとでは、大分印象が違います。

前者はボールの運動を「外から」ベクトル的に記述していますが、後者はボールと一体化したように「内から」の記述を行っていると言えます。

ベクトル的な記述は、正確ではあるかもしれませんが、生身の運動を空間座標に固定して、やや無理矢理に表現してしまっているようなところがあります。

打者がボールを捉えるときに必要なのは、そういったベクトル的な把握ではなく、ボールと自身の呼吸を一つにして、その運動を直観的に把握することだとよく言われます。

ボートで言うなら、

前の人の動きを目で見てシートの滑り出しを合わそうとしたり、

「ブレードをはやく入れよう」とフィードバックするのが「外からの記述」的、

舟全体の体重移動を感じてそれに身を任せるように滑り出したり、

「前でハンドルを放り投げよう」とフィードバックするのが「内からの記述」的、

と言えるでしょうか。

「内からの記述」的な意識の方が、よりリアルな感覚をクルー内で共有できて良いような気がしますが、

「外からの記述」的な意識の方が、より客観的で、クルー内の動きのずれを適確に表現できるようにも思います。

先週に続いて何だか小難しい話題になってしまいましたが、

普段から、自分や他の選手が、ローイングを描写する時にどういう言葉を使っているのかをよく考えておくことが必要なように思います。

練習中は使う言葉をあれこれ選んでいる余裕はありませんが、

練習以外の時間では、話すときも聞くときも言葉に神経を使うようにしていれば、

とっさの場面でも、よりそのときに適した表現ができるような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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