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ボート競技に惹かれて-小川雅人(2016年入学・漕手・主将)

今回ご紹介するのは、中高でボート競技に出会い、大学でも過去の自分を超えて成長したいとの想いから東大漕艇部に入部し、現役時代は主将としてチームをリードされた小川雅人先輩です!現在は、外資系証券会社で活躍されています。

自己紹介

現役時代は主将として活躍され、現在は外資系証券会社でグローバルを舞台に活躍される小川さん。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。2016年入学の小川雅人と申します

開成高校を卒業後、1年間の浪人を経て理科一類に入学し工学部に進みました。2019年9月まで漕艇部で漕手として活動した後、卒業後は外資系証券会社にて勤務しております。

東大漕艇部に入部された経緯や入部動機についてお聞かせください。

大学では何かしらのスポーツをしたいと考えており、元々中高時代にボート部に所属していたこともあり、漕艇部は選択肢の一つではありました。

様々なカレッジスポーツを見て回る中で、漕艇部の新歓イベントに参加したところ、部の雰囲気や設備が非常に魅力的であり、何よりボート競技の面白さというものを再認識させられました。

その後も他の部を回りはしたのですが、ボート部の妙なフィット感が忘れられず、中高時代には他の同期よりも一年早くボート部を退部していたこともあり、もう一度、今度は最後までボート競技に打ち込んでみたいという思いから、過去の自分を超え成長したいとボート部への入部を決意していました。 

同期・後輩と共に練習に励む小川さん。漕艇部の雰囲気や設備の魅力に加え、ボート競技の面白さを再認識し、入部を決意(一番右が小川さん)
小川さんにとって、高校ボート部と比較した、大学ボート部や東大漕艇部の魅力を教えてください。また、高校時代と比べてご自身が選手としてどのくらい成長したかについてお聞かせください。

大学ボートの魅力は一言で表すとするなら「重厚さ」でしょうか。

高校ボート部と比較すると、量と質のどちらの面でも上回っています。私自身の成長度合いとしては、高校時代あまり2000m測定はなかったのですが、エルゴでいうと高校時代の1000mでの全力のペースで2000mを難なく漕げるようになりました。

これらの違いはどこから来るかと言うと、大学ならではの自由度とそれに応えうる充実した設備です。

大学の運動部は高校と違い、様々な面で自由度が高いです。高校時代より体の強さも設備も優れており、様々な情報収集の手段があるわけですからメニューは選択の幅がはるかに広がっています。自分達が正しいと思う強くなる方法を何でも実践できるようになります。 

また、設備の規模は圧倒的です。(気になる方は部員に聞いてみてください)艇の数やトレーニングルーム、練習環境は大学ならでは、特に長い歴史がある東大漕艇部ならではだと思います。前述の理想の練習に応えてくれるだけのキャパシティがあります。

これらを駆使してチームとして如何にして強くなるのか、これこそ大学ボート部ならではの面白さだと思います。

大学4年のとき、集大成である全日本大学選手権(インカレ)を目前に、岩手県の田瀬湖で練習に励む対校エイトクルー。大自然に囲まれながら、暑さを気にする必要がない環境で充実した練習を行った(奥から4人目が小川さん)
ハードな練習の後には、仲間との楽しいひと時が待っている。田瀬湖畔の宿舎でBBQを楽しんでいるときの一コマ(右から2番目が小川さん)
東大漕艇部での選手としての4年間、最も印象に残ったことや感動されたことを、ぜひエピソードを交えてお聞かせください。

どの練習もレースも思い出深いのですが、あえて選ぶのであれば大学2年の時の京大戦です。

京大とは毎年2年生を代表とした対校戦を行っているのですが、私達の代は人数が少なかったため、鉄門(医学部)の同期に協力してもらうことで何とかクルーの数を保っていました。週一でしか完全なクルーでしか練習ができておらず焦りはありましたが、先輩達が協力してくださりなんとか平日も練習し、同期との密な連携で貴重な週一の練習をフルに活用することで、逆転勝利を収めることができました。鉄門同期にも先輩にもコーチにも同期にも未だに感謝しかありません。

