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本気、じゃなきゃ見えない景色-野村周平(2017年入学・漕手・主将)

今回ご紹介するのは、高校時代からボート部に所属されており、東大漕艇部では主将を務められた野村周平さんです!高校ボート部では得られなかった“濃い時間”を東大漕艇部で過ごし、熱い仲間と共に全日本大学選手権(インカレ)において舵手付きフォアで全国7位という結果を残されました。

自己紹介

野村周平と申します。2016年に静岡県立浜松北高校を卒業し、駿台浜松校で1年間浪人したのち、無事東大に入学しました。令和2年度主将を務めていました。所属は工学部の社会基盤学科で、同専攻の大学院に進学予定です。地球規模の水循環モデルの改良研究を行っています。

東大漕艇部に入部された経緯や入部動機についてお聞かせください。

実は私は高校でもボート部に所属していたのですが、浪人で体力が落ちていたこともあり、大学でも続けるつもりは特にありませんでした。大学の四年間は自由に活動できる最後の時間だと思っていたので、せっかくなら何か一つのことに全力で打ち込みたいと思っていました。そんな折にボート部の先輩に勧誘を受けました。体験練習や艇庫見学をするうちに、先輩方のボートに対する熱の入れ具合やボート部の充実した練習環境を目の当たりにすることとなりました。先輩方が本気で日本一を目指していると臆面もなく語る姿には痺れましたし、高価な艇がたくさんあるのには心底驚きました。ご飯もすごく美味しかったのを覚えています。そうこうするうちに、ボート部には四年間を費やす価値があると確信するに至りました。入部宣言をした時の恥ずかしいような誇らしいような気持ちは今でも鮮明に思い出せますし、あの時入部しておいてよかったなと思います。

野村さんにとって、高校ボート部と比較した、大学ボート部や東大漕艇部の魅力を教えてください。

高校ボートとの一番の違いは濃密さだと思います。練習の量も仲間と過ごす時間も高校に比べて格段に増え、文字通りボート中心の生活になります。その分だけ競技に熱中できますし、部員との関わりも深くなります。いい意味で部活にのめり込めると思います。

自分のことを話せば、実力が高校から格段に伸び、全国の舞台でもそれなりの結果を残すことができました。高校生からの成長を振り返ると、エルゴ(ボートの動きを陸上で行い、漕力を測るマシン)のタイムは7:07→6:37と30秒も伸び、先にも少し触れたように高校では全国大会に出られませんでしたが、大学では全日本大学選手権(インカレ)において舵手付きフォアで全国7位という順位を付けられました。
また、東大ボート部ならではの魅力は自由度の高さが挙げられると思います。部員が主体となって練習方針や部の運営方法などを決めていますし、練習の改善提案や企画の運営は学年に関係なく行うことができます。体育会というと何かとつけてルールや上下関係に縛り付けられているようなイメージがあるかもしれませんが、東大ボート部にはそういったところを全く感じませんでした。強くなりたい、いいチームにしたい、などといった本気が尊重される環境です。

新人とトレーナーの集合写真(左上が野村さん)。現役時代に培ってきた経験を、これからの漕艇部を担う新人に伝えるため、引退後もトレーナーとして活躍している。
東大漕艇部での選手としての4年間、最も印象に残ったことや感動されたことをお聞かせください。

たくさんありますが、一つ選ぶなら4年の全日本大学選手権(インカレ)です。練習で良いタイムを出せており、結果も期待できる状態だったのですが、大会直前になって調子がガクッと落ちてしまいました。このままでは終われないと思い、大会前日の日が落ちたあとも艇を出し、暗くて視界も悪い中ギリギリまで練習したのはよく覚えています。改めて、勝利への執念や部活への本気を感じました。それが功を奏したのか、大会ではベストに近いパフォーマンスを発揮でき、悔いなくボート部生活を終えることができました。

東日本新人選手権の表彰式での一枚(右から2番目が野村さん)。
首元に光るメダルと笑顔からは、「チームでやり切った」そんな想いが伝わってくる。
主将をご経験されてご自身が成長された点や、努力した点、主将からみたチームの魅力についてお聞かせ願いたいです

これまで本当にリーダーを務めたことがなかったので、歴代主将の文章やリーダー指南書などを読み漁りました。その中で、チーム1人1人が力を発揮できるように仕向けるスタイルを目指すという、自分の中のリーダー像を固めました。最初は仕事を振り、段々自発的な提案を待つという体制をつくることで、皆が本気になれて、全力を発揮するための土台になりたいというスタンスでチームと向き合いました。

特に大切にしたのは日本一という目標をブラさないこと。当たり前のように日本一を狙う心づもりを持てるチームになることが主将としての目標でした。

折に触れて全体に目標をリマインドし、全ての活動が日本一につながっていることを確認できるよう、主将としてチームを引っ張ってきました。

主将としてチームを運営する中で、コミュニケーションの大切さを痛感しました。

同じ目標を掲げるチームメイトであっても意見が完全に一致することはないし、主将であっても単に指示するだけでは人は動いてくれない、といった当たり前のことを肌で実感しました。

きちんと向き合って話し合うことでよりよい提案ができたり、チームメイトを信頼できるようになったりしました。

そんな漕艇部には、本気で応えてくれる仲間がいることが一番の魅力でした。

今思えば「日本一を目指そう」というと青臭い感じもあるけれど、それを冷ややかに笑うのではなく「一緒にやろうぜ」と、共に本気で勝ちを目指す仲間がいました。だからこそ、僕自身もチームのために頑張ろうと思えました。自分自身も正直始めはそれほど高い志を持っていなかったのですが、同期に感化されて部活にのめり込むようになりました。

京大戦男子エイト(舵手1名・漕手8名)の様子。(前から4番目が野村さん)
2000mを漕ぎ切り、仲間とゴールで勝利を嚙み締める瞬間はここでしか味わえない。
最後に、新入生へのメッセージをお願いします。

コロナの影響で例年通りにはいかないため、楽しい大学生活が待っているというより、自分から楽しみを見つけなければならない、なかなかハードな状況だと思います。しかし、困難だからこそ、大学生活について真剣に考えることができ、より充実した時間を過ごせるチャンスもまた大きいと思います。受験でお疲れだと思いますが、もう一度頭をフル回転させて大学生活エンジョイしてください!よかったらボートも漕いでみて欲しい!応援しています。

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