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チームスポーツの魅力-岡部祐美(2011年入学・コックス)

今回ご紹介するのは、現役時代にコックスとして周りと対話を重ねながら信頼関係を築き上げられ、現在は鉄道会社でご活躍されている岡部祐美先輩です!

自己紹介

新入生の皆さん、こんにちは。吉岡(旧姓:岡部)祐美と申します。

出身高校は群馬県立高崎女子高校で、平成23年度に理科Ⅰ類に入学しました。

その後、工学部社会基盤学科に進学し、現在は鉄道会社で線路のメンテナンスに関する仕事をしています。

東大漕艇部に入部された経緯や入部動機についてお聞かせください

自分がこれまで運動部に所属したことがなかったので、漠然と運動部の人たちの一体感のようなものに憧れがあり、最後の学生生活では運動系の部活やサークルに入りたいと思っていました。声をかけていただいた中から面白そうだと感じたいくつかの団体の新歓イベントに参加する中で、先輩方や一緒にイベントに参加している新入生の雰囲気に最も惹かれたのがボート部でした。

これまで運動経験がなく、体力もなく泳ぎも苦手だったので、入部当初は不安でしたが、マネージャーなら自分もチームに貢献できるのではないかと思い、初めはマネージャー希望で入部しました。数か月経って、先輩方のレースを応援したり同期が一生懸命練習に励んでいる姿を見たりする中、「自分も選手としてチームに貢献したい」という思いが強くなり、コックスになることを決意しました。

4年間の部活の中で心震えたことはありましたか?

 仲間の喜びも自分の喜び

 もちろんレースで勝った時は心震えますが、思い返すと4年間のボート部生活は本当に日々濃密で、レース以外でもたくさん心震える場面があったと感じます。

 初めてクルーの動きがぴったりと合って艇がすっと浮き上がって走るのを感じた時、スランプに陥っていた選手がベストタイムを更新した時、格上の相手に並べ(一対一でのレース形式での練習)を申し込んで勝利した時、死ぬほどきつい練習をみんなでやり切った時、、、たとえ仲間のことでも、自分のことのように涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。

 また、コックスならではの心震えた瞬間としてお伝えしたいのは、トップコックスの艇(コックスが艇首に横になって潜るタイプ)に乗った時の感覚です。きらきらと光る水面ギリギリを、風を切りながら疾走していく感覚は何にも代えがたい爽快感で、やみつきになります。ぜひ人生に一度は経験してほしいです!

トップコックスは、艇の一番前で、寝そべるようにして乗る。
逆に、部活でこれは大変だった、苦労したというものはありますか?もしあればその苦節をどのように乗り越えられましたか?

クルーのメンバーを統括するコックスとして、日頃から練習メニューや漕手のコンディションを管理し、それを継続していくことが地味ながら一番大切かつ大変だと感じました。強くなるには、クルーとしてハードなトレーニングメニューを遂行しながら、最高のパフォーマンスを発揮できるよう肉体面・精神面・健康面などから漕手一人ひとりの状態を整えることも大事で、常に全体・個人の両方に目を配ることが求められました。

怪我やトラブル無く、定められた時間の中で、決められたメニューを完遂すること、特に乗艇練習の時は(自然の中のスポーツなので)様々なことに気を配り、先回りして危険を察知して対処すること、漕手の休息・食事・勉強時間を十分確保すること、、、できたからといって普段は誰からも褒められませんが、こういった積み重ねが皆の地力の向上や、信頼関係の構築に繋がっていると思います。

コックスは漕がないポジションなので、艇のスピードアップに直接貢献することはできません。ですが、こういった日々の積み重ねから「○○がいるとモチベーションが上がる」など漕手の信頼を勝ち得ることで、レース本番には自分のコールでクルーの士気を高め、大きく勝利に貢献することができます。

 初めから全部うまくいくわけはなく、何回も失敗して落ち込みましたが、そのたびに先輩や同期、他校のコックス仲間に相談したり、励まされたりしながら頑張りました。

学生時代は社会基盤学科で、また現在も土木関連のお仕事をなさっているとお聞きしました。土木を学ぼうと思われた経緯や土木の魅力、現在のお仕事内容、お仕事で心震える時があればお聞きしたいです。

何気ない日常を、支える

2011年の東日本大震災の影響は大きいと思います。

震災の日、私は東大の合格発表の掲示板を見るため東京にきていました。下宿先を探しているときに地震に遭い、その日は地元に帰れず帰宅難民となりました。地震によって首都東京が混乱に陥る姿を目の当たりにし、人々の暮らしの根底を支える「インフラ」の重要性を実感したのを覚えています。

震災後の復興の力強さに感銘を受けたのと、プロジェクト規模や社会影響度が大きいことチームワークで仕事を進めていくことに魅力を感じ、土木を学びたいと思いました。

鉄道会社に入社した後は、まず茨城県や福島県を走る路線のメンテナンスに従事し、現在は線路のメンテナンスに世の中の新技術を取り入れる仕事に携わっています。この線路のメンテナンスも、何事もなく列車が走るのが当たり前で、褒められることは少ないです。コックスと似ていますよね。でも、お客さまに安心してご利用いただくために大切なことなのです。

仕事をしていて最も印象的だったのは、東日本大震災の影響で不通となっていた路線が9年ぶりに全線運転再開した時です。多くの地元住民のみなさまが駆けつけ、「おかえり!」と喜んでくださった姿を見て、普段は褒められることが少ない仕事ですが、やっていてよかったと感じました。

お仕事をする中で漕艇部での経験が活きていると感じることはありますか?

土木に限らず多くの業界に共通することですが、基本的に仕事はチームで力を合わせて進めていきます。誰か一人だけが頑張っても成果が出るわけではなく、チームみんなが同じ目標を持って、気持ちを一つに取り組むことで大きな成果が生まれるのだと思います。

 この点ボート部生活においても、艇を動かすため、皆で厳しい練習に取り組み、日頃からコミュニケーションを取り合ってお互いに悩みをフォローしあい、信頼を築きながら大きな目標に挑戦した経験は貴重で、現在の仕事に活きていると感じます。

 またコックスとして、「他人をよく観察し、よく対話し、よく知る」ことに向き合ってきた4年間の経験も、社会に出て様々な人と仕事をする際に大きく役立っています。

最後に、今年の新入生や私たち漕艇部員がこれからの部活動や人生で大切にすべきこと、メッセージ、アドバイスなどをお願いいたします。

 ボート部の仲間とは、出会って10年以上経っても一緒にいるとホッとするし何でも話せる関係です。文字通りボート部は「一生付き合える仲間ができる場所」です。こんな貴重な場所は、めったにありません。さらに、私のように運動経験がなくても誰もが活躍できる場所が必ずあります。

初めは皆不安です。一歩踏み出して、ぜひ一度ボート部に遊びに来てみてください。

  コックスは漕がない選手であるからこそ、艇速にどういう影響を与えられるのか、と自問自答し続けるポジションでもある。言ってしまえば、コックスがいなくとも、艇は進むし、むしろ総重量が減り、艇はより速く進むだろう。

 それでも、漕手が気持ちよく漕げる環境を整えていたコックスとしての岡部先輩の役割は、まさに何気ない日常を支える現在のお仕事に繋がっているのではないだろうか。

岡部先輩、お忙しい中お話を聞かせてくださり、ありがとうございました!

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