李:体力面に関してはそこまで違いを感じた事は無いです。ボートって、瞬間のセンスと言うよりは鍛錬を積んでいくもので、臨機応変さって言う感じではないので。そういう運動神経は問われなかったのでそういう面で自分がハンデを負っているなとは思わなかった。ただ精神面に関しては結構影響を受けていて、良い意味での体育会的な考え方ー妥当なところで折り合いをつけるんじゃなくて、陳腐な言い方になってしまうけど、高い目標に向かって妥協しない、妥協したくないって言う気持ちだったりとか、めっちゃ苦しくてもやってやるぜって言う気持ちの奮い立たせて方ーとかはすごく影響受けていて、学ばされた感じです。
阪本:多少は覚悟していたけど、自分は上達が遅い方だったから、同じ艇のメンバーの足を引っ張ってしまってるんじゃないかと引け目を感じていた時期はあったね。ただ周りを見てると、上達の良しあしは運動経験とはあまり関係なかったように思うし、タイミングの差はあれみんな確実に上手くなっていくのがよく実感できたから、そういうところから勇気をもらえた。初めから完璧に漕げる人はいないし、クルーで励ましあいながら練習する雰囲気にはすごく救われた。それから自分にとって良かったのは、練習を重ねていくにつれてライバルができたこと。高校まではあまり人と競うことはなかったけれど、自分と近い記録の人と全力で勝負して、練習のたびに一喜一憂したり、時にはギスギスした雰囲気になったり、本気で取り組んでいるからこその緊張感みたいなものは、新鮮で楽しかったし、貴重な経験だったと思う。