この時、思い描いたレースを展開し、一本一本相手との距離を詰め、さらに逆転した際の緊張感と達成感と快感は何にも代えがたい貴重な経験です。また、自分自身としても今までの勝ちきれない自分から脱皮する最高のきっかけになったと思います。

この時の経験や考えたことが後々部を運営する上で大きな影響を与えてくれました。

大学2年時の京大戦(京都大学との2年生同士による対校戦)。小川さんは花形種目である対校エイトで出場し、見事に勝利をおさめた(左から2番目が小川さん)。「今までの勝ちきれない自分から脱皮する最高にきっかけになった」
主将をご経験されてご自身が成長された点や、努力した点、主将からみたチームの魅力についてお聞かせ願いたいです。

主将として1年間を駆け抜けて最も成長を感じたのは自己と周囲のバランス感です。

主将として皆が認める自己の芯を通しそれをブラさない。一方で、周囲の意見を積極的に聞き、良いと思ったものは吸い上げる。チームとして決断する際には、全員一致で同じ方向に進むときもあれば、最後には異なる意見の中で主将が決断をしなければならない時もある。この最後の決断にこそ、主将としての真価が問われていたような気がします。

そのような状況の中で、私達の代は「東大らしさ」というものの醸成を意識していました。

東大漕艇部は長い歴史の中でトレンドに合わせながら変化してきました。その中で、他大と戦っていく中でどこに東大の強みが現れるのか、というのが入部してからずっと頭の中にあったように思います。もちろん一朝一夕で東大の強みが完成する訳はありませんが、その始まりになればと、まずコーチにご尽力いただき部全体での漕ぎのイメージの統一を図り、日本代表のメニューや、新しい設備を積極的に取り入れるようにしました。それは自分達の代が強くなる上で必要であったと同時に将来の東大漕艇部に繋がっていけば、という思いが強かったです。この時導入したものがすべて活きているかというとおそらくそうではないのですが、たくさんの選択肢の中で後輩達の取捨選択の助けになっているのであれば幸いです。

東大漕艇部の一番の魅力は、全員が同じ方向を向きながら全力で取り組んでいるところにあると思います。主将として部を見た時に、それぞれの部員が自分なりの考えをもって取り組んでいることを痛感し、素直に感動しました。色々な部員が色々な意見や考えをもちながら、同じ目標に向かって同じ動作をして日本一を目指す。その矛盾の中にこそ東大漕艇部の面白さ、強さ、魅力が詰まっているのではないでしょうか。

戸田合宿所にて、4年間共に日本一を目指した同期との一コマ。かけがえのない仲間と共に過ごした時間は、何にも代えられない貴重な財産である(後列、左から2番目が小川さん)
ボート部でのご経験、主将としてチームをリードされたご経験が社会に出てどのように活きているかお聞かせください。

社会にでてわずか1年の人間が語るのは大変恐縮なのですが、社会に出て一番感じたのはタフさです。単純な話なのですが、限界が来た時にあと一歩粘る、もうひと踏ん張りする、といったタフネスは間違いなく漕艇部で限界を突き詰めた経験の賜物ですし、仕事に限らず非常に重要な能力だと思います。

また、自分の求められている役割というものがわかるというのもボート部での経験が活きています。部員たちと目標に向かって適材適所の役割分担をした経験は、チームの中での自分の強みとやるべきことを把握し、チーム全体に貢献する助けになっています。

卒業後、外資系証券会社で活躍される小川さん。漕艇部での経験を活かし、グローバルな舞台で、世界中の同僚と共に日々切磋琢磨している(前列一番右が小川さん)
最後に、新入生にメッセージをお願い致します!

皆さんの前には様々な可能性が広がっています。きっとどの選択肢にしても、だいたいは充実し後悔のない大学生活を送れるかと思います。一方で自分の限界に挑むことができる環境って意外と少ないはずです。漕艇部では自分の限界に挑むことができる環境、そしてそれを支えてくれる仲間が待っています。せっかくですから勉強と一緒にスポーツでも日本一の環境に飛び込むのはどうでしょうか?頭脳を強みにスポーツでも日本一をとるなんて、ほら、ワクワクしてきませんか?

重ねてになりますが、選択肢はいつでも皆さんの前にあります。自分が最善だと思う道に思いっきり飛び込んでみてください!皆さんが素敵な大学生活を送れることを心から祈っています。

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