1886年創部の東京大学ボート部のホームページです。日々のブログから部員紹介、レース詳細までこちらで閲覧できます。
チーム紹介

菊池 泰弘(Yasuhiro Kikuchi)
監督(昭和48年度入学)

メッセージ

ボートを漕いでチームワークの極意を体得しよう!

 ボート競技の中でもフォア(4人漕ぎ)やエイト(8人漕ぎ)は「究極のチームスポーツ」と言われ、たいへんユニークなスポーツです。同じ団体競技でも、野球やサッカーなどではスター選手が一人二人いるだけでチーム力が格段に上がり、格上のチームにも勝てる場合がありますが、ボートではそうはいきません。逆に、ひとりでもリズムを乱す選手が居ると艇速が落ちてしまいます。全員の動きが100分の1秒単位の精度で合っている必要があるのです。「一艇ありて一人なし」という状態が理想です。その点では音楽の合奏や合唱とも似ていますが、ただ単に美しく漕いでも艇速が出なければ意味がありません。全員が最大出力で漕いで、なおかつ寸分の狂いもなくタイミングが合っている必要があります。

 こう書くと、なんだか没個性的なスポーツなのではないか?と思うかもしれませんが、実は逆なのです。スター選手が活躍するスポーツでは得てしてその選手に依存したチームになりがちで、それが行き過ぎると本当の意味でのチームワークは養成されません。ボート競技ではクルー全員がお互い同士に頼らざるを得ないため、練習の段階では、それこそ個性と個性のぶつかり合いが現出し、時としてけんか腰の議論になることさえあります。その代り、苦しい練習の末に全員の動きがぴったりと合って、艇がすぃーっと進んだ時の快感は何ものにも代えがたいものがあります。そういう時には不思議とオールが軽く、「えっ、ボートってこんなに楽なスポーツだったのか!」と驚くことでしょう。そしてレースにおいては、その状態を少しでも多く出せたクルーに勝利の栄冠が輝くのです。

 受験勉強や大学4年間の授業では、もっぱら個人の知識や情報を増やすことに追われ、チームワークの極意を学ぶ機会がほとんどありません。その一方、社会に出てから(あるいは大学院に進んでから)は、いかにしてその人が属する集団の能力を高めるかが問われます。現代社会においては、文系だろうが理系だろうが、あらゆる仕事においてチームワークが要求されます。知識や情報はインターネットやメール等で簡単に得ることができますが、それらを用いて如何にしてチーム力を上げていくかを考える能力が求められるのです。ケンブリッジ・オックスフォードをはじめ、欧米の名門大学においてボート競技が盛んなのは、容易に肯けるところです。

君もボートを一緒に漕いで、本当のチームワークの素晴らしさを体得しませんか?