こんにちはレンジと睡眠時間は長く取るのがモットーの新3年漕手、並松です。2ヶ月ほど前に同期と仙台に旅行に行き、伊坂幸太郎さん著のゴールデンスランバーが映画化された際のロケ地を巡ってきました!
伊坂幸太郎さんは好きな作家さんですが、魅力は何と言っても機転の効いた登場人物の会話でしょうか。溢れ出るワードセンスが羨ましい限り。
例えば僕の一番好きな『重力ピエロ』という作品に、
「テレビは脳味噌を腐らせるんですよ。お婆ちゃんが言ってました」
「だと思った」
「社長は放火されたことを喜んでるみたいです。今朝の全体会議に出席した課長が言っていました。テレビにビルが映ったし、宣伝になったって」
「テレビを見るのは、脳味噌の腐った奴らだけなのに」
というのがあります。こういうやり取りを見ると普段の会話で使えたらな~なんて考えてしまいます。こんなことばっかり言ってたら嫌われそうですが。
一方で物語全体につながる人生の教訓のようなものを何気ないシーンでポツリと言い放ってくるのもグッときますね。先ほどの『ゴールデンスランバー』のワンシーンで、
「人間の最大の武器は何だか知ってるか」
「さあ」青柳雅春はハンバーガーに噛み付き、聞き返した。
「習慣と信頼だ」
というやり取りがあり、主人公の青柳雅春は首相暗殺の冤罪をかけられて国家に追われる中でこの習慣と信頼を武器に逃げ切りを果たします。最近、伊坂幸太郎さんの小説が道徳の教科書になってもいいのではないかな~と思っています。
ところでこの習慣、我々にとって馴染み深い言葉だと思います。寒くて日も出ていない中朝起きて練習をして学校から帰ってきてまた練習すると、なかなかすごい習慣の中で生活しているのではないでしょうか。知人に話すと驚かれますし。僕自身は去年の冬場とかはこの習慣の中で過ごすことに「ほかの大学生とは違うのだ」と一種の誇りを感じている側面もありました。でも最近思うことは「この習慣足りているのかな」ということです。実際去年この習慣に身を置いた僕でしたが、冬場で成長することができずに対校戦の緊張感や先輩とレースを共にするというプレッシャーに立ち向かいながらシーズンを過ごす同期を見ていることしかできないという悔しい日々を送ってきました。そこで夏頃から練習内外で取り組みの習慣を見直し始めました。最近少し手応えを感じつつあり、今年のインカレで良い答え合わせができればいいです。
話は少し変わりますがチームとして去年以上の成果を出すために、個々人が良い習慣を積み上げてチームとして当たり前の水準が上がっていくと良いなと考えています。習慣を作っていくためには日々の変化に気づくことが大事です。例えば漕手で言えば「ご飯の量増やしてみたら体組成どれだけ変わった」という定量的なものから「練習の時こんなこと考えたらうまくいった」という感覚的なものまで。ここでキーになるのが言語化だと思います、感覚的なものは特に忘れやすいので。ローイングの志にもrowingにおける国語力が大事と書かれていましたが。(http://rowingcox.blog.fc2.com/blog-entry-518.html?sp)ここでは会話やクルーノートが例に上がっていますが、個人的には日記をつけてみるのがオススメです。自分を客観的に振り返る機会ってあるようでないし、感情を文字に起こすと気分が沈んでも折り合いがつけやすいものです。(同期の中には自分の専攻する言語で日記を書く人もいるらしくなかなかイカしますね。)日記を書くのはなかなか億劫ですが、『星の王子さま』(サン=テグジュペリ著)に「きみがそのバラを大切におもうのは、きみがそのバラに長い時間をかけたからだよ」という台詞があるように、時間をかけた分だけ習慣は磨かれて愛着を持ったものになるのではないでしょうか。こういう「自分と向き合って磨いた習慣がいくつあるか」というのは体力や漕技と同様に、シーズン中レースに臨む際心の支えになってくれると僕は信じています!
一方で信頼についてはよくわかりませんが、各々が自分の取り組みや仕事に自信や誇りを持てるようになれば、お互いをリスペクトできてより信頼関係が生じてくると思います。あとは弱い部分とか恥ずかしい部分も詳らかにすること、細かいところからプラスのFBを送ることができるといいですね。ここら辺は僕自身の今年の抱負でもありますが。
とまあ自分語りの入ったうざったい文章になってしまい、読んでいただいた方は「レンジと睡眠時間だけじゃなくて文章も長いじゃないか!」と思われてると思います。あまりまとまって自分の考えを発信する機会がなかったこと、なにかと忙しくなりがちなこの時期だからこそ少し視点を変えて心に余裕を持てるようになれれば良いなと思ったことから書かせていただきました。
冬場で培った「習慣」と「信頼」を武器に、ゴールデンスランバーの主人公のように東商線で「逃げ切り」を決められるよう頑張っていきましょう!お読みいただきありがとうございました。