喜び!悲しむ!本気の大学生活-小間井 俊輔(2001年入学・マネージャー・主務)

今回ご紹介するのは、主務として漕艇部のマネジメントを担い、現在は経営者としてご活躍されている小間井俊輔先輩です。

自己紹介

2020年1月にラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronic Show:世界最大級の技術見本市)での一コマ。写真中央右が小間井さん

この度は入学おめでとうございます。コロナ禍における困難の中の受験、大変お疲れさまでした

私は2001年入学の小間井俊輔と申します。皆さんのちょうど20年前に入学しました。石川県の金沢大学附属高校出身です。文科一類から法学部に進学いたしました。卒業後は外資系コンサル、政府系ファンドを経て、企業の再生や成長の現場で経営者として活動してきました。ただいまは医療ビッグデータを取り扱う株式会社JMDCの経営陣のひとりに加えていただいています。

東大漕艇部に入部された経緯や入部動機についてお聞かせください。

よく覚えていないのですが、なぜか入学前から良い印象を持っていました。そして、キャンパスで勧誘にあったときに先輩方の堂々としつつも謙虚である様子を見て、直観で立派なひとたちだと思って入部しました。

東大漕艇部での4年間を振り返って、最も印象に残ったことや感動されたことは何ですか?

対校学年時の東商戦です。連敗が続いていた東商戦の対校エイト(8人乗りの花形種目)が久しぶりに勝利したその瞬間、岸で応援していた自分にお世話になった先輩方が駆け寄って「本当によくやった!」と手を握り、万感の喜びを伝えてくださいました。思いがけず、感謝の思いを伝えていただいた先輩方に対する自分の感謝と先輩からの感謝とがぶつかり合い、一瞬クラッと来て涙がこぼれました。 

ただ、ボートは計画性のスポーツですから、試合の前に勝負がついている部分はあり、実際には最も感動したのは冬のタイムトライアルで結果が出て、次の春によい勝負ができそうだということが実感できたときだったようにも思います。暗く寒い冬の時代が終わるという希望に震えました。

 小間井さんが最高学年となった2004年、東大は東商戦後も快進撃を続け、全日本大学選手権(インカレ)では5位の好成績をおさめる
小間井さんにとって、主務・スタッフとしてチームを支えることのやり甲斐や魅力を教えてください。

当時、しばらく負けが続いていた中でも闘志を維持し、計画的な努力、定量的な評価を通して日々着実に向上していたチームメイトに敬意を持っていました。その成長や苦楽を毎日間近で支えていることに誇りを感じていました。また、先輩マネージャーより、主務、マネージャーの責任感というのを教わっていたので、舟に乗っていないけれど漕艇部を強くする役割を担っているという気持ちを持っていたように記憶しています。練習する以外のあらゆる勝利のための工夫があり、それを同僚のマネージャーと自発的に工夫して活動していました。組織を強くするという目的の中で自由度をもって業務を自分で計画できる、大変やりがいのある時間でした。

主務としてチームをリードされたご経験が、社会人になってどのように活かされていますか?

社会人になって社長や経営者を経験しましたが、振り返ると最初の経営者経験は部活経営をしていた漕艇部主務であり、私の原点だったと思います。まだ10年程度の浅い経営者経験で申しますが、自分の経営者としての本分は、競争への執着心を率先して示し、それを組織に埋め込むことにあります。一般に企業経営においても目標があり、ライバルがあり、競争があるもので、企業の経営陣はどこでも例外なく「戦略」という言葉を使いますが、自分が従事しているそれが戦いであるという意識を持っていて、勝つまでやりきるという競争への執着心がなければ、いくら優れた理論や工夫を並べても、戦略にはなりえないのじゃないかと考えています。あまり何かに熱中しなかったタイプの若者だった私が、そのような競争への執着心を初めて持ったのが漕艇部主務の経験でした。

この頃、ボートハウス(艇庫)は建て替えの時期を迎え、小間井さんたちマネージャーの尽力とOBOGの支援のもと建て替えが実現した
最後に、新入生へのメッセージをお願いします。

漕艇部で先輩から教えてもらったことは多いですが、今も繰り返し思い出す言葉として「勝った時には力いっぱい喜べ、負けたときには心から悔しがれ」という心構えがあります。心で思っているだけでなく感情表現しようという意味です。初めは心構えとして意識的に行い、やがてセンスとして本性に備わるようになります。勝ち負けにこだわり、喜んだり泣いたりするセンスがあるうちは、人間は何度でも立ち上がり次々と目標に立ち向かうことができると実感しています。このセンスを磨くには真剣に一定期間ひとつの物事に向き合って努力し、その成否を試す経験が重要です。 大学受験を終えてすでに満足されているとしたら、資質はあるのに機会を逃すこととなり大変惜しいことです。漕艇部活動を通して最も弱い状況から日本屈指の実力を備えるまでの熱く燃える毎日を送ってみてください。応援しています。