こんにちは、4年の笹野です。
以前戸田ボートコースの水草除去についてブログ(http://blog.livedoor.jp/ut_rc/archives/53355418.html)を書かせていただきました。今朝の朝日新聞の記事(https://www.asahi.com/articles/ASN6C5V2QN69UTQP00Z.html)から新しいことがわかったのでブログ当番でもないし完全な自己満足なのですが、考察の続きについて書いていきたいと思います。
現在エビモという植物がボートコースで観測されていると記事に書かれていたのですが、エビモが繁殖する水環境は透明度が高く、溶存酸素が多く比較的良い水質である傾向だと述べられています。1)
そのため現在のボートコースの水質的には良い条件にあると考えられます。
以前は富栄養化による水草の繁殖のついて指摘したのですが、それはイケチョウガイによる水質改善事業以前の出来事であると考えられます。
エビモの具体的な対策についてですが、前回のブログで述べたとおりただエビモを減らせばいいというわけではなく、富栄養化を促進しない方法でエビモを減らす必要があります。
エビモを減らすことだけを考えると酸素供給が行われなくなり、水質改善事業前のような汚くて臭いボートコースになってしまいます。草魚やザリガニ等の外来種は水草を大量に摂取するため瞬間的には問題は解決するのですが、生態系への著しい影響や糞等による水質悪化の問題が非常に大きいと考えられています。
調査の結果2)、鳥取県の東郷池というところの水草を対象としてヌマエビ(2-3cm)にエビモを摂食させる実験が行われていることがわかりました。
ヌマエビの摂食量は草食の魚類より多い上に、ヌマエビによる窒素や有機物といった水質悪化の原因となる物質の排出も水草より少ないという実験結果がありました。
しかも、ヌマエビの活動が活発な時期とエビモの繁殖時期が重なっているためレース時期の対策としても適しています。
ということで「ヌマエビをボートコースに生息させる」ことが水草問題の長期的解決の一案になるのではないかと考えました。もちろん生態系への影響等の考慮は必要となってくるのでまだ検討事項は多いと思います。
水草問題が解決してレースができることを願っています。
読んでいただきありがとうございました。
笹野
参考文献
1)農村地域における水生植物の生育地の水質
小林浩幸,山本 眞,國弘 実,雑草研究,Vol51,pp133-138,2006
https://www.jstage.jst.go.jp/article/weed/51/3/51_3_133/_pdf
2)ヌマエビを用いることによる流れ藻の削減効果
増田 貴則,大竹 智子,土木学会論文集G(環境)
Vol71,No7,pp137-143,2015
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejer/71/7/71_III_137/_pdf/-char/ja