第4回として今回紹介するのは平成24年度対校の主将を務められ、現在はコンサルティング業界でご活躍されている佐藤 太紀先輩です!

自己紹介

2009年文科Ⅲ類入学の佐藤 太紀(さとう たいき)と申します。入学から2012年までの4年間を漕手として活動し、最高学年の1年間は主将を務めました。引退して卒業までの間は学生コーチとして活動し、当時東大のヘッドコーチとして来日していたAntony Patterson氏の補佐を担当。卒業後はコンサルティング業界で働き、現在社会人8年目になります。

よろしくお願いします。佐藤先輩はなぜボート部に入ろうと思われたのですか?

高校まで取り組んでいた空手は大学卒業後も関わり続けられるスポーツだと思っていたので、敢えて大学では大学でしかできないスポーツ、それもチームスポーツを思いっきりやりたいと思っていました。当然、アメフトやラクロスといったカレッジスポーツが選択肢に入ってきましたが、その中でボートを選んだのは「ここが自分にとって人生最大の挑戦になるだろう」という直感があったからです。どこで感じたかというと、自分を勧誘した先輩たちが「日本一」への挑戦を語るときの、何かが憑依したような真剣な目つきです。自分は相手の目から、その人がどれくらい自分の言葉を信じているか、どれだけの選択・覚悟をして今の活動をしているかを感じ取ることが多いのですが、そういった点でボート部の人たちとの出会いは自分にとって最も強烈でした。

ボート部の新歓はどこよりも熱いですよね。佐藤さんにとってボート競技の魅力は何でしたか?

人によって魅力を感じるポイントは様々だと思いますが、自分が感じる最大の魅力は「チームスポーツとしての深淵さ」ですね。自分が好きなボートの言葉に「一艇在りて一人無し」という哲学があるのですが、ボートは少数のスターがいれば勝てるスポーツではなく、クルー全員が心身両面で一つになって初めて勝てるスポーツなんです。

ボート競技は一見すると「水に浮いたボートの上に人が乗って、力いっぱい漕いでいる」ように見えますが、ボートの軽さ(数十キロ)と人の重量(数百キロ)を考えると、実際は「人がボートを使って水の上に浮かんでいる」といえるくらい、曲芸的に繊細なことをしています。仲間どうし信頼できず、体を委ね合っていないクルーはバランスを崩し、水の抵抗を受けて減速します。チームとして完成されたクルーは、お互いの息遣い、水を押す力強さ、勝負への恐れや不安が手に取るように伝わり合い、まるで一つの生き物が水の上を滑るかのように進んでいきます。他のスポーツでは味わえないであろう「奇跡のような瞬間」を仲間と共有できることが、自分がボートにのめりこんだ最大の理由です。

後列、黒のローイングスーツが佐藤太紀さん
大学卒業後はコンサルティング業界でご活躍されていますが、なぜこの業界を選ばれたのですか?

一言でいうと、「世界が抱える最も重要な問題に、世界中から集まった仲間と共に挑戦するような働き方がしたい」と思ったからです。そのような想いに至った背景はいくつもありますが、その中の一つにボート部で経験した海外選手との交流があります。自分の時代には香港「に遠征して他大学との練習試合や合同練習をする機会がありましたが、国や言葉の違いを超えて同じ船を進める」経験は、何とも言えず印象深いものがありました。現在勤めているマッキンゼーという会社はそのような働き方が文字通り実現する環境なので、大学時代の自分に誇れる選択をしたと思っています。さらに現在世界が抱える様々な誰も答えを持っていない最先端のテーマに対して、「情報の蓄積・研究」と「現場での実践・応用」の両輪を通じて取り組んでいけるのは、コンサルティング業界ならではの醍醐味だと思っています。

4年間のボート部での活動を経て得られたもの、現在に活かされているものは何ですか? 

無数にありますが、中でも「人に向き合う深さ」が養われたのは大きな財産だと思っています。クルーの仲間どうし信頼し合えているか?自分は相手の言葉を無条件に受け入れ、無条件に自分をさらけ出せるほど仲間を信頼できているか?答えがNoなら、その原因は何なのか?ボート部の4年間を通じて、そういった問いに山ほど向き合い、考え続けてきました。狭い艇の上でお互いに向き合い、真のチームになっていく中で培われた「人」に対する感覚は、コンサルタントとして企業の変革に向き合っていく中でも活かされているように思います。

新入生に一言お願いします!

大学はそれまでの人生と比較にならないくらい、格段に「自由」が広がる環境です。しかし、その自由を何かに「賭ける」ことなしに、いろんな束縛から「逃げる」だけの自由として使ってほしくないとも思います。コロナ環境下で万事が先行き不透明ですが、4年後にどのような人間になっていたいか、大学で何を得たいかを真摯に考えながら、最高の大学生活を選び取っていってください!


佐藤先輩ありがとうございました!

インタビューの中では元主将ならではのアドバイスもいただきました。ありがとうございました。今後とも東大漕艇部をよろしくお願いいたします